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昭和ブームは”巡礼”に発展? 懐かしのスポットを巡る著者が見た、デジタル世代が求める”リアル昭和”体験

 バブル時代のカルチャーや歌謡曲などに注目が集まり、ちょっとした”昭和ブーム”と言える昨今。もともと、昭和スポットを巡るブログを運営していた平山雄さんによる著書『昭和遺産へ、巡礼1703景』も、情報公開からわずか3日で重版が決定するなど、話題となっている。平山さんによると、昭和に魅力を感じているのは、多くが20代から30代だとか。なぜ、実際の昭和を知らない世代が惹きつけられるのか。現代ならではの波及の仕方など、平山さんに聞いた。

ブログやSNSのメイン読者は若者層、「同世代に共感してもらいたかったのに、なぜ?」

  • 平山さんが暮らす、昭和時代の家

    平山さんが暮らす、昭和時代の家

――平山さんは1968年生まれ。10代の頃から古着や古い音楽、古い町並みが大好きだったそうですね。

平山雄 そうなんです。それで「昭和に囲まれた生活」をするという夢をかなえるために、15年ほど前に昭和時代の一戸建てと国産旧車を買いまして。この昭和スポット巡りも単なる趣味の一環でしたが、友だちから「君がやっていることは人に見せないともったいない」と言われ、「じゃあ、ブログでも起ち上げてみようか」と。それが思いのほか、評判が良かったんです。最初に取材していただいたのは、『東京新聞』さんだったかな?

――ブロクを見て取材に?

平山雄 驚きましたね。その後も、テレビ局や『週刊文春』さんのような雑誌から、ひっきりなしに取材が舞い込みました。なにぶん趣味でしかなかったから、「こんなの取材して何が面白いのかな」と思っていたのですが、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)でもスレッドが立つようになって(笑)。不思議な気持ちになったことを覚えています。

――年配の方が昭和を懐かしがっているのかと思っていたら、ブログの読者は20代、30代が多いと聞いて驚きました。

平山雄 アクセス解析で見ると、半分が30代で1/4が20代。40代はわずか10%で、50代に至っては5%。同世代に共感してもらいたかったのに、なぜウケないんでしょうね(笑)。ただ、ブログスタートと共に、宣伝のためにTwitterを始めたので、そこからSNSをよく利用するデジタル世代=若い世代の読者が増えていったのかもしれないです。

昭和を知らないデジタル世代、”リアル昭和”を求めて現地へ巡礼

レトロな雰囲気漂う、山形県寒河江市の庁舎

レトロな雰囲気漂う、山形県寒河江市の庁舎

  • 著者の平山雄さん

    著者の平山雄さん

――そのデジタル世代は、昭和を知らない世代ですよね。令和の今、なぜ“昭和”なんでしょうか?

平山雄 そうなんです。僕ぐらいの世代だと、懐かしさは少なからずあるじゃないですか。でも若い人は、ほとんど昭和を知らないのに好きだと言ってくださる。知らない世代に対する憧れのようなものがあるのかもしれません。

――それは昭和の時代が魅力的だから、ですかね?

平山雄 どうでしょう。昭和の時代って、90年代頃にはもう「ダサい」と言われていましたよね。僕としては、自分が見てきたもの、好きだと思っていた風景やアイテム、カルチャーが「格好悪い」と言われることは嫌だったんです。ただ、僕自身「昭和のどこに魅力があるか?」と問われたら、「懐かしさ、手作り感、デザイン」と答えることはできますが、正直なところ、理屈じゃないのかなと思います。

――ブログを見て、「実際にそこへ行った」という読者も?

平山雄 そういう方は多いですね。客足が途絶えかけていたお店でも、ブログにアップしたら急に人が集まってきちゃった、という話はよく聞きます。

――最近、とくに若い世代の間では、ガイドブックや旅行サイトではなく、インスタ等のSNSに投稿された写真を見て、“リアル”を求めてその場所に行く、という風潮がありますね。

平山雄 そうですね。でも僕自身は、別に情報発信の目的はなかったんです。ただ「どうせならブログを見てもらいたい」という気持ちから、地域別にカテゴライズして見やすく、どこにあるかわかりやすくは構成してあります。その結果か、「行く時に参考にさせてもらっています」という声もいただいています。

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