アニメ&ゲーム カテゴリ
ORICON NEWS

整形か、劣等感か? 大学生の意識に変化も…共感続出の「見た目」コンプレックス漫画作者の葛藤

  • イララモモイさん、『見た目で悩んでる女の子の漫画』より

    イララモモイさん、『見た目で悩んでる女の子の漫画』より

 美人か、そうでないか――。それで日々の幸せや人生の様々なことが変わってしまう。昨今では、ルッキズムを否定する動きがあったり、芸能界でも女芸人のいじり方に配慮がなされる風潮もある。だが、そんなふうに悩む女性たちはまだまだ多く、Twitterに投稿された『見た目で悩んでる女の子の漫画』にも多くの共感が寄せられた。心理学を学ぶ学生である作者・イララモモイさんに、創作のきっかけ、大学生の美醜への意識を聞いた。

「SNSじゃないと言えない」容姿の悩みを漫画に、多くの女性が共感

 Twitterに投稿された漫画『見た目で悩んでる女の子の漫画』が大きな反響を呼んでいる。主人公は、容姿にコンプレックスを持つ女性・ミツ。少しでも可愛くなろうと努力はしているが、男にチヤホヤされるのは美人の友人・サキばかり。自分はいじられキャラに徹しながらも、思わず「ああ、美人はいいな」とつぶやく…。そんな内容に「ミツちゃんの気持ちが痛いほどわかります」、「私の思っていることが全部描いてあって、泣きそうになりました」と、多くの共感が寄せられている。作者のイララモモイさんは、人文社会科学部で心理学を学ぶ大学生。2020年11月にTwitterアカウントを開設したばかりだが、現在の反響には「想像もしてなかった」と驚きを隠せない様子だ。

――この漫画では、容姿によって男性の扱いが変わることに悩む女性が描かれています。どういうところからアイディアを得られましたか?

 「私自身もコンプレックスはありますし、周りにもそういう人たちはたくさんいます。また、SNSの美容アカウントや整形アカウントを見ると、容姿に関するコンプレックスを語る声がとても多くて。SNSじゃないと言えない、赤裸々なことが語られているのを見て、描いてみようと思いました。表に出せない、声にならない声を形にしてみたかったんです」

――漫画に描かれたような内容は、普段、周りの人には言えないことですか?

 「そうですね。たとえば『ナンパされるときに、美人の友だちばかりが注目されて自分は見てもらえない』という悩みを打ち明けるのは難しいと思います。とくに、相手の男性に直接的な悪意があるわけではないですし…。また、『ブスだからっていじらないで』というのも、『身の程をわきまえていない』と思われてしまいそうで言いづらい。とにかく、容姿が劣っている人に対して、世間は厳しいですよね」

――社会人になればまた別の基準が生まれると思いますが、学生のうちは、評価基準がより容姿に偏るのかもしれないですね。
 
「確かに、容姿はすごく大きい気がします。大学生は髪型、化粧、服装も自由だから、どこまででも容姿に気を配れるし、話題に上りやすいですよね。サークル活動や遊びも重要になるし、順位が出るわけではないから勉強が評価基準になることは少ない。そういう状況で、容姿がそのまま人気に直結している感じはあります」

「整形は批判されるものでもない」、大学生の意識に男女差も?

――主人公のミツもそうですが、容姿への自信のなさは、その人の性格にも影響すると思いますか?

 「思います。容姿が悪いだけで、いじめられるリスクもあるし、周りの扱いも変わってきます。『ブスなら性格よくあれ』なんて言われますけど、それはすごく難しいこと。ひどい扱いを受けていたら、ひねくれてしまいますから」

――容姿に悩んで整形する人もいると思いますが、どう思いますか?

 「整形は良いこと…とまでは言いませんが、批判されるものでもないと思います。よく『親からもらった身体を大事にしろ』と言われますが、大事にした結果、容姿への悩みに耐えられなくて死を選んでしまうようなことがあったら…一番ダメじゃないですか。何より命が大事ですから、自分なりに身体をデコレーションして、楽しく生きた方がいいと思います。もちろん、整形にはリスクがあったり、やりすぎて依存してしまうようなこともあると思うので、そこは気をつけなければいけない。ただ、依存してしまう例だけを取り上げて批判するのは、なにか違うと思います」

――周りの同世代の人たちは、整形についてどう考えているでしょうか?

 「『整形したい』という子も多いし、実際、二重くらいならやっている子もいます。周りも何も言わないし、抵抗はあまりないのかもしれないです。私の周りで整形を否定する女性はいませんが、男性の場合、驚く人もいました。男性すべてがそうとは言えないけど、多少は意識に男女差があるのかもしれません」

あなたにおすすめの記事

 を検索