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JO1とサンリオ、キャラクター“共同開発”は初の試み ゼロスタートで舞台裏公開「勇気がいった」
JO1と「ゼロからキャラクターを共同開発」、タイでは人気投票3位に
アーティストとキャラクターのコラボといえば、2009年に誕生したyoshikitty(ハローキティ×YOSHIKI)が思い浮かぶ。そのほか、なにわ男子とサンリオキャラクターズのコラボや、モーニング娘。の応援キャラクターとなった『Caribadix(カリバディクス)』(がおっきー)など、アーティストと既存のキャラクターを掛け合わせた企画はこれまでもさまざま行われてきた。
JOCHUMがそれらとまったく違うのは、JO1のメンバーがそれぞれ自分の分身的なキャラクターを考案し、サンリオのデザイナーと意見交換をしながら「ゼロからキャラクターを共同開発」したという点だ。
「まずはメンバーのみなさんに『自由にキャラクターを考えてください』とお願いするところからスタートしました。正直、どんなものが上がってくるかドキドキしましたし(笑)、おそらくデザイナーが最初から最後まで作ってしまったほうがスムーズではあったと思います。ただそれでは“共同開発”の意義がブレてしまうので、『あくまでもメンバーのアイデアを尊重する』ことを一番大切にしながらプロジェクトを進めていきました」(JOCHUMプロジェクト担当/以下同)
ビジネスというより推し活? 一方で社内からは懸念の声も…
「番組を観て応援していたときに、ある友だちがポロッと『JO1とサンリオがコラボしたら面白そう』と言ったんです。それまでサンリオにはアーティストと新キャラクターを共同開発するという経験はなかったので、新しい試みになるかもと思い、友だちと盛り上がったのを覚えています」
それから時は流れ、2021年のサンリオキャラクター大賞発表会でJO1とシナモロールがコラボステージをするという縁に恵まれた。「会社にこのアイデアをプレゼンするなら今だ! と思いましたね」と担当者は振り返る。
だが、社内では懸念の声もあがった。キャラクターは永遠の存在だが、アーティストはいわば生モノ。来年50周年を迎えるハローキティのように、長年愛されるキャラクターに育てていくにはさまざまな課題も想定される──。
「それでもなお『挑戦する価値はあります』と主張したのは、何よりJO1のファンダムの熱量を私自身が実感していたからでした」
有名人とのコラボというと、どうしても「ビジネス先行なのでは?」とうがった見方もあるだろう。だがこの企画は、担当者が「個人的には推し活に近い感覚」と振り返るとおり、意外にもピュアな部分からスタートしたものだった。
キャラクター開発の舞台裏を初めて公開、「サンリオとしても勇気のいること」
「一番びっくりしたのは、マイクのキャラクターでした。動物系やヒト型のキャラは想定内でしたが…。ほかにも複数のキャラクターを考案してくださったのですが、『マイクンが一押しです!』ということだったので、採用させていただいた経緯があります。そのほかのみなさんも、私たちの心配をよそにものすごく詳細な設定を考えてきてくださったり、かなり完成度の高いラフ画まで描いてきてくださったメンバーがいたりと、アーティスト活動でお忙しい中、真剣にプロジェクトに取り組んでくださったことに感動しました」
こうしたメンバーの素案をもとに、同社デザイナーが「11体のキャラクターに統一感を出す」「サンリオナイズする」といったブラッシュアップを加えた。プロジェクト進行の様子はYouTubeで随時公開され、多くのJO1ファンが見守る中でJOCHUMは完成されていった。
「キャラクター開発の舞台裏を公開したのも、今回が初めてでした。サンリオとしても勇気のいることでしたが、JO1が“お飾り”ではなく、全力でキャラクター開発に携わったことをお伝えする上で大切なことだったと考えています。視聴者の反応にもドキドキしていましたが、ファンのみなさんはとても温かくて、『サンリオの開発力がすごい!』『ありがとう!』というコメントを見たときには、やってよかったと思いました」