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元芸妓YouTuber、ありのままの日常を発信で登録者数100万へ「コロナ禍の貴重な国際交流の場に」
専業主婦が“人気YouTuber”に「母親という存在は世界中で身近な存在なんだと実感」
――YouTubeを始めたきっかけを教えてください。
産後も仕事をしたいと望んでいましたが、まだまだ手のかかる娘の育児や私自身の体調もあまり良くなく、今の自分にできることはないかと漠然と考えていました。そのような時期に、海外のYouTuberの方から「日本に暮らすママの一日を密着取材したい」との依頼があり、YouTubeを仕事にされている人がいることを初めて知り、自分でもチャレンジしてみようと思いました。
――反響はいかがですか。
最初から海外に向けて発信したいと考えていましたが、世界中の視聴者様から届くコメントの多さに驚きました。撮影、編集、PC作業など全て初心者の私に、動画制作について視聴者の皆さんから、音声の入れ方やカメラワーク、照明など、様々なアドバイスをいただいて今に至っています。字幕も多くの言語となっていますが、視聴者様からコメントのリクエストに応じて、1ヵ国語ずつ増やしていきました。
家族のことを考えての料理作りや子育ての楽しさや大変さは、国は関係なく、世界各国共通で共感してもらえたり、アドバイスをしてもらえたり。男性の方にも子ども達にも、これから母親になろうとする若い方や子育てが一段落された方など、母親という存在は世界中で身近な存在であるからではないかと考えています。
育児の孤独やコロナの閉塞感から救ってくれた「世界中に友達ができたような気持ち」
基本的には、家族に作りたい夕飯や、視聴者様のリクエストに応える形で内容を考えています。編集は育児、家事の合間や、娘が寝た後に時間を充てています。料理動画については、娘の負担にならないように、1週間に1度、1〜2時間以内の撮影と決めています。編集は1週間をかけてやっているため、週に1本の今のペースがマックスです。
動画を発信してみようと考えたときに、海外の人にも多く見てもらいたいと考えました。今の自分にできることを考え、主婦としての料理作りの部分と、今までの経験から日常でも楽しんでいた着物の部分を掛け合わせたエンターテイメントを作ってみようと考えました。コロナ禍に着物を着ての撮影は、着物でお出かけできない自分の息抜きにもなっています。
――海外のユーザーが多いようですが、日本の生活や文化はどのように捉えられていると感じますか。
家の中での撮影、生活の部分については共感していただける部分も多く、日本、というものを意識はしていないのですが、一歩外へ出ての撮影については、日本のお店に行った時のサービス、日本の風景、日本の清潔さなどに驚いた、というコメントはよくいただいて、私自身も日本ならではの良さに気づかされることがあります。
主婦になり、お母さんになった環境の変化や、コロナ禍で閉塞感を覚えることも多い生活の中で、画面を通じて世界中に友達ができたような気がしています。育児で生活が一変してから、YouTubeは社会から取り残されたような気持ちを救ってくれた場です。視聴者様からのコメントは、友達からのメッセージを読んでいる感覚となり、動画を制作している時間は大変でも、画面を通じて世界の皆さんと繋がれている幸せな時間でもあります。
――動画を通じて、どのようなことを伝えたいですか。
ありのままの生活、今の等身大の私自身をシェアし、その中で共感していただけることや、日本を感じていただけることがあれば嬉しいと思っています。これからも料理動画は定期的にあげながら、キッチンだけではなく、いろんな場所やコンテンツを広げながら、もう少しシェアの幅を広げていければと考えています。