ORICON NEWS
納豆の食べ合わせ「生卵、アツアツご飯NG」は本当? 納豆業界の広報が明かした通説の真相
「細かいことを気にするより自分なりのアレンジ楽しんで」
「好きな食べ方でおいしく食べるのが一番ですよ。納豆にはいろんな栄養素が入っているので、世間で言われている生卵やアツアツご飯との組み合わせは、一部の栄養素の吸収が少し悪かったりするだけの話です。食べ合わせNGなんて言うと大げさで食べにくくなってしまう。栄養価の高い納豆ですから、食べ合わせを考えてストレスを抱えるよりも自由においしく食べることの方がはるかにメリットがあります」(納豆連)
“おかめ納豆”で知られるタカノフーズ広報・市村真二さんも「全く同感です」と続く。
「日常食の納豆は、身近ゆえに何かと注目されやすい食品です。確かに成分としての相性はありますが、“食べ合わせNG”という表現は話題性を優先させた言い回しという印象です」(タカノフーズ・市村さん)
食べ合わせとともによく話題になる納豆ネタに“混ぜる回数”があるが、納豆連はこちらも「ぜひ、好みの回数で」と回答。歴代の納豆連会長も人によって混ぜる回数やタレの先入れ・後入れが異なっており、「細かいことを気にするより自分なりのアレンジを楽しんで欲しい」と、食べ方を制限するよりも美味しさを求めて欲しいと話す。
ここ5年で、ひきわり納豆の売り上げが約170%まで伸長
「納豆は他の大豆加工食品の豆腐や油あげと比べても価格が下降傾向にあります。この手頃さが節約志向とマッチしているんでしょう。あとは近年の健康志向。コロナ禍以前から高まりを見せていた人々の健康意識がコロナ禍でさらに加速し、納豆需要につながったと見ています」(納豆連)
実際、タカノフーズでは全体売上が好調、特にひきわり納豆の売れ行きは顕著に良いという。ひきわりが好調な理由には、使いやすさと味わいが関係していると話す。
「ひきわりは大豆のサイズが小さいため和えたり混ぜたりと料理のアレンジがしやすく、また、製造技術が向上して、かつてより匂いやえぐみ、苦みの少ない商品になっているので、世代を問わず人気ですね」(タカノフーズ・市村さん)
「暑い時期には、冷たいうどんやそばなどの麺類に合わせるのが人気です。麺類の料理は具材が少なくて栄養が偏りがちなので、納豆で栄養をカバーできます。また、数年前に流行った“酢納豆”も良いですね。納豆を酸で混ぜると糸の粘りが落ちて、口当たりがふわふわになります。味わいもさっぱりしているので夏向きです」(タカノフーズ・市村さん)
「基本的に納豆は、乳製品と脂と好相性です。意外な組み合わせとして、タレをかけた納豆ご飯に、温めた牛乳をかけてお茶漬け風にしたり、チーズ・玉ねぎ・サラミなどの具材を乗せてオープンしてピザのように調理しても美味しいです。それから大粒の納豆に塩胡椒やパルメザンチーズをかけると、おつまみとしても抜群です」(納豆連)
(取材・文/佐藤隼秀)