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「外遊び 行きはよいよい 帰路こわい」“子育て川柳”に込めた思い 「仲間だよ!」という気持ちで描いている
トイレの壁の貼り紙を見て閃いた 日めくり形式で紹介していく「子育て川柳」
【まげよ】自分の子育て経験について、ママさんたちからの共感がほしかったからです。SNS上には、子育て体験談を漫画やイラストにして描いている方がたくさんいらっしゃいます。私はそれらの作品から共感や笑いや学びを得たり、同じ母親として「みんながんばっているんだなぁ」と勝手に仲間意識を覚えたりしています(笑)私もイラストを描くのが好きなので、自分の子育て体験談を発信して、見てくださる方に「共感してほしい!仲間だよ!」という思いを伝えたいと思いました。
――子育てしながら発信するのは大変ですよね。
【まげよ】描きたいと思うネタがあっても漫画にする気力が湧かず、自己嫌悪に陥る日々でした。閃いたのは、ある日、トイレの壁に貼り付けてある“日めくりカレンダー”が目に入ったときです。「日めくりカレンダーみたいに、毎日めくっていく形式でイラストを1枚だけ描くのはどうか、五七五にするとかっこよいのでは…?日めくりカレンダーとして毎日書くと決めれば続けられるかも!」と。そんな感じで先月から始めたのが「なんちゃって子育て川柳日めくりカレンダー」です。
――日常生活や育児をする中で、川柳になりそうなポイントはどうやって見つけていますか?
【まげよ】「ああ、これ辛い!ああ、これ可愛い!ああ、私母親なんだなぁ…」と感じて、「これあるあるじゃない?他のママたちもこんな感じじゃない?」と思ったら、五七五に落とし込めるか練りますね。
【まげよ】『RS(アールエス) “子供の病”と 勘違い』(字余り)。ダントツでこれです。
――どんな思いで詠まれた川柳なのですか?
【まげよ】娘は生まれてから一度も熱を出したことがなく、2歳で初めて高熱が出て、RSウイルス感染症になりました。母親初心者の私は、「RSウイルス」という名前すら知識としてインプットされておらず、ただの風邪だと思っていました。RSウィルスについてネットで検索してみると、「THE・2歳までの子供が必ずかかる病気!」「保育園や幼稚園で集団感染しやすい!」といった情報が多かったので、私は子ども特有の病気だと感じ、子どもの頃に罹れば抗体ができて大人はもう罹らないと思い込み、勝手に安心してしまったんです。
――RSウイルスは大人にも感染するんですよね?
【まげよ】そうなんです。気のゆるみからか、私にうつり、夫にもうつってしまいました。しかも、ゴールデンウィーク中だったので夜間救急に行き、コロナ検査をしたり、蓄膿症にもなったりと踏んだり蹴ったりの状態でした。今思い返すとバカだったなと…。しかし、母親だから当たり前の知識なんていうものはなく、初めての子育ての中で学んでいくしかないのだなと思った出来事でした。
「幸せっていうのは自分で作るもの」 同居する義父が与えてくれる数々のアドバイス
【まげよ】義父は誰もかなわない、心から尊敬する存在です。足を向けて寝られません(笑)。義父は現在88歳ですが、夫と難しい山の話をしたり、「初物を食べると寿命が45日長くなる」とか「ホトトギスが上手に鳴くようになると夏本番」といった四季の移り変わりにまつわる知識を教えてくれたりもします。義父の言葉は、私にとって全てが新鮮です。
――今までにどんなアドバイスなどをもらいましたか?
【まげよ】夫との年の差結婚を私の家族に大反対されていたことがあるのですが、お義父さんに悲劇のヒロインばりに泣きつくと「幸せっていうのは誰かにしてもらうもんじゃなくて自分で作るもの」といつも言ってくれました。ほかにも、お義父さんにはたくさんのことを愚痴ったり相談したりしてきましたが、いつも黙って聞いてくれて、短い言葉のアドバイスをくれます。これがとても的確なんです。
――同居に対して嫌なイメージはなかったのですか?
【まげよ】夫と付き合っていた頃は、「あなたのことを愛しているけど、あなたのお父さんとお母さんも愛せるとは限らない」と言って同居を嫌がっていました。お金を貯めたいこともあり同居しましたが、今は老人ホームに入っているお義母さんにも本当に優しくしてもらいました。同居して本当によかったですし、今では同居なしの生活は考えられません。夫と喧嘩をしたときには、お義父さんに愚痴を言えます。そんなときもどっちの味方になるわけでもなく、話すうちに気づきを与えられ、いいクッションになってくれます。1人になりたい時は娘と息子を任せて、トイレにこもって休息をすることもあります。
――今後はSNSでどのような発信をしていきたいですか?
【まげよ】「なんちゃって子育て川柳」を、まずは一年はやってみたいです。また、マタハラも多くの女性がぶち当たる問題だと思うので、その実体験も描きたいです。子育て漫画や年の差婚の夫との馴れ初めも描きたいですが、戦時中のことを知る世代が少なくなっている今、お義父さんの昔の話を漫画に描き起こしたいとも思っています。お義父さんの子どもの頃の戦時中の話は当時の息遣いを感じられるほどリアルで、よく話を聞かせてもらっているので。今はもう存在しない、当時そこにあった歴史の生の声を、わかりやすく身近に残したいです。「仕事としてやれるようになれたらいいな」という下心でがんばります。
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