ORICON NEWS
加熱式たばこ市場で確変は起こる? 鍵は「メンソール」、JTが新型モデルで巻き返し図る
国内の加熱式たばこ市場で、3番手に甘んじるJT
日本の加熱式たばこ市場といえば、『アイコス』のフィリップモリスジャパンが大きなシェアを握り、次いで『グロー』のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン、そして『プルーム・エックス』のJTという構図となっている。
なぜJTが2社に大きく水をあけられたかというと、「高温加熱式市場に参入が遅れたのが理由。タイムギャップが競合他社のリードを許してしまった」と、山口氏は振り返る。JTはもともと、加熱式たばことして『プルーム・テック』を発売していたが、こちらはアイコスなど高温加熱式とは違う低温加熱式。高温に比べ吸いごたえがない低温商品であったことから、紙巻たばこからの乗り換えユーザーから物足りないと思われた。高温加熱式商品を発売した後も、そのイメージからなかなか脱却することができず、これが三番手に甘んじた理由でもあるだろう。
国内市場における一定の成功について山口氏は、吸いごたえや味、デザイン性の向上に加え、「今年3月の『メビウス』(たばこスティック)の発売が、大きなプロモーションになった」とも明かす。ほかにも、「限定でデバイスのカラーバリエーションを出したことも好評でした。アイコスを使っている方は多いですが、そのバリエーションとして買ってくださる方も多いのではないかと思います」と推察する。
「物足りない」加熱式たばこ、離脱理由を解決する新型モデル
「いま2.5倍の成長ということですが、個人的な願望としてはさらに2倍、3倍になることを願っています。出遅れてはいますが、『プルーム・エックス・アドバンスド』は競合と戦っていけるレベル、それ以上に到達するレベルだと考えています」
では、その『プルーム・エックス・アドバンスド』とは、どんな製品なのか。
「もともと『プルーム・エックス』は、デバイスの操作性や吸える時間の長さ・回数の多さなど、ユーザビリティとしては高い評価を得ていました。ですが一方で、吸いごたえがない、味香りが弱い、メンソール感が弱いという理由で離脱する方もいました。これは『プルーム・エックス』に限らず、どの加熱式たばこでも同じ理由で離脱する人が一定数います」(山口氏、以下同)
加熱式たばこはにおいや煙が少ない代わりに、どうしても物足りない。それが紙巻たばこユーザーの偽らざる本音だったであろう。だが、時代の流れも喫煙者を取り巻く環境も、紙巻から加熱式に移行しているのは確か。少しでも離脱の原因となる課題を解決したいとして、開発されたのが新型モデル『プルーム・エックス・アドバンスド』だった。
「『プルーム・エックス』の強みを維持・強化しつつ、吸いごたえ、味香りの進化を実現できないか」。そうして生まれた『プルーム・エックス・アドバンスド』は、JT独自の新加熱技術“POWER HEATFLOW”により、最高加熱温度を約320℃まで向上。味わい・吸いごたえを引き出しながら、たばこ葉本来のうまさを最初から最後まで楽しめるようになったという。充電時間は110分から90分に短縮、使用開始時のボタン操作が不要に…など、さらなるユーザビリティの向上にも努めている。