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ぐでたま「だりぃ〜、ねみぃ〜」で10周年、“サンリオらしくない”と言われながら個性が支持された理由
Netflixでまさかの実写化、「世界配信するからといってやる気を出さないように」
「日本以外では生たまごを食べる習慣がほとんどないため、社内でも当初は『海外では理解されないのでは?』と言われていました。ぐでたまの発言をまとめた本『ぐでたま哲学』は翻訳版も出版されているのですが、海外からも『本質を突いている』といった反響があり、キャラクター造形を超えて支持してくださっているのを感じます」(サンリオ 海外事業本部・沖崎麗さん)
昨年12月からは、実写ドラマとしてNetflixシリーズ『ぐでたま〜母をたずねてどんくらい〜』がグローバル配信。Netflixでの展開は、『アグレッシブ烈子』(アニメ)に続きサンリオでも2作目。「今までにないサンリオのキャラクターであり、ストーリーを持たせられるのでは」とのNetflixの見解もあり、まさかの実写化に至ったという。
こう聞くと、なにか大きなプロジェクトのようだが、『ぐでたま』の第一発見者(デザイナー)のAmyさんはこう述べる。
「Netflixの方には、世界配信するからといってやる気を出さないようにお願いしました。ぐでたまの造形については『おいしそうしてください』と。私自身は最初から“そういうもの”として作ったので。ただ今作で初めてぐでたまに触れた方から、『こんな結末だなんて!』と怒られないか、ずっとドキドキしています」(Amyさん)
ゆるキャラブームが背景に…疲れた現代人模した異色キャラクター、文字入りLINEスタンプで人気に
「家でたまごかけご飯を食べていて、ぐでっとした黄身が寝そべっている人のように見えたんです。たまごって栄養もあるしいろんな料理にもなるし、すごく優秀なのになんかやる気がなさそう。それって、本当は能力があるのに、競争社会に疲れてしまって『頑張るのは嫌だな』と思っている現代人っぽいな、と思ったのが始まりでした」(Amyさん)
初登場は2013年。同年に開催された『食べキャラ総選挙〜食うか食われるか真剣勝負!〜』の結果は惜しくも2位だったが、ここで「順位とかどうでもいいわ〜」という名言を残している。
「これまでのキャラクターにはあまりないパターンですが、ぐでたまとセリフは切っても切り離せない関係にあります。ぐでたまが最初に注目されたきっかけは、ちょうどそのころ盛り上がっていたLINEスタンプ。当時のスタンプはイラストだけのものが主流でしたが、セリフ付きのぐでたまスタンプは文字を打つのが面倒なときなどに使い勝手がよかったのかもしれません」(沖崎さん)
フォロワーは103.8万、後ろ向きなつぶやきでやらかし…社内でも物議に
「もともと、『自分もだらけているけど、ぐでたまよりはマシだな』と安心してもらえたらと思ってセリフを考えていたのですが、意外にも共感してくださる方が多かったですね。みなさん、思ったよりダラけたかったのかな(笑)。アメリカでのサイン会のときは、お仕事ができそうなステキな女性から『ぐでたまは家での私そのものよ』とこっそり言われたこともありました」(Amyさん)
ちなみに、ぐでたまのセリフやTwitterのつぶやきはすべてAmyさんが監修している。
「基本的に後ろ向きなことしかつぶやかないので、何回かやらかして怒られています(笑)。でも今は会社でも、『ぐでたまだからしょうがないか』と諦めてくれているみたいですね」(Amyさん)