• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • 趣味
  • まるでジブリの世界観? ジオラマで蘇る“昭和の日本”の原風景
ORICON NEWS

まるでジブリの世界観? ジオラマで蘇る“昭和の日本”の原風景

ジオラマは風景の再現ではない「物語」を込められるのが魅力

――「渓上里村」の大きな特徴は、エフェクターボードの中にその世界が広がっているところです。これを利用しようと思ったのはなぜですか?
はやまさ鉄道実は最初にイメージしていたのは、三陸鉄道が走るNHKの朝ドラ『あまちゃん』の世界でした。ただ、あまちゃん界では「海」が不可欠ですが、既に60cm×45cmのエフェクターボードを使って作ることを決めていたので、「このサイズでは海は難しそうだから渓流にしようかな」と徐々に路線変更していくうち、だんだんとこの作品のイメージを固めていったという感じです。
 エフェクターボードは、Nゲージレイアウトを作ろうと思った時、とにかく部屋が狭いので大きいものは無理、コンパクトかつ、ふたをして収納できるようにしたいと考えました。条件としては、蓋は取り外しが可能で、レイアウト本体は人の目線で真横から眺められるように箱状ではないものをと考えて…。実は、私は本業でジャズベーシストをやっていまして、エフェクターボード条件にぴったりだと思いつきました。そして、ハードオフで中古を見つけ、確か800円で購入しました(笑)。
――エフェクターボードを使用したことで難しかった部分はどんなところですか?
はやまさ鉄道苦労したのは、ふたをするので高さに制限があったことですね。トンネルは作りたいものの、その為にはある程度の高さがある山を作らなければなりません。そうするとふたが閉められなくなる。そこで、山を上下に分割できる様にして、蓋をするときには上部分を取り外し、箱の中に収納できるようにしました。分割する境目を目立たない様にするためにも工夫が必要でしたね。
――ご自身の趣味である渓流部分も見事に表現されています。
はやまさ鉄道渓流をいかにリアルに作るか、は相当こだわりましたね。渓流釣りをしていて、人里を流れる里川から釣り上がり、橋をくぐり、鉄橋をくぐったらいよいよ上流部の険しい流れへ…そんな緊張感、高揚感を追体験できるような渓流の表現を目指しました。
――本作も含め、ジオラマ制作時に気を付けていることはどんなことですか?
はやまさ鉄道上の答えと矛盾するようですが、実物そっくりに“リアルに作る”ことに拘らず、“リアルに見える”ように工夫する、という事でしょうか。性格が変にマジメ(?)なものでつい「実物通りに作らなきゃ」と思ってしまうのですが、私の技術では難しかったり、そもそも物理的にムリな場合も多い。
 例えば、植木鉢の花をNゲージのスケール、1/150で実物そっくりにリアルに作ることにこだわったら、そもそも作るのを諦めてしまうかもしれません。諦めるくらいなら、なんとなく花に見えそうな方法をいろいろ考えて試してみればいい。その結果、渓上里村に咲いている花は、みんな線路のバラスト石をエナメル塗料で着色した物です。「お金かけるな手間かけろ」「お金使うな頭を使え」などは、ジオラマ作りにおける私の信念ですね(笑)。
――はやまさ鉄道さんにとって「ジオラマ」とは?
はやまさ鉄道単に「風景」を再現するだけではなく、作品の中に「物語」を込める事ができるのがジオラマの魅力だと思います。ちょっと大袈裟かもしれませんが、私にとっては、小説を書く、ドラマや映画を作るのと同じようなことなのかもしれません。『手元に置ける「物語」』ですね。

エフェクターボードから開封される「渓上里村」

あなたにおすすめの記事

 を検索