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整形か、劣等感か? 大学生の意識に変化も…共感続出の「見た目」コンプレックス漫画作者の葛藤
「SNSじゃないと言えない」容姿の悩みを漫画に、多くの女性が共感
――この漫画では、容姿によって男性の扱いが変わることに悩む女性が描かれています。どういうところからアイディアを得られましたか?
「私自身もコンプレックスはありますし、周りにもそういう人たちはたくさんいます。また、SNSの美容アカウントや整形アカウントを見ると、容姿に関するコンプレックスを語る声がとても多くて。SNSじゃないと言えない、赤裸々なことが語られているのを見て、描いてみようと思いました。表に出せない、声にならない声を形にしてみたかったんです」
――漫画に描かれたような内容は、普段、周りの人には言えないことですか?
「そうですね。たとえば『ナンパされるときに、美人の友だちばかりが注目されて自分は見てもらえない』という悩みを打ち明けるのは難しいと思います。とくに、相手の男性に直接的な悪意があるわけではないですし…。また、『ブスだからっていじらないで』というのも、『身の程をわきまえていない』と思われてしまいそうで言いづらい。とにかく、容姿が劣っている人に対して、世間は厳しいですよね」
――社会人になればまた別の基準が生まれると思いますが、学生のうちは、評価基準がより容姿に偏るのかもしれないですね。
「確かに、容姿はすごく大きい気がします。大学生は髪型、化粧、服装も自由だから、どこまででも容姿に気を配れるし、話題に上りやすいですよね。サークル活動や遊びも重要になるし、順位が出るわけではないから勉強が評価基準になることは少ない。そういう状況で、容姿がそのまま人気に直結している感じはあります」
「整形は批判されるものでもない」、大学生の意識に男女差も?
「思います。容姿が悪いだけで、いじめられるリスクもあるし、周りの扱いも変わってきます。『ブスなら性格よくあれ』なんて言われますけど、それはすごく難しいこと。ひどい扱いを受けていたら、ひねくれてしまいますから」
――容姿に悩んで整形する人もいると思いますが、どう思いますか?
「整形は良いこと…とまでは言いませんが、批判されるものでもないと思います。よく『親からもらった身体を大事にしろ』と言われますが、大事にした結果、容姿への悩みに耐えられなくて死を選んでしまうようなことがあったら…一番ダメじゃないですか。何より命が大事ですから、自分なりに身体をデコレーションして、楽しく生きた方がいいと思います。もちろん、整形にはリスクがあったり、やりすぎて依存してしまうようなこともあると思うので、そこは気をつけなければいけない。ただ、依存してしまう例だけを取り上げて批判するのは、なにか違うと思います」
――周りの同世代の人たちは、整形についてどう考えているでしょうか?
「『整形したい』という子も多いし、実際、二重くらいならやっている子もいます。周りも何も言わないし、抵抗はあまりないのかもしれないです。私の周りで整形を否定する女性はいませんが、男性の場合、驚く人もいました。男性すべてがそうとは言えないけど、多少は意識に男女差があるのかもしれません」