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「頑張りすぎてボロボロに…」芸能界に翻弄されたストイック女優・ソニン、辿り着いたナチュラルな生き方
シビアな芸能界、「周りに『痩せなさい』と言われて無茶なダイエットをしちゃう」
ソニン そうですね。きっかけは、『ヘンリー六世』(2009年)という舞台。重い衣装を着て殺陣をする場面があったので、体を軽くしたくて1ヵ月くらいマクロビ(穀物や野菜など日本の伝統食をベースとした食事法)生活にトライしてみたんです。思ったより早く効果が出なかったので、一旦中止して久しぶりにツナサンドを食べたら、体が受け付けなくなっていて。
──具体的にはどんな感じに?
ソニン 完全に食の好みが変わっていたというか、動物性のものが美味しく感じられなくなってたんです。だから宗教や思想でヴィーガンになる方もいますけど、私の場合は好き嫌いみたいなもの。じゃあどうやって栄養バランスを取ろうかと、11年かけて自分の体で実験してきた成果をこの本に詰め込みました。
──20年の芸能生活の中では体型の変化が激しかった時期もありましたが、今は?
ソニン ここ10年くらいはずっと安定してます。私もそうでしたけど、この業界、特に若い子は周りに『痩せなさい』と言われて、無茶なダイエットをしちゃう子が多いんですよ。その結果、健康もメンタルも悲惨なことになってしまって。そんな私の過去の失敗も綴っているので、「もしかして今の自分ヤバいかも?」と感じている方にも手に取っていただけたらなと思います。
「頑張ることをやめてしまったら、自分は消えてなくなってしまう」という強迫観念
ソニン もともとダイエットには全然興味がなくて、でもこの業界に入り、事務所の人に言われるままにダイエットに励みました。ただ、知識もないから、ひたすら食べずに1ヵ月で10キロ減。その後、反動でたちまち7キロ増。当時は痩せても太っても自分の体が好きになれなくて、って思ったり、心も体もボロボロになっていました。
──当時の心境はどんなものだったのでしょうか? ダイエットに限らず、いろいろなことを頑張りすぎてしまっていた?
ソニン いま振り返ると、周りと比べてしまってたことが大きかったのかなと思います。芸能界って、生まれ持った才能に溢れている人、センスの塊みたいな人がゴマンといるんです。だけど自分は何も持っていないから、努力で埋めていくしかない。頑張ることをやめてしまったら自分は消えてなくなってしまうんじゃないかって、ただひらすら、がむしゃらに努力をしてしまっていたんですよね。
──そんな自分を乗り越えたきっかけは?
ソニン 2012年に芸能活動を休止して、ニューヨークに留学した経験が大きかったです。ニューヨークには人種も趣味嗜好もライフスタイルも、本当にいろんな人たちが暮らしていて、誰もが人の目を気にせず自分らしく生きているんですね。いい意味で欲望に忠実というか。逆に、誰にも命令されることがないし、「こうでなければいけない」みたいな空気もない分、本来の自分と向き合わざるを得なくもなりました。自分は何をしたい人間なのか、ということを考えましたね。