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近未来の日本の姿?「浮遊邸」制作モデラーが投げかけた“空に住む理由”

技術の進歩で空に住めるのに、なぜ浮いてる家屋が長屋なのか

――そう聞くと余計になにか、日本社会にも通じる背景を感じます。
さいそうロンドンでは住宅費の高騰によって船上生活者が増えているというニュースを見たことがあって、それもヒントに膨らませていきました。
 日本では、今でも都心の人気のあるエリアに個人で土地を持つのはとてもじゃないけど難しい。だからその利便性を大勢でシェアするためにマンションがどんどん建っていますし、いずれそのマンションを建てる土地がなくなってきたら、最終的にはスペースコロニーに移住みたいな時代が来てもおかしくはない。
 また、いくら科学技術が進歩していってその恩恵を受けることができたとしても、生活の彩りとしての部分、具体的には娯楽など生きていく上で必ずしも必要でないものは、結局経済的な格差が如実に表れていく。例えば、昔は、車は高級品だったけど今ではみんな乗ってますいる。でもその車は、価格や性能は比べたらピンからキリまでものすごい差がある。そういう部分を作品に落とし込んでいけたら面白いかなという思いもありました。
 「浮遊邸」は、住宅を空に飛ばす技術が一般化した時代、家だけでなく、犬小屋だって飛ばしちゃう。土地を購入することに比べたらかなり安く済ませることができるんだけど、結局家屋の部分は普通にお金が掛かるので、新築や新しめの家ではなく、中古で買った長屋の一部分を強引に乗せているといった感じです。
――煙草を吸う女性、ベランダで外を見る男の子など一家の人々の生活も細かく描かれています。
さいそう空飛ぶ長屋(の一部)という限られた空間の中で、貧しくも逞しく生きる家族の営みやペットの暮らしを凝縮して表現出来たら面白いかなと思い、そこからイメージを膨らませていきました。この「浮遊邸」の家族は、夫婦と子ども2人(姉弟)の4人家族+愛犬。お父さんは朝からひと仕事終えて窓辺で休憩中。お母さんは日頃のストレスを発散するために火気厳禁の船底の機関部で一服中。お姉ちゃんは毎朝の日課で屋根の上の鶏小屋から新鮮な卵をもらいに。多感な時期の弟君はベランダでたそがれています。そのほかにも本邸に居座った野良猫と空飛ぶ犬小屋につながれた愛犬との対立関係など、小ネタをちりばめています。
 こういう細かい設定などもあるのですが、それは気にしないで、見た人がそれぞれ感じ取って楽しんでもらえたら自分的にはうれしく思います。

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