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“実はやけど薬”『キンカン』誕生95年で認知変化、弱点さらけ出す“ぶっちゃけ”宣伝手法が現代にマッチ

“作り込まれた広告らしさ”を回避 イメージの逆張り、ハイブランドの模倣広告も展開

 確かに、国籍、人種、性別などの人権問題や環境保全への取り組みなど、企業メッセージとしてこれらを広告に使用し、炎上する例は少なくない。また、商品についていかに美辞麗句を用いても今はSNS社会。ステルスマーケティングや大規模な宣伝が反発を生んだり、国民総評論家時代で多くのうがった見方が寄せられることから、「広告なんだからいいことばかり言うだろう」など、宣伝文句そのものも疑われたりする事例が多い。

「そんななか、今回は『#若者に売れたい』というブランドの本音を、包み隠さず、潔く、あえてさらけ出してしまおうと思い、『すぐに買ってくれなくてもいい。まずはラベルを覚えてもらえるだけでいい』という謙虚な姿勢を示していくことで方針を固めました。だからこそコピーワークは、“作り込まれた広告らしさ”は極力避け、人格化したような広告らしくないリアルな会話のトーンのコピーを意識した形でライティングしています」

 それがこの大きな反響を生んだのかもしれない。以前にも同社は、栗原ジャスティーンが出演する「男の知らないSNS女子の生態」(2018年)、ファショナブルでスタイリッシュなポスターも印象的な「KINKAN SUMMER COLLECTION 2019」(2019年)など、若者へのアプローチをしてきた。
「現在若年層がキンカンに対して抱いているブランドイメージと真反対を行く振り切り方を徹底した企画です。モデル、スタッフ陣もハイブランド/ファッション業界で普段から活躍する方々を起用し、グラフィックの構図やユーザータッチポイントも徹底してハイブランドのプロモーションを模倣しました」

 この時のプロモーショロゴを踏襲した若年層向けにクールでラグジュアリーな虫さされ薬『KINKAN Noir(キンカンノアール)』も開発。これを体感してもらうべく、渋谷パルコや路面に期間限定のショップを出店しようと試みたが、コロナ禍が襲来。中止を余儀なくされた。

「精神的にかなり苦しい出来事でした。であれば、いっそこの無念な想いも含めて、中止となった計画をWebサイトで公開してしまうのはどうか、という企画案が。期間限定で公開しておりましたので現在はこのサイトは見られないですが、結果として元の企画を成仏することもでき、我々の赤裸々な想いに共感してくださる方、励ましてくれる方、新商品『KINKAN Noir』を購入してくださったことをご報告してくださる方に溢れ、まるでショップを開店できたかのような反応が得られました」

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