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40周年『ビッグコミックスピリッツ』が高い“実写化率”のワケ…骨太作品の裏にある脱アンケート至上主義
40年続く編集方針は“編集者至上主義”
兄貴分的存在になる『ビッグコミック』は、68年の創刊から白土三平、手塚治虫、石ノ森章太郎、水木しげる、さいとう・たかを、ジョージ秋山ら大御所による大人に向けた漫画を掲載。『ゴルゴ13』や『浮浪雲』などの長期連載の人気漫画を世に送り出すなど、漫画業界に青年漫画のジャンルを確立し、人気を牽引した存在。その名を冠するとあって、『スピリッツ』創刊にあたっては、何より「新しい息吹、新しい精神、スピリットを注ぎ込むこと」を考えたという。その代表的な挑戦が、アンケート主義への反発だった。
「掲載作品を決めるプロセスはいくつかありますが、特徴的なのは年に数回行われるコンペです。編集部全員の投票で勝者が決まり、1位は必ず連載します。2位以下も内容次第で連載化される場合が多いです。面白いものに王道もマイナーもないという考え方から、王道、マイナー関係なく、面白いと思うものを連載化しています」
他の漫画誌と比べても高い実写化率を誇る『スピリッツ』だが、雑誌としての発信に対するこのこだわりが、常に“新しい作品”を探している映像関係者にとって、興味を惹かれるものであることは間違いないだろう。