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本格的なフランス料理までも…コロナ禍で進んだ自動販売機の多様化「想像以上のコスパと手軽さ」

 京都市で仕出しやケータリングを行う「キッチンラボ」の店頭に設置されたフランス料理の自動販売機が、SNSで「想像以上のコスパと手軽さに大満足」「湯煎だけで美味しくいただけました」「家の近くに欲しい」と話題になった。コロナ禍で飲食店などからの需要が激減し苦境に陥るなか、生のパクチーや生花など、これまでにはない商品を取り扱った自動販売機が誕生した。手の込んだ料理という印象のあるフランス料理の自動販売機を設置した理由や現在の状況について、「キッチンラボ」を手がけるMAPPYLABOの佐竹淳さんに聞いた。

新鮮で美味しい野菜を活かしたフランス料理は、購入者の最後のひと手間で料理が完成する

――コロナ禍で売上や状況など、どのような変化がありましたか?

佐竹淳さん キッチンラボは、自社レストランのセントラルキッチンとして稼働していましたが、レストラン事業が多数メディアで取りあげられた結果、ホテルや介護施設からの提携依頼の声が、年々増加していました。そこで他社へのケータリング業務を少しずつ拡張している最中に、コロナ禍で特にホテルからの注文依頼が激減しました。従業員を減らさず業務を増やすために、昨年4月から店頭にてお弁当などのテイクアウト販売を始め、少しずつ認知が広まっていきました。今年5月から試験的に店頭でフランス料理の自動販売機を設置し、徐々に売り上げが上がっていきました。

――フランス料理の自動販売機を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

佐竹淳さん 餃子やケーキなど、さまざまな自動販売機がありますが、弊社が自動販売機を設置するとしたらどんな食品が良いのだろうと考えました。農家と直接取引のある弊社の強みを活かし、他社には真似できない「新鮮で美味しい野菜」を活かした料理を作ろうと思いました。私がフランス料理のシェフでもありますので、フランス料理をベースとした料理構成となりました。

――一般的にフランス料理といえば、手の込んだ料理というイメージがあり、自販機販売には適さないのではとも思ってしまいますが、いかがでしょうか?

佐竹淳さん 手の込んだ料理を簡単に食べてもらうためには、どうしたら良いのか、味付けや梱包に気を使いました。例えばサラダオードブルでは、サラダとジュレは別にして、食べる直前に合わせることで出来立ての味わいを楽しんでもらう。お客さまに最後のひと手間を加えてもらうことで、料理が完成するというイメージで作っています。

新鮮な食材をその日のうちに食べてもらいたいから過剰供給は考えていない

――日本には、カップラーメンやおでん缶、お菓子やパンなど、昔から多種多様な自動販売機がありました。コロナ禍で飲食店などからの需要が激減し苦境に陥るなか、生のパクチーや生花など、これまでにはない商品を取り扱った自動販売機が誕生しました。対面でやりとりをしなくても良い自動販売機需要が高まるなか、フランス料理も需要があると考えたのでしょうか?

佐竹淳さん 冷凍ではないチルドの自動販売機でフレッシュなサラダやオードブル、ワインのおつまみがあったら…自分なら嬉しいなと思いました。コロナ禍で家飲み需要も高まり、フランス料理が手軽に自動販売機で買えたら面白いかなと感じていました。

――どのような商品が販売されているのでしょうか?

佐竹淳さん サラダオードブル、鶏もも肉のポルチーニクリーム煮込み、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、スペアリブのバルサミコ煮込み、ドレッシングなども含めて20品目ほど用意しています。

――補充してもすぐに欠品してしまうほどの人気を得ているようですが、売り上げ状況はいかがですか?

佐竹淳さん SNSで話題になったことで、それ以前と比べて3倍ほど売上が伸びました。おかげさまで、なかなか生産が追い付いていない状況です。現在は、梱包まですべて手作りで行っているので、欠品商品が多い時もあります。しかしながら旬の食材を使用し、今までの自動販売機の概念を覆すためにも、過剰供給は考えていません。新鮮な食材をその日のうちに食べてもらえるように、日々調理しています。

――自動販売機が人気に得たのは、いつ頃からでしょうか?

佐竹淳さん 今年5月に設置し、徐々に売上が伸びているなか、9月頃よりSNSで話題になったことで、一気に火が付きました。特に鶏もも肉のポルチーニクリームシチューや牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、おまかせ燻製、フォアグラ入りライスコロッケが人気です。

細かい説明が書けない…どんな料理なのか簡単にわかる陳列に

――自動販売機で販売する上で、どのような工夫をしましたか?

佐竹淳さん 「機械から出てくる無機質な物」というイメージを払拭するため、あえて私の顔写真を自動販売機に載せることにしました。正直恥ずかしいのですが(笑)。お客さまに作っている私の顔を知ってもらうことが、とても重要だと感じています。そのため、お客さまのお家がシェフ専属のテーブルとなることをイメージして、「シェフズテーブル ATUSHI SATAKE」と自動販売機に名前を付けました。

――商品には、どのような工夫をしましたか?

佐竹淳さん 煮込み料理は、真空パックにして耐熱タイプのレンジで温められる容器を選びました。また、料理に関する細かい説明が書けないので、商品が並んでいる状態で、どんな料理なのかが簡単にわかるような陳列にしました。

――自動販売機を設置したことで、改めて気がついたことはありますか?

佐竹淳さん さまざまな事情で日中購入できない方でも、自動販売機は時間を気にしなくて良いので、夜遅い時間帯に購入される方もいます。それぞれの生活スタイルの中で、活用していただいているようです。

――今後、新たに考えていることはありますか?

佐竹淳さん いくつか用意した選択肢のなかから、お客さまそれぞれが好きなものを選びとるプリフィックス・スタイルでコースメニューを楽しめたら…といったことも考えています。
◆「キッチンラボ」オフィシャルサイトはこちら(外部サイト)

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