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『ニート保護法』が成立? ドラマ化もされた“引きこもりと公務員”夫婦の恋「強さと自暴自棄の両面を描きたい」
ドラマ化で反響、社会問題を解決する『ニート保護法』が作品のカギに
今年10月からはドラマ化もされ、テレビ朝日系で放送がスタート。さらに多くの反響を集めることとなった。12月5日にはいよいよ最終回を迎えるが(ABCテレビでは6日が最終回)、作者の夕希さんも感慨ひとしおのようだ。
「自分の作品がメディア化されるなんて、連載を始めるときには思ってもいなかったので、驚きと動揺でした。誰かが私の作品を演じている想像はできなかったのですが、キャストさんやスタッフさんをはじめ、皆さんのおかげで素敵な世界にしていただき、本当にありがたいです。読者さんも喜んでくれている方が多い気がします」。
独身の社会人とニートを結婚させて、少子高齢化や働かない若者の増加といった社会問題を解決する。そんな前代未聞の『ニート保護法』が、この作品のカギとなっている。かなりインパクトのある内容だが、「法律に関しては、ストーリーの展開に合わせて、後付けの部分が多くて…。至らない部分が多く、反省をしている箇所ばかりです…」と、こだわりの設定への苦労を覗かせる。
主人公の沢本陽茉梨は、中学卒業後から育ての親である祖父母の介護をしていて、そのままニートになってしまった女性。まるで現代社会の縮図であるかのようにも見えるが、「お世話になった祖父母を看取るという強くならざるを得ない面と、それゆえに反動から自暴自棄になってしまうという両面を持った子にしたかった」と、夕希さんさんは陽茉梨という女の子へ込めた思いを明かす。
一方で、そんな陽茉梨と結婚することになる秋保心に関しては、「陽茉梨を通すことで、いつもの世界がよりキレイに見えて、以前よりも優しい人になればいいなぁと思って描いていました」と語ってくれた。
夫婦にさせられた2人、次第に惹かれ合い“家族”に
心が勤めている厚生労働省からの辞令で、いわば実験的に強引に夫婦にさせられた2人だが、夫婦生活をスタートさせ、お互いを知ることで、次第に惹かれ合っていく。陽茉梨と心が恋に落ちていく描写や、周囲の優しい人々に支えられながら家族となっていく様子については、「陽茉梨も秋保も成人していますが、可愛らしく見えるように意識しました」と振り返る。
ちなみに、夕希さんのお気に入りのシーンを尋ねたところ、「2人が新婚旅行をする回は、ドラマでもとっても可愛く撮ってもらっていたので、よりお気に入りになりました。やっぱり大事なお話だったので、思い入れは強いです」と教えてくれた。
『マリーミー!』で大きな注目を集めた夕希さんは現在、『僕のソルシエール』という作品を『LINEマンガ』にて連載中。「『マリーミー!』もある意味ファンタジーのような作品でしたが、『僕のソルシエール』はしっかりとファンタジー要素のある作品です。『マリーミー!』の登場人物よりも平均年齢がかなり下がりますが、子ども特有の視点や感性を描ければいいなと思っています」と、新たな作品への意気込みを語ってくれた。