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なぜポムポムプリンのお尻には「しるし」が? 「黄色いキャラは売れない」セオリー覆した意外な歴史
キャラクターに前代未聞の「おしりのしるし」、社内では予想外の反応
ポムポムプリンは、同社の「犬キャラクターコンペ」で誕生。初代デザイナーの手により、ふわふわした子犬と美味しそうなプリンをハイブリッドしたキャラクターが完成した。可愛らしさはもちろんだが、デザイン面でもっとも引っかかるのが「*」マークで描かれた「お尻の穴」だ。公式では「おしりのしるし」と呼ばれているこの部位だが、はっきり描かれているのはキャラクター界広しと言えど前代未聞。キラキラ可愛いキャラクターぞろいのなか、「お尻の穴を描くって…」と社内から反対の声はなかったのだろうか。
ポムポムプリンが無防備に見せる「おしりのしるし」は様々な商品にもしっかり生かされており、最近ではお尻からティッシュが出てくるという攻めたデザインのティッシュカバーがSNSで驚愕を呼んだ。
「デビューから27年経っても、いまだに『お尻の穴…付いてたんだ!』とびっくりされますね。こちらからは特にアピールはしていないのですが、イラストでもコロコロ転がるポーズが多いのでうっかり見えてしまうことが多くて(笑)。『ポムポムプリンには実は…』みたいに話題にしたくなるという意味では、今のSNSの時代に合っていたのかもしれません」
“ピカチュウ以前”、「黄色は売れにくい」セオリー覆してキャラクター大賞1位に
「この結果は社内でも驚きでした。それまでキャラクターのメインユーザーは女の子。当時はピンクやブルーのハローキティが人気で、黄色いキャラクターはサンリオにはほとんどいなくて。黄色は売れにくいというセオリーが社内でもあったんです」
海外発の黄色いキャラクターには『くまのプーさん』などがいるが、たしかに国産キャラクターとしては、それまであまり存在しなかった。ピカチュウで人気に火がついた『ポケモン』のアニメ放送が始まったのは、ポムポムプリンがデビューした翌年の1997年だ。
「同年代で言えば、2001年デビューのシナモロールのメインカラーは水色。ランドセルの色もそうですが、もはや女の子=赤やピンクではなく、個人の好みで多様な色を選択できる時代がその頃から始まりかけていたのかもしれません。また、ポムポムプリンは男性のファンも多く、“キャラクター=女の子のもの”という固定概念も覆してくれました」
2003〜2009年頃までは新人キャラクターたちに押され、商品展開が一時休止する不遇の時代もあった。それだけに本格復帰後は古参ファンに大いに歓迎され、2010年サンリオキャラクター大賞では4位に。その後も上位ランクをキープし続けている。
「復帰直後は『子どもの頃に好きだった』という方々に支えられましたが、昨今は新たにファンになったという方がとても多いんです。コロナ禍で家に閉じこもっていたときに、プリンの無邪気な笑顔とマイペースな様子に癒されたという声は本当にたくさん聞きます。黄色というビタミンカラーにも、元気をもらえる効果があったのかもしれないですね」