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パパの作る“お刺身アート”、きっかけは家訓「魚は男がさばくものだと教えられた」
「刺身を薄造りで盛り付けた時、スカートの模様に見えた」
【mikyou】 家族は別段普通ですし、家族以外ではごく限られた人しか素性をしらないので、ほとんど反応ありません!
――そうなんですね(笑)。Mikyouさんが「お刺身アート」の第一歩となる“魚さばき”を始めたのは2017年夏頃とうかがっています。小学生のご長男に魚のさばき方を教えたくて始められたそうですね。
【mikyou】 うちの家系は男が魚をさばくものだと小さいころから教えられて育ったので、それが当たり前だと思ってました。もう亡くなったのですが、私の父も魚をさばくのが上手で、「女性の手が魚臭くなったり、怪我をしたら嫌だろ?」と言ってました。
【mikyou】 さばくだけなら生前の父の方が上手なんじゃないかな?「姿造り」や「船盛り」の盛り付けは、今なら私の方が綺麗にできるかも(笑)。
――当初はさばいた魚を「姿造り」「活造り」などにしてSNSに投稿されて。「お刺身アート」は女性や外国の方に興味を持ってもらうために考案されたそうですが、作品に女性モチーフが多いのはなぜでしょうか?
【mikyou】 お刺身を薄造りで盛り付ける際、重ねて広がる様に並べるんですが(厳密に言うと切り方や並べ方の決まりがあるみたいです)その並べた様子がスカートの広がりとスカートの模様に見えたんです。なので、女性というよりスカートが定番になった、というのが正しいかもしれません。
大事なのはバランス「ちょっと崩れるだけで蝶が蛾になることも」
【mikyou】 今のところ海外の方は「アリエルの皿」ですかね。日本の方には「ペガサスの皿」が人気です。
――サーモンやマグロでできた「アリエル」は華やかで、白身のガンゾウビラメだけで作った「ペガサス」は神秘的でした。mikyouさん流の「お刺身アート」の作り方を教えてください。
【mikyou】 基本は刺身を並べるだけなんですが、作り方は2パターンあります。盛り付けるモチーフを先に決めてその通りに並べていく方法と、モチーフを決めずに並べていく過程で何かに見えた時にそれを形作っていく方法です。
【mikyou】 上手に作るコツは、何度も何度も失敗しながら盛り付ける事です。私も今でも、綺麗に切れていなかったり、思い通りのイメージにならなくて失敗ばかりですよ。ほんのちょっとのバランス(鳥だとくちばしの長さや羽の長さ、胴体と足のバランスとか)がおかしいと蝶を作ったつもりが蛾になりますからね。初めの頃はよく蛾や化け物を作ってました(笑)
「常識に囚われていたら新しい発見はないと思う」
【mikyou】 いえいえ、柵で買うこともよくありますよ。サーモンやハマチ、マグロは食べきれませんから(笑)。中くらいの大きさの魚までなら、一匹丸ごとからさばいてます。アラは出汁やアラ炊きに、皮は湯通ししてポン酢で、胃袋や肝、真子や白子も美味いです。
――革新的な発想で注目を集めている「お刺身アート」ですが、もともと日本料理の盛り付けは芸術的なものが多いですよね。
【mikyou】 そうですね。一部の方に「食べ物で遊ぶな」「べたべた触ってるんでしょ?」と言ったコメントをネットニュースのコメント欄でいただくこともありまますが、日本料理では、活魚をさばいて盛り付け、口がパクパク、尻尾がピクピクしてる「活造り」という盛り付けがあります。また、フグの薄造りでお皿に鶴を描く「フグの鶴造り」なども。キュウリで蝶や松、大根で菊を作ったり、ニンジンで紅葉を作る“飾り切り”もアートといえばアートです。常識に囚われていたら新しい発見はないと思うんです。
――今後、挑戦してみたいモチーフ、目標を教えていただけますか?
【mikyou】 内緒です。フォロワーさんに驚いて欲しいから(笑)。今後の目標は、「お刺身アート」はあくまでも趣味なので楽しく美味しく♪今より綺麗に盛り付けできるようになりたいですね。