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初心者のためのスミスマシンの始め方とトレーニング種目【プロが教える筋トレ】

初心者のためのスミスマシンの始め方とトレーニング種目【プロが教える筋トレ】

著者・監修者プロフィール

和田 拓巳
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療サポートの経験も豊富で、ケガの知識を活かしリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・トレーニングに関する講演会などの講師を務めること多数。テレビや雑誌にて出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆・監修を行い、フィットネスに関する情報を発信している。

Official site:https://wada0129.wixsite.com/takumiwada(外部サイト)

Facebook:https://www.facebook.com/pt.wada(外部サイト)

スミスマシンとは

スミスマシンとは、トレーニング機器の一つだ。

一見、バーベルと同じように見えるかもしれないが、スミスマシンはバーベルがレールに固定されており、動作の軌道が決まっている。フリーウエイトとウエイトマシンの中間のような存在で、お互いのメリットを活かしたトレーニングができる。

立った姿勢でも、ベンチと一緒に使うことで座った姿勢や寝た姿勢でもできるので、一台のマシンで数多くのエクササイズが可能だ。

スミスマシンを使うメリット

ここでは、スミスマシンのメリットを紹介していく。
■安全性が高い
スミスマシンは動作の軌道が決まっているため、エクササイズ中にバランスを崩したとしてもフリーウエイトのように大きく体勢を崩すことがなく、ケガのリスクが低い。

また、スミスマシンには必ずセーフティーバーがついている。セーフティーバーを使えば安全性はさらに高まり、体勢を崩した時やウエイトを持ち上げきれずにつぶれてしまった場合でも途中でバーが止まり、事故を防いでくれる。
■初心者にも向いている
マシントレーニングよりもフリーウエイトのエクササイズに近いため、トレーニング初心者がフリーウエイトを行う前の基本的なフォームづくりとして活用することもできる。また、マシントレーニングの特徴でもある安全性の高さや、特定の筋肉を意識してエクササイズしやすいという点も、初心者に向いている。
■一台でさまざまなエクササイズが可能
ウエイトマシンが一台でひとつの部位しか鍛えられないのとは異なり、一台のスミスマシンでさまざまな部位のトレーニングを行うことが可能だ。
また、ベンチの角度や姿勢のバリエーションなどによってさまざまな変化をつけることもでき、数多くのエクササイズを行うことができる。
■追い込むトレーニングにも使いやすい
マシンのように動作の軌道が決まっているため、刺激が他の筋肉に逃げづらく、鍛えたい筋肉をしっかりと刺激することができる。
また、セーフティーバーを利用し、一人でも安全に限界まで追い込むことができる。

スミスマシンの揃え方・買い方

スミスマシンを自宅に置きたい、という人もいるかもしれない。その際にはどこで購入すればいいのだろうか。
■大きさ・重量に注意
スミスマシンを購入する前に気をつけたいのが、大きさや重量だ。マシン1台を置くとなると、かなりのスペースが必要となる。
スミスマシンの場合、マシンの横幅だけでなく、バーベル以外に場所をとる。一般的なオリンピックシャフトと呼ばれるバーベルで220cm。この幅プラス、ウエイトプレートをつけるためのスペースが必要となる。

また、重量も考慮しなければいけない。マシンの重さにウエイトプレートの重さが加わり、200kg超の重さになるだろう。その重さを置けるかどうか、設置したい部屋の床の状態を必ず確かめておこう。
■簡易的なものか、本格的なものか
スミスマシンをネットで調べてみると、バーベルとラックだけの簡易的なものや、プーリーなどほかのエクササイズ用の機器が付属している本格的なものなどさまざまだ。
価格帯もざっくり見て簡易的なものなら10万円以下、本格的なものは40〜50万円くらいするものまで幅が広い。

廉価なものは、マシンのみでウエイトプレートは別売りの場合もあるので、注意しよう。
■専門家に相談するのが一番
スミスマシンのような大きなマシンを購入するのであれば、一度ホームジム専門の業者に相談したほうが確実だ。置く場所の環境のチェックや機器の提案、設置など色々と相談でき、かつ中古のマシンなど格安で購入することができるかもしれない。
専門家に相談するのは、マシン選び〜設置までトータルな時間がかかるかもしれないが、安易にネットで購入して失敗するよりは断然いいだろう。

スミスマシンを使ったトレーニング種目

ここでは部位別にスミスマシンを使ったエクササイズを紹介してく。

ナローグリップベンチプレス <鍛えられる部位:上腕三頭筋>

1.バーが胸の中心にくるようにベンチの位置を調整して、ベンチに仰向けになる。
2.バーのロックを外し、腕を伸ばす。バーを握る手幅は、肩幅よりも握りこぶし1個分ほど内側の狭めにしておく。
3.肘を曲げていき、バーを下ろしていく。バーを下ろすとき、両肘が外側に開かないように脇を締めるように動作を行う。
4.体の高さまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻る。
5.この動作を繰り返し行う。
【ポイント】
肘が仰向けの体のラインより下に下がらない位置で止め、そこから肘を伸ばしていくようにしよう。
あまり下げすぎると、胸に効いてしまうため×。
脇が開かないように気をつけて動作を行うこと。

