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永遠の課題?納豆フィルム“上手く剥がせない問題”、プロの見解は「トルネード式とスライド式の2択」
パック納豆と納豆巻き、これで“ネバネバ飛び散りストレス”が軽減
「こちらで案内しているのは“トルネード法”と“スライド方式”の2つ。“トルネード法”は、まずフィルムの真ん中をそっとつまんで、そのまま少し上にあげます。次に下の容器をぐるぐると回転させて…するとネバネバの糸が1つに集約され、扱いやすくなります。“スライド方式”は、パックの蓋を開けてから少しフィルムを横にずらします。その後再び蓋を閉め、パックからはみ出したフィルムの部分を引っ張れば、フィルムに豆がつくこともネバネバが飛び散ることもありません」(納豆連)
さらに、納豆好きを悩ませる“コンビニの納豆巻き、食べているとき納豆こぼれがち”問題にも解決策があるという。
「まずパッケージを開封する前に納豆巻きの両側から軽く納豆を中に押し込みます。次に、海苔とお米とを離し、海苔は横長になるように手に持ち、そこに米部分も横長にセットして巻きます。海苔が受け皿の役割を担うかのような形に。普段なら、米部分から押し出されこぼれ落ちてしまう粒納豆も、この形であれば、押し出されても海苔が受けてくれます」(納豆連)
早速取り入れて快適な納豆ライフを送りたいところだが、そもそも納豆のフィルム問題はフィルムがなければいいのでは…という素朴な疑問も。しかしながら、「パック売り納豆にフィルムは欠かせません」と語るのは、納豆業界最大手“おかめ納豆”で知られるタカノフーズの広報・市村真二さん。
「パック売り納豆の表面に置かれるフィルムは“被膜”と呼びますが、納豆をおいしく製造するために欠かせないアイテムです。パック入り納豆は、まず温かい煮豆に納豆菌をかけたものを容器に入れ、その上に、フィルムとタレ・からしをセットして蓋をとじます。この状態で発酵室で発酵させたのちに冷蔵庫で熟成させて完成ですが、この間にフィルムがないと納豆が乾燥して固くなってしまうんです」(タカノフーズ・市村さん)
納豆は出荷後もほんの少し容器内で発酵がすすみ、家庭に届く頃、食べ頃を迎えるという。その際の発酵具合とおいしい食感の調整もこのフィルムがあるからこそという。不要どころか、パック納豆のおいしさの要というわけだ。
容器の形状と素材はなぜ各社似ているのか?
「大きな理由はコスト面です。納豆は日常食なのでどのメーカーも買いやすい値段で提供しようと努力しています。その結果、各社、価格面で優れるほぼ同じ容器会社から仕入れているため素材と形状が画一に。発泡スチロールは安価なだけでなく、軽くて空気を抜きやすいので、発酵の際に温度管理がしやすいという利点もあります」(納豆連)
ちなみに丸い紙製のカップ型は、発泡スチロール製と比べて多少割高とのことだ。そのぶんメリットもある。
「紙製のカップ型は、食卓にそのまま出せるよう“小鉢”を意識して作ったものです。丈夫なのでカップのまま混ぜても箸が突き抜けませんし少量サイズも選べるので、お子様や年配のお客様などに好評です」(タカノフーズ・市村さん)
健康機能を前面にだした“菌名納豆”が好調、発売から5年で3億食超え
そんな近年の需要増にあわせ、各社のラインナップも拡充傾向に。タカノフーズも自社で納豆菌を約2200種類ほど保有し、タレも従来の醤油系以外のフレーバーを展開している。
「納豆の好みが多様化し種類も多くなっていますね。弊社の人気は『すごい納豆 S-903』です。商品名の903は納豆菌の番号を表しており、『納豆菌で商品を選ぶような時代が来て欲しい』という思いを込めました。コロナ禍での健康志向の高まりもあり、発売から5年で3億食を突破する非常に好調な商品です」(タカノフーズ・市村さん)