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島崎信長“TYPE-MOON”への道案内 FGOを作ったメーカーと、衝撃のヒロイン“琥珀”の抗えない魅力

『FGO』藤丸立香は「最後は気持ちで動く」 TYPE-MOONファンとして演じる醍醐味

――ここからは劇場版『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-』の『後編 Paladin; Agateram』についてお聞きします。収録を終えての心境はいかがでしょうか。
本来なら、他のキャストの皆さんのお芝居も、「こういう演出になったんだ」「こういうシーンになったんだ」ということも収録時にリアルタイムで体験できますが、コロナの影響もあってバラバラで収録したため、自分のシーン以外は知らない部分が多いです。でき上がったものを観るのは楽しみですし、特にラストシーンにはとっても期待しています。

ただ『FGO』に関していえば、このキャラクターとして掛け合いをするのは初めてでも、ゲームでよく(声を)聴いているし、役者さんも存じ上げている方が多く、前編では一緒に収録できたこともあって、ちゃんとつながっていられるだけの積み重ねはありました。今回がベディヴィエールの物語ということや、前編での自分も含め他の方へのディレクションを聞いて、制作陣が作りたいものを把握できていたことは良かったですね。

劇場版『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編 Paladin; Agateram』本予告

――TYPE-MOONファンとして『FGO』もプレイされていて、役作りはイメージしやすい部分はありましたか。
最初の最初、FGOの稼働前に収録した、まだプレイヤー男でしかなかった頃のドラマCDでは、ソーシャルゲームで、しかも人によっては性別も違うプレイヤーキャラクターということもあり、あまり個性を持たせすぎず、プレイヤーの皆さんが感情移入しやすかったり聞きやすかったりといった部分を重視しました。TYPE-MOONの主人公は根底にある意志の強さやあふれ出る個性がありますが、そこはむしろ薄め、これから稼働するソーシャルゲームの主人公をみんなに聞いてもらうぞという意識の方が強かったかもしれません。

通常のアニメ作品などでは「個性がない」と言われてしまう“最大公約数”というか、良くも悪くも邪魔をしない主人公という感じでやらせていただきました。いわゆるTYPE-MOONの役作りという感じではなかったかもしれないですね。
――劇場版では、円卓の騎士ベディヴィエールと共に旅をする立ち位置の藤丸立香ですが、演じるにあたり何かこだわったポイントはありますか。
藤丸立香という名前を与えられてからは、もう一人の独立した個性や考えを持つ人物として演じさせていただいているので、劇場版だから特別何か変わったということではなく、今までの藤丸立香の積み重ねという点が大きいかもしれません。

テレビアニメの『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』(2019年)とは違って今回はベディヴィエールが中心の物語。だからといってお芝居を脇役っぽくしようとしたのではなく、ベディヴィエールが中心になることで台本の流れやカメラの位置が自然と変わるなか、演出や映像と向き合って真摯にやっていけば、求められる立ち位置に収まるだろうと考えながらやりました。
――藤丸立香は島崎さんにとって演じやすいキャラクターでしょうか?
幸い僕は原作の『FGO』をやっていたから、情報が自分の中にあるので、やりづらいと悩むことはないです。藤丸立香はゲームのマスターとも違う独立した存在になっているし、プレイヤーの数だけマスター像はあります。藤丸立香は、あくまで今回の物語でどう表現していくかという中で生み出された人物ですし、さらに言うと同じ藤丸立香でも『バビロニア』と『キャメロット』で完全に同一かというと、またちょっとそれも違うと思います。

特に『キャメロット』は他の人から見た藤丸立香を描いたシーンが多いという一面もあり、そうすると自然と彼自身が変わらなくても違って見えることもあるので、変に決めきっていない分、ある意味演じやすいというか、パッションで演じている感はすごくあります。

いろいろ考えつつも、最後は気持ちで動くのが藤丸立香の良いところ。例えば自分が絶体絶命の状況でもつい体が動いて助けに走って、そのせいで自分や周りを危険にさらしてしまうことも。いろいろ考えていくとリスクを感じて動けなくなるのが普通ですが、藤丸立香はそういうことも踏まえたうえで動けるし動いてしまう。そこが良いところだと思います。計算高すぎず、きちんと考えているけど感情でも動く部分があるので、僕も演じるときは考えながらも感情で動いているところはありますね。
――重厚な世界が魅力のシリーズですが、TYPE-MOONファンである島崎さんが声優として藤丸立香を演じる醍醐味は何でしょうか。
やっていてすごく面白いのは、一般人の藤丸立香がそれこそ神話に登場するような世界中の英雄や神様と出会って、その人たちと交流を持って戦い、彼ら彼女らの背中や生き様を見て成長していくところです。

藤丸立香にとって一つ一つの出会いは強烈で、すごく影響を受けている。もとが普通の子だから余計めきめき成長しているというか、いろんなものをすごく受け取っています。英雄や神様たちからいろんなものを受け取って一歩一歩前に進んでいく感じが、素敵だし楽しいなと思いますね。
プロフィール
島崎信長(しまざき・のぶなが)
12月6日生まれ、宮城県出身。A型。主な出演作品は、『Free!』(七瀬遙)、『ダイヤのA』(降谷暁)、『ブラッククローバー』(ユノ)、『ソードアート・オンライン アリシゼーション』(ユージオ)など。
作品情報
『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-』後編 Paladin; Agateram
2015年に誕生し、全世界で6100万ダウンロードを突破した人気ゲーム『Fate/Grand Order』の中でも人気のエピソード・第六特異点を初の劇場アニメーション化。昨年12月に公開された『前編 Wandering; Agateram』では、かつて仕えた王を討つべく彷徨う遍歴の騎士・ベディヴィエール(CV:宮野真守)が、ともに戦う仲間たちと出会い、運命に翻弄されながらも進み続ける姿を、べディヴィエールの心情に寄り添い丁寧に描き出した。
そしていよいよクライマックスを迎える『後編 Paladin; Agateram』では、物語の結末を壮大なアクションと世界観、繊細なキャラクター表現により、美しく、悲壮に描く。ひとりの騎士が辿り着く、旅の終わりとは――。

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