ORICON NEWS
“実はやけど薬”『キンカン』誕生95年で認知変化、弱点さらけ出す“ぶっちゃけ”宣伝手法が現代にマッチ
いつからかゆみ止めに? 当初は「やけど」薬として開発、CMソングの1番は「肩こり腰痛」
そんな『キンカン』は、現在もTVCMを放送中。耳に残る「キンカン塗って、また塗って♪」の唄は、美空ひばりにも楽曲提供をしていたヒットメーカーの藤浦洸が作詞、ラジオ体操の作曲者で知られる服部正が作曲したもの。虫さされ薬としてのイメージが強いが、意外にもその1番の歌詞は「腰痛」についてだ。
「発売当時は、いまより多くの効能効果を持った商品でした。時代とともに薬事行政の指導もあり、現在は6つの効能効果となっております。虫さされ・かゆみ・肩こり・腰痛・打撲・ねんざ)。さらに当初は、やけどの薬として開発していました。ですがその後、虫さされやかゆみなどの効能効果が認知されてきました」
ちなみに現在のTVCMには、アニメ『けものフレンズ』のOPテーマ『ようこそジャパリパークへ』を制作したシンガーソングライターのオーイシマサヨシがアレンジ、出演している。
「かゆみと痛みの両方に効果がある、ドラックストアで手軽に買える唯一の外用の医薬品。皆様の健康にお役に立てる商品と自負しております」と同担当者。老舗でありながら伝統と革新の両輪で展開し、さらには商品への圧倒的な自信を持ちながらも謙虚な姿勢で発信。東京五輪にまつわる政治家や著名人の発言が波紋を呼び、多くの人が社会に不信感を持っている今、真に必要とされているのは“誠実さ”と“本音”なのかもしれない。
(文/衣輪晋一)