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敵にも味方にも“正義”がある モー娘。加賀楓がRPG『テイルズ オブ』シリーズから学んだ命の重さ
⇒この記事をオリジナルページで読む(5月19日掲載)
撮影:田中達晃/Pash 取材・文:遠藤政樹
※記事内の発売年表記は、記述がない限り基本的にタイトルの初リリース年です。
365日、時間さえあればゲーム
加賀楓小学生の頃からずっと好きで、当時は初代のニンテンドーDSで遊んでいました。好きになったきっかけは特になくて、きっと本来の自分が、生まれつきゲーム好きなんだと思います(笑)。
――初めてプレイしたゲームを覚えていますか?
加賀楓『どうぶつの森』シリーズ(2001年-)や『わがままファッション ガールズモード』(2008年-)が好きでしたね。あとは母が持っていた『MOTHER2 ギーグの逆襲』(1994年-、いずれも任天堂)もやっていました。
加賀楓得意なのは音ゲー(音楽に合わせたアクションゲーム)で、好きなのはRPGですが、わりと幅広くやりますね。アプリでゲームをすることが多くて、時間があると無料アプリの人気ランキング一覧をひたすら見て、面白いゲームないかなって探しています。これから配信される新作がまとめられているページやサイトもチェックしていて、気になるものは忘れないようにスクショしておきますね。
――いつ、どんなときにプレイしているんですか?
加賀楓仕事がある日でも、空き時間が10分でもあればやります。
加賀楓あっ、ないですね! 365日、時間さえあればゲームをしています。ベッドでもリビングでもプレイしますし、止まらないときはお風呂の中に持ち込んでもやります。時間さえあれば、どこでもやりますね。
加賀楓3時間くらいかな。子どもの頃ゲームをしすぎると母に取り上げられていたので、3時間くらいで「今日はこれくらいにしておこう」とセーブが効きますね。ただ、その代わり毎日やっていて、やらない日がないという(笑)。
『テイルズ オブ』シリーズとの出合いは母親がきっかけ
キャッチコピー:生まれた意味を知るRPG
加賀楓母が『テイルズ オブ シンフォニア』(2003年-)をプレイしているのを横で見ていて、アニメーションが気に入っていました。自分でもプレイしたいなと考えたときに、ニンテンドー3DSで『テイルズ オブ ジ アビス』を配信していたので、それが最初ですね。
そのあと、『テイルズ オブ ベルセリア』(2016年-)を始めたんですが、PS4なので家でしかできないのと、並行していろんなゲームに手を出してしまうのでなかなか進まなくて。ストーリーを忘れてしまうと最初からやり直すタイプなんですが、既に一度やり直していて、また忘れかけているのでもう少し間隔が空いたらもう一度始めからですね(笑)。
キャッチコピー:「正義」を貫き通すRPG
加賀楓母から「初心者向けにいいのは『アビス』だよ」と聞いて始めたんですが、物語としては確かに、子どもには重かったです。自分が自分ではないというのは衝撃ですよね……。生まれた意味も考えてしまいますし、命の重さが伝わってくるのが『アビス』でした。自分の人生に影響を与えている作品ですね。
加賀楓『アビス』です。キャラクターの濃さも自分の中でぴったり、しっくりちょうど良くという感じ。ストーリーも心に響きます。あと、母から「オープニングテーマをあまりちゃんと聴かないほうがいいよ。話が全部わかっちゃうから」と言われました。
加賀楓そうなんですよね。クリア後にもう一度聴いたときに、「もう、この曲はネタバレだよ!」って思いました(笑)。でも、もともとBUMP OF CHICKENさんが大好きだったし、曲が『アビス』の世界観に合っていたのもあって、もっとストーリーが好きになりました。
『テイルズ』は敵にも味方にも“正義”があるところが魅力
加賀楓う〜ん……一番は選べないですね。『アビス』で死者を蘇らせる研究をしているジェイド・カーティス(CV:子安武人)は、性格がすごくブラックなのに、笑顔で明るい声でしゃべる感じが好きです。あと、『ヴェスペリア』のレイヴン(CV:竹本英史)は、敵なのか味方なのかわからないのに、言動のすべてに優しさがあふれ出ている。そこが良さだと思うし好きですね。
『ファンタジア』(1995年-)のチェスター・バークライト(CV:伊藤健太郎)もめちゃめちゃ好き。アーチェ・クライン(CV:かないみか)との恋が始まるのか始まらないのかという微妙な関係性や、ちょっとツンデレっぽいキャラも好きです。
加賀楓『テイルズ』に限った話ではないかもしれませんが、敵にも味方にもそれぞれ“正義”があるところ。敵キャラは「倒す!」という気持ちでプレイしますが、倒した後にはどうしても「ごめん……」という気持ちになっちゃう。
敵にも彼らが思う“正義”があるから、そちら側の視点でプレイしていれば、私もきっとそちらに共感したはず。どちらにも感情移入できるというのが『テイルズ』の良さだと思います。
加賀楓敵のボスも世界を救おうとしてやっているけど、こちらはそれを阻止しなければいけないのが、とても苦しいところです。
加賀楓『アビス』の主人公ルーク・フォン・ファブレ(CV:鈴木千尋)の「俺は悪くねえっ!」も好きなんですけど、『テイルズ オブ グレイセス』(2009年-)のアスベル・ラント(CV:櫻井孝宏)の「守れなかった」も好きですね。幼い頃に守れなかった人たちがいることを大人になってからも忘れられずに、自分の後悔とか傷になって残っているのを感じて、この話も切ないなと思いました。