• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • 加熱式たばこもくさい?「においも副流煙もない」たばこは実現するのか…誕生10年の現在地
ORICON NEWS

加熱式たばこもくさい?「においも副流煙もない」たばこは実現するのか…誕生10年の現在地

ウィズ2

 様々な規制や健康懸念、またスメハラに代表されるにおい問題などによって喫煙人口が減少している現在。そんな状況からか、紙巻たばこを吸う人はジリジリと減り、「加熱式たばこ」へ移行する人が続々。この5年で、加熱式たばこのシェアは約3倍にまで伸びたという。とはいえ、「加熱式たばこもくさい、嫌だ」という声は止まない。誕生から10年、加熱式たばこはどうなっていくのか?

約3人に1人が「加熱式たばこ」を選択、でも“独特なにおい”を嫌う人も…

  • 様々な種類の加熱式たばこが存在

    様々な種類の加熱式たばこが存在

 現在では、紙巻たばこを吸う人が66%、加熱式たばこを吸う人が34%。今や喫煙者の約3人に1人が加熱式たばこを選択していることになる(JT推計による)。だが吸わない人からは、「紙巻たばこよりはマシだが、加熱式たばこも独特のにおいがあって気になる」「副流煙は変わらないだろう」という声も根強い。

 一口に“加熱式たばこ”と言っても、実はいろいろと種類がある。まず、におい一つとっても変わってくるので、一度ここで整理してみたい。よく、“電子たばこ”と総称されるが、これは厳密にいうとリキッドタイプのみが該当する。

【高温加熱式たばこ】<アイコス、グロー、プルーム・エックスなど>
特長:たばこ葉の詰まったスティックを「加熱」して吸う。紙巻たばこのように「燃焼」させないためタールは発生しない。独特のにおいはあるが、発生するのは煙でなくたばこ葉由来の成分を含む水蒸気。

【低温加熱式たばこ】<プルーム・テック(現在は販売終了)など>
特長:グリセリンと水などからできたリキッドを「加熱」し、そこから上がる蒸気をたばこカプセルに通過させて吸う。たばこのにおいはほとんどなく、発生するのは煙でなくたばこ葉由来の成分を含む水蒸気。

※フレーバーの付いたリキッドを蒸発させて吸う「ベイプ」は、日本ではニコチンが含まれるものは販売不可であり、「たばこ」ではない。

 おおまかにいうと上記のとおりで、いわゆる「加熱式たばこもにおいは気になる」と言われているのは、“高温加熱式たばこ”のことであろう。たしかに、代表的なデバイスであるアイコス、グロー、プルーム・エックスにはそれぞれ独特なにおいがあり、とくにコロナ禍以降、他人のにおいに敏感になった人々から嫌われがちだ。この10年で各社はデバイスを進化させているが、この高温加熱式たばこのにおいは低減できないものなのだろうか。

プルーム・エックスを販売するJTによれば、残念ながらそれは難しいようだ。「紙巻のように燃焼させなくても、機構上たばこ葉を加熱したにおいは出ます」とのことだった。

「副流煙がない」加熱式たばこ、においも健康懸念も大幅に低減した“低温加熱式”に可能性

インフューズドたばこ「ウィズ2」

インフューズドたばこ「ウィズ2」

 とはいえ、加熱式たばこ全般が、紙巻たばこのにおいや健康懸念を低減するために生まれたものであることは事実だ。なかでも、周囲の人の健康までを脅かす副流煙(燃焼部分から立ち上る有害物質を含んだ煙)への批判は大きく、対応する必要があった。この10年の趨勢(すうせい)を見てきたJTのブランドマネージャー・嶋根崇駿氏は、次のように語る。

 「健康懸念や周囲へのたばこのにおいの配慮の観点から、加熱式たばこは生まれてきました。黎明期から比べても、現在では健康リスクの低減は当たり前です。ただ、よく誤解されがちなのですが、加熱式たばこは高温加熱式でも低温加熱式でも、燃焼に伴い発生する副流煙はありません。また、紙巻たばこと比べて健康懸念物質は大きく低減しています」

 「副流煙がない」加熱式たばこの登場は、たばこを吸わない人にとっても、吸う人にとっても歓迎すべきものだろう。さらに気にすべきは「においが気になる」と言われる高温加熱式たばこの独特のにおいだが、実はここにも突破口はあった。それが、“低温加熱式たばこ”である。

 前述のとおり、プルーム・テックに代表される低温加熱式たばこは、リキッドを加熱して蒸気を吸い込むもの。たばこ葉自体を加熱しないため、たばこのにおいはほとんど出ない。このほど、JTが新ブランドを立ち上げて発売したインフューズドたばこ『ウィズ2』は、「においも副流煙もない」との報道に大きな注目が集まった。同社は、高温・低温のわかりにくさを解消するため、低温加熱式たばこを「インフューズドたばこ」として新たに打ち出していくことにしたのだ。

“低温加熱式”なら髪や服にもにおいがつかず、壁紙の着色もないのは本当か?

 実際、外部機関と協力して様々なにおいの調査を行ったが、紙巻きたばこが臭気強度4(強いにおい)に対して『ウィズ2』は1(やっと感知できるにおい)。髪や服につくにおいも同様だ。また、歯への着色は紙巻きを20とした場合1〜2、壁紙の着色に至っては紙巻きを9とした場合0.5以下だったという。

 「健康懸念物質に関しても、『ウィズ2』は紙巻たばこの約95〜99%まで低減しています。プルーム・エックスでも90〜95%は低減しているのですが、さらに低い数字となりました。調査では毎月、定期的にモニタリングを行っています。結果からは、健康リスクを低減できる可能性があると言えるのですが、加熱式たばこは歴史が浅い。まだ研究段階であり、はっきりとした結論に至っていないというのが現状です」

あなたにおすすめの記事

 を検索