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ORICON NEWS
ミニ四駆コンデレ コンクールデレガンスで人気のマシン一挙公開
「ターミネーター」モチーフの改造ミニ四駆、メッキなし塗装のみで魅せる“金属感”
難しいのは「元の形状を残しつつ、ボディの情報量をバランス良く増やすこと」
「16年です。コンデレは11年になります。一番初めに買ったミニ四駆は、フルカウルミニ四駆シリーズの“マグナムセイバー”です。当時は『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』ブーム真っ只中で、通っていた小学校の男子はみんなミニ四駆を持っていました」
――『CANNON D BALL “TERMINATOR”』はどんな作品ですか?
「2017年発売の“キャノンDボール”というマシンを元に制作しました。完成まで約一ヵ月かかりました」
――今作を制作するうえで、こだわった改造箇所を教えてください。
「細部の穴空けやスジ彫り、インテーク等の追加加工です。立体感を強調して陰影による重厚感が出るようにこだわりました」
――メッキパーツを使用しておらず、全て塗装というところに驚きました。“金属感”を出すのに工夫したことは何ですか?
「ボディに採用したメッキ風塗装はまず綺麗で平滑な下地を作る必要があり、トップのシルバーを乗せる前に三層の下地を作り込みました。シルバーは敢えてバンパー等の金属パーツとは同色にはせず、マシーン兵器感がある暗めのカラーになるよう、とにかく薄く回数を抑えながら吹き付けました」
――制作にあたり苦労した点は何ですか?
「元のカッコいい製品の形状を極力残したかったので、追加加工でボディの情報量をバランス良く増やすのにとても苦労しました」
過去には自身の作品がタミヤから製品化
「今までに制作したマシンは30台くらいありますが、“バイソンマグナムGスペシャル”というマシンです。全体のカラーバランスにこだわりました。こちらは後にタミヤさんから製品化されて本当に嬉しかったです」
――マシンによるとは思いますが、平均して一台の制作にかかる時間はどれくらいでしょうか?
「大体一ヵ月はかかります。できるだけ妥協せずに作品を完成させるには自分が一度の作業で続く集中力を知り、決して無茶をしないことが重要だと思います」
――コンデレ制作者として、いちばん重要な技術は何だと思いますか?
「“客観力”でしょうか。独りよがりな作品ではただの自己満足で終わってしまいます。手先の器用さよりも、まず相手にいかにメッセージを伝えるのかが重要だと思います」
――作品のコンセプトはどのように決めておりますか?
「好きな物を落とし込む事が多いので、その時に興味のある物が中心になってきます。映画や音楽やファッション、意外なところでは街の看板等からヒントを得る事も多いです」
ミニ四駆は「自己完結で終わらないホビー。まるで人生のよう」
「当初はレース用マシンをそのままコンデレにも出していたので、コンデレを始めようと意識をしたことはありませんでした」
――通常のレースでも好成績を収めていると伺っております。コンデレ用、レース用と分けてエントリーしているのですか?それとも同じマシンでエントリーしているのですか?
「レースでは2015年に念願の世界チャンピオンになりました。現在はコンデレ用マシンとレース用マシンで分けてエントリーしています。レースで勝つ事を前提にセッティングするとコンデレマシンの表現の幅を狭めてしまうからです」
――今後はどんな作品に挑戦したいですか?
「今回の『CANNON D BALL“TERMINATOR”』もそうですが、まだ他の人がやっていない斬新な作風にどんどん挑戦していきたいです」
――ご自身にとって「ミニ四駆」とは何ですか?
「“人”だと思います。レースでもコンデレでも外に出て自然に人との関わりが生まれるのがミニ四駆の魅力です。自己完結で終わらないホビーだからこそ他者から学ぶ事も多いですし、特にレースでは自分の思惑通りにならない事のほうが多いです。まるで人生のようなホビーなので飽きずに続けていられるのかもしれません」
◆マブダチモーター鈴木さんTwitter @mbdc49 (外部サイト)