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唯一無二のサイバーモデル 外見や持病への“差別”に負けず「復讐心がいつしか感謝の気持ちに」、100均アイテム武器に躍進

パナソニック本社にコスプレで売り込み、失敗恐れない姿勢に社会のデジタル化が追い風

──社会のデジタル化で様々な分野でIT化やAI化が進み、 “サイバー”を連想させる要素が増えています。斎藤さんご自身でも、活動しやすい世の中になってきたなと感じますか?

斎藤ゆきえ そうですね。当初は、レースクイーン→レースのPRモデル、ラウンドガール→格闘技のPRモデルなどは認知されているけど、サイバーパンクは「そもそも何?」というのを一から説明しなければいけない大変さがありました。今でもまだ、知る人ぞ知るというジャンルですが、デジタル化が進むことでだいぶ動きやすくなったなとは思います。例えば今、オンラインイベントが増えたことによりカメラ機材などの需要が高まり、展示会でもどんどん新製品が出てきています。そのマスコットとして私はピッタリなので(笑)、そういう意味では時代が追い付いてきたのかなとも思うんです。むしろ、「サイバー系モデル」という肩書きを勝手に作って活動を始めた2017年の頃は、ちょっと時代の先を行き過ぎていたかもしれませんね(笑)。

──芸能界のオーディションに連続で落ちても、新しい分野を自ら開拓して、今や企業から続々とオファーが来るまでに。そこまでアグレッシブに動ける理由は何だと思いますか?

斎藤ゆきえ 芸能活動に憧れてオーディションを受けまくっていたとき、エキストラとして行った現場で、ただの通行人の役なのに私だけワンシーンも使ってもらえなかったことがあるんです。でも、「まあ、そういうもんかな。じゃあ次!」と、すぐ切り替えられたのが良かったと思います。諦めがいいわけではなく、「ふふ、今に見てろよ〜」という気持ちですね。

――不屈の根性ですね。

斎藤ゆきえ 私のことを運が良かったと思う人は多いですが、決してそうではなく、自分で自分の背中を何回も押して、何度も失敗している。ものすごい数を撃って、その中で運よく当たったのが何発か…という感じなんですよね。例えば、大阪のパナソニック本社に自作のサイボーグコスプレ衣装を着て売り込みにも行きましたよ(笑)。でもそれで失敗したとしても、自分は何も失わないじゃないですか? 私自身のマイナスにはならず、現状維持なだけ。父も自営業をやっているおかげか、頑張ればどうにかなる!という確信が根底にあるんです。

「人と違うことを敬遠するのではなく、人と違うことを生かせる世の中を」

──今は、多様性への理解を求められる時代です。自分のハンディキャップを個性として生かし、新たなステージを作った斎藤さんは、ある意味で多様性の象徴的存在ともいえますね。

斎藤ゆきえ 私も外見や持病で差別を受けた人間なので、最初は「見返してやる!」という気持ちでした。でも、活動していくにつれて正しく評価されるようになってきてからは、「ざまあみろ」ではなく「同じ境遇の人の代表として、恥ずかしくないようになろう」と思ったんです。活動当初は正直、社会への復讐心もあったけど、欲しかったものを手に入れてみたら、いつしかそれが感謝の気持ちに変わってたというか。

――それは、素晴らしいことですね。

斎藤ゆきえ 私の活動を見た同じ境遇の人たちから、「勇気をもらっている」と言って頂くことが多いんですが、逆に私が励まされていますね。いま、多様性が認められるようになってきた風潮は、すごくいいと思います。ただ、「身長が高い」「胸が大きい」という特徴は芸能界で喜ばれるのに、私のような「斜視」「エラが張っている」などの個性は受け入れられにくい。でも、「人と違う」という点では同じじゃないかと思うんです。人と違うことを敬遠するのではなく、人と違うことを生かせる世の中を、みんなで一緒に作っていけたらいいなと思います。

──そんな斎藤さんの、今後やりたいことや展望は何ですか?

斎藤ゆきえ かつての私のように、外見に影響を与える病気のせいで芸能活動を諦めている人たちに、私がファッションやメイクをプロデュースして、サイバーパンクの写真集を出したいです。そして私が今までやってきて成功したことを、同じ境遇の他の人も真似できるようにノウハウ化する方法を考えていきたいですね。

(文:川上きくえ)
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