(更新:)
ORICON NEWS
「人間に疲れたら、人間辞めましょ!」SNS批判やコンプレックス乗り越えた“人外コスプレ”、「まったく違う世界の何かになれることが救い」
「私もしかしてめちゃくちゃブスだし、メイクも下手?」、SNSの批判がコンプレックスを刺激
風邪猫今みたいな人外の創作コスプレに取り組むようになったのは、4年くらい前からですね。メイクの方向性を大きく変えて、ウィッグにもいろんなものを取り付けるようになりました。
――そちらの方向に舵を切った理由・きっかけが気になります。
風邪猫 それまでは『ONE PIECE』など、既存のアニメキャラのコスプレをして、イベントに遊びに行ったりすることを楽しんでいたんですけど、あるとき、Twitterに投稿した自撮り写真に対して、「どのキャラもメイクが一緒ですね。努力してますか?」というコメントが届いて。その瞬間、目の前が真っ暗になってしまったんです。
――楽しく取り組んでいた趣味をいきなり否定されたわけですね。
風邪猫 「あれ、私もしかしてめちゃくちゃブスだし、メイクも下手?」という感覚になり、いままでSNSに投稿してきたことが、急にものすごく恥ずかしくなってしまって…。それと同時に悲しい気持ちにもなり、けっこう凹みました。
でも、それから1週間くらい経つと、今度は「絶対に見返してやる!」という気持ちがメラメラと湧き上がってきて。そこから、めちゃくちゃメイク動画を見て研究したり、それまで手の出なかったちょっと高めのメイク用品を使うようにしていって。あれこれ試すうちに、どんどん表現がオーバーになっていき、気づいたら人外の創作コスプレに行きついていました。
――新たな方向性を確立したことで、悩みや葛藤なども吹っ切れたと?
風邪猫 それは未だに続いています。あのコメントが来たことで、もともとあった顔やスタイルに対するコンプレックスを意識するようになって。何をするにしても、人と比べてしまうようになってしまいました。「あの子の鼻、高くていいなぁ」とか、「あの子の腕は細くていいな」とか。ほかにも「もっと薄い唇だったら」、「肌が綺麗だったら」と、鏡を見るたびにそういった感情が湧いてくるんです。そんなときに心の負担を軽くしてくれたのが、もとの容姿を気にしなくていい、人外創作のコスプレだった…というわけです。
人と比べてしまう自分、「人との関わりに疲れたときに“人を辞めたコスプレ”」
風邪猫 離れ目、団子鼻、たらこ唇、まん丸で大きい顔、肌の汚さなど、気にしている点を挙げていったらキリがないので。そうした欠点を何とかしたいという思いが、コスプレメイクの向上に繋がっているんだろうなと思います。
離れ目だから、オーバーな切開ラインとハイライトの仕方を工夫したり、団子鼻だからシェーディングを何回も練習したり。たらこ唇は消し方だけでなく、逆にぷっくりときれいに見せる方法も勉強したりと、日々勉強の積み重ねで己と戦っています。なので「すごく変わったね」と言ってもらえると、やっぱり嬉しいですね。とはいえ、どれだけメイクのクオリティが上がっても、「生まれ変わったらオードリー・ヘプバーンになりてぇ!」という思いは、一生変わりませんが(笑)。
――わかりやすいキャラのコスプレとは、周囲からの受け取られ方も違うと思います。モチベーションを維持するのは大変ではないですか?
風邪猫 私はコンプレックスの塊なわけですが、それでも、そんな私が生み出す創作を大好きだと言ってくれる方たちがいらっしゃるので。応援してくれる人がいる限り、今後もずっと続けていくんじゃないかと思っています。
それと、先ほど「すぐに人と比べてしまう」と言いましたが、人外キャラになってしまえば、“人と比べる”とかの次元じゃないですからね。なんといっても、人を辞めているんですから。「私は人じゃないので、人の世界のルールは通じない最強の悪魔! 人を救っちゃう天使! 世界を作っちゃう神様! といった気持ちになれるので、ずっとずっと創作は続けていきたいです。そう考えると、人との関わりに疲れたときに“人を辞めたコスプレ”をすることで、気持ちがリフレッシュしているのかもしれないですね。