ベンチプレス <鍛えられる部位:大胸筋>

1.バーが胸の中心にくるようにベンチの位置を調整して、ベンチに仰向けになる。
2.バーのロックを外し、腕を伸ばす。バーを握る手幅は、肩幅よりも握りこぶし2個分外くらい広めにしておく。
3.肘を曲げていき、バーを下ろしていく。動作中、肘は横に開き肘の真上に手首がくるイメージで。
4.下ろせるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻る。
5.この動作を繰り返し行う。
【ポイント】
動作は大きく、バーが胸にあたるくらいまでしっかり下ろすようにすること。
ベンチの角度を変えるだけで、インクラインベンチプレスやデクラインベンチプレスが可能。頭を下げてデクラインベンチで行えば大胸筋下部に、背もたれを30°〜45°程度斜めにしたインクラインベンチで行えば大胸筋上部を刺激できる。フリーウエイトに比べ簡単に変更できるので便利だ。

アップライトロウ <鍛えられる部位:三角筋>

1.バーは太ももの高さにセットしておき、腰幅よりも握りこぶし1個分程度内側になるように狭めにバーを握って立つ。
2.ロックを外し、肘を高く持ち上げるようにバーを引き上げていく。この時、肩をすくめないように気をつける。持ち上げた時、肘の高さが肩より上になるとOK。
3.バーをあごの下まで持ち上げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。
【ポイント】
バーベルで行うのに比べ、姿勢が崩れたり反動を使ったりしにくいため、しっかり刺激することができる。初心者でもバーの軌道がぶれることなくできるので、高重量も扱いやすくなり効果的。

ショルダープレス <鍛えられる部位:三角筋>

1.肘をしっかり伸ばした高さでバーをセットし、手幅を肩幅よりも広めにしてバーを握り立つ。
2.バーを持ち上げたら、肘を曲げながらゆっくりバーを下ろしていく。バーは頭の後ろを通すようにしよう。
3.肘の角度が90°になるまで下げたら、肘を伸ばし持ち上げていく。
4.この動作を繰り返し行う。
【ポイント】
ショルダープレスは座って行うことも可能。立って行う場合、反動が使いやすいので高重量を使いやすく、反動を極力使わずしっかり三角筋を追い込みたい場合は座って行うとよい。

ベントオーバーロウ <鍛えられる部位:三角筋>

1.バーを太ももの真ん中の位置にセットしておく。足を肩幅程度に広げ、軽く膝を曲げてバーの前に立つ。
2.太ももの外側より握りこぶし1個分外程度に開きバーを握り、腰を少し反らせて胸を張り、上体を前に傾けた姿勢でバーを持つ。
3.姿勢を保ったまま、肘を曲げていきバーを引いていく。この時、肩甲骨を寄せるように意識すること。
4.持ち上げられるところまで持ち上げたら、元の姿勢に戻る。
5.この動作を繰り返し行う。
【ポイント】
バーの動く軌道が決まっているスミスマシンは、初心者には難しいベントオーバーロウの姿勢も保ちやすくなるため、動作に集中できるというメリットがある。バーの軌道が胸側に寄ってしまうと、広背筋から刺激が逃げてしまうため、おへそのほうへ引くようにバーの軌道を確認してから行おう。

シュラッグ <鍛えられる部位:三角筋>

1.バーを太ももの真ん中の位置にセットしておき、肩幅程度でバーを握り立つ。
2.肘をしっかり伸ばしたまま、肩を耳に近づけていくように肩をすくめる。
3.持ち上げられるとこまで上げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。
【ポイント】
高重量でも安定して動作を行うことができるのがスミスマシンのメリット。シュラッグは高重量を扱うことが多いエクササイズなので、セーフティーバーを使いながら高重量でガンガン追い込もう。
しっかりと僧帽筋を収縮させるまで、肩を耳に近づけることを意識して。

スクワット <鍛えられる部位:大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋>

1.肩の位置でバーをセットする。足を肩幅程度に開き、バーを肩に担いて立ちバーを握る。
2.胸を張った姿勢を保ちながら、股関節と膝を曲げてゆっくりカラダを下ろしていく。
3.太ももが床と平行になるまで体を下ろしたら、股関節と膝を伸ばして元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。
【ポイント】
スミスマシンでのスクワットは、慣れていないとバーの軌道が決まっているためどうしても窮屈な感じを受けてしまう。動作がスムーズでフォームが崩れないで行えるかを一度軽い負荷で確認してから、立つ位置を決めよう。立つ位置が悪く、あまりにも上体が前傾してしまったり膝が前に出てしまったりすると、腰や膝などの関節に負担がかかるため注意が必要だ。

カーフレイズ <鍛えられる部位:下腿三頭筋>

1.バーを肩の位置でセットし、足を肩幅程度に開き、バーを肩に担いで立ちバーを握る。
2.バーを担ぎ膝はまっすぐにしたまま、つま先立ちになるようにカカトを上げていく。
3.上げられるところまで上げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。
4.この動作を繰り返し行う。
【ポイント】
カーフレイズも、スミスマシンを使うことで、安全に高負荷で行うことができる。可動域をより広くしたいのであれば、台を活用してカカトが浮いた状態で行うとさらに効果的。

まとめ

スミスマシンは、便利で効果的にエクササイズできるマシンの一つだ。
トレーニング初心者の人は、フリーウエイトに近いので敬遠しがちだが、エクササイズは決して難しくないので積極的に使ってみてほしい。
もちろん、トレーニング上級者もトレーニング最後の頑張りとして最適なスミスマシンを活用しよう。
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