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「病名も原因も不明」謎の症状で車いすになったタレント、「障害者というしがらみ」超えて挑戦する生き方

「なんで椅子に乗って動いてるの?」、もっと見て、もっと知ってほしい

――周りの方々の反応はいかがですか?

知花さん車いすに乗っていることで、大きな嫌がらせを受けたことはないですし、それよりも気遣いしてくれる方のほうが何十倍もいらっしゃいます。ほとんどの方が理解してくださいますし、車いす姿を見られることも私は全然平気です。とくに子どもたちがよく見てくれて、声をかけてくれるんです。子どもはすごくストレートだから、「あのお姉ちゃん、なんで椅子に乗って動いてるの?」ってお母さんに聞くんですよ (笑)。子どもにとっては純粋な疑問だし、そこから「脚が不自由な人がいるんだ」「歩くのが大変な人がいるんだ」と知ってほしい。親御さんは「そんなこと言わないの」「見ないの」なんて言ってくれるけど、私は全然平気だし、もっと私たちのことを知ってほしいです。あまり気構えずに、気軽にコミュニケーションが取れたらうれしいですね。 

――知花さんと同じように、病気に悩む方に伝えたいメッセージはありますか?
知花さん私自身も突然こうなって驚いたし、悲しかったし、この状態になったことを受け入れるのはなかなか難しいことでした。病名もわからない日々が続いて、候補に上がるのは聞いたことない難病ばかり。今でも悶々とすることはありますが、病名がわかったからと言って病気のつらさが劇的に変わるわけじゃない。だったら病名にこだわらず、つらいことだけに囚われず思いきってやりたいことに挑戦してみる。外出したいならキツくても外に出てみる。それで病状が悪化しても自分で決めたことだから後悔はしない。外に出られたことがハッピーだし、出られた自分をエラいと褒める。そんな日々を続けていたら、病気はつらいけど、まあまあ充実した日々過ごせてるじゃんって思えるようになりました。

――なるほど。

知花さん病気を抱えた人は抱えてない人と比べて、常に疾病と戦っていてそれだけで周りより強い人だと思います。なので、つらい状況の中でも自分だけは自分の味方でいて欲しいなと思います。私は自分のことを前より甘やかして、べた褒めしてます(笑)。

――そうした考え方も大事ですね。

知花さんもちろん、病気や障害を抱える前と今じゃ前の方がいいのですが、今の私はたくさんの幸せを敏感に感じられるようになりました。毎日温かい家に家族と一緒にいて、美味しくご飯を食べて、1日楽しく活動して、ぐっすり眠る。当たり前のことだけど、いかに当たり前が一番幸せなのか身に染みてます。病気を抱えなければ、なかなか気づけなかったことですね。

「障害者というしがらみ」、雁字がらめにしているのは自分自身

――車いすについてはいかがですか?

知花さん車いすを使って外に出てみたら、意外と何でもできると思いましたし、一気に活動範囲が広がりました。車いす姿を人に見られたくない人もいると思いますが、案外周りの皆さんは温かくて、私は窮屈な思いをしなかったです。「障害を抱えていても、こうやって過ごせるんだ」と思えたので、思い切って外に出ることは大事です。この状態になったからには、周りの皆さんに思い切って甘えることも必要なのかなと思います。車いす姿を見られたくないから、歩けない姿を見られたくないからと自分を障害者というしがらみに雁字がらめにしているのは、他でもない自分だったりします。環境や他人のバリアフリーもとても大事なことですが、自分自身へのバリアフリー化を最初に行うことができれば、あとはどうとでもなっちゃいます!

――もともと芸能活動されていた知花さんですが、今後やりたいことは?

知花さん今のメインはこの状態を良くすること、病院に通うことですが、それと同時にSNS上で病気のことやヘルプマークに関連したことを発信したいです。コロナが落ち着いてきたら、舞台やイベントに車いすでも杖でも、また立ちたいと強く思ってます。特に、疾病や障害に関与したヘルプマークの普及イベントをやってみたいと思いますし、今の置かれた状況を逆に武器にして、積極的に表舞台に立ちたいと思っています。

――パリコレに参加する車いすのモデルにも応募しているとか。

知花さんはい。『日本障がい者ファッション協会パリコレプロジェクト車いすモデル』に応募していて、その一次選考に通過しました(※取材時点)。車いすの人だって、オシャレしていいんですよ。洋服屋に行くと、段差や狭さで試着室に入るのが大きな壁になって、「もういいや」と諦めてしまう。私も以前はそうだったけど、今は諦めずにオシャレも楽しんでいこうと思っています。


■知花ちなさんTwitter(外部サイト)

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