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娘からも「すごーい!」の声、ナイフ1本で作った“ブロッコリーの鷹”に反響「久々の反応でした」
“ブロッコリーの鷹”に26万のいいね、着想は「八百屋で」
以前から、「スーパーや野菜直売所で品物を見ながら、どうしたら面白くなるかなとイメージをしてから彫ることが多い」と語っていた岸本さん。この“ブロッコリーの鷹”の彫刻作品も、まさに八百屋さんで着想のきっかけを得たという。
「先月、石鹸彫刻の作品展があり、鷹をモチーフにした作品を作ったので、次は野菜で作ろうと思っていました。それで八百屋に行ったところ、いい形をしたブロッコリーがあったので作ってみました」
食材やデザインによるものの、カービングの制作時間は1作品につき大体30分から2時間ほどだとのこと。だが、このブロッコリーの鷹の作品には、3時間程度の時間を費やしたそう。
「制作する上で、くちばしには特に苦労をしましたね。非常に細かい部分なので、ミスしないように注意しました」
今回の作品に対して、娘さんに「すごーい!」と言われて嬉しかったそうだが、実はあまり反応を示してもらえないケースも少なくないとか…。
「娘も息子も、いつもはもう見慣れているので、特に反応はありません。今回の作品は久々に見られた反応でしたね。子どもたちの反応は、作品を制作する上で多少の励みにはなっています」
「タイ王国の美しい伝統文化に携わっている」 “食べ物で遊んでいる”という批判への想い
「現在も本職は料理人ですが、一番の環境の変化はカービング仲間との交流が増えたことですね。作風に関しては、以前は模様などを好んで彫っていましたが、最近は動物や魚などの生き物を好んで作っています」
メディアへの出演や依頼を受けての制作などだけではなく、「教室をする予定はないが、依頼があれば単発レッスンなどもしてみたい」と過去に語っていたが、最近もとても精力的に動いている。
「取材や依頼などがあれば、大概は受けています。タイのテレビ番組にも出演したのですが、SNSにタイ語でたくさんの反響をもらいました。本場のタイで取り上げられたのは誉れですね。あと、『レッスンをしてほしい』といった依頼もあるので、そのための資料を作ったりもしています」
これまでにも数々のカービング作品を制作しているが、特に思い出に残っていて反響も大きかったのは、「リンゴで作ったランタンの作品」だとか。
「Instagramのオフィシャルサイトに取り上げてもらい、全世界で1380万回も再生されたのですが、Instagram側のプログラマーに制作動画をアレやコレや送ってほしいと言われて、すごく苦労しました…」
有名になることで、ときには「食べ物で遊んでいる」といった批判の声を投げかけられることもあったそうだが、これに対して岸本さんは「食べ物で遊んでいるのではなく、タイ王国の美しい伝統文化に携わっています」と胸を張って主張する。
最後に、タイカービングの魅力や楽しさ、そして、これからタイカービングを始めてみたい人や興味を持っている人に対してのメッセージを、以下のように語ってくれた。
「身近な素材に、ナイフ1本で美しい模様などを作れるところが、なんといっても大きな魅力です。タイカービングナイフが1本あれば、誰でも始めることができるので、まずはそこからですね」