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「これ新車ですよね…」中古車写真に異変? 田舎販売店が“スタイリッシュ在庫写真”を撮る理由

「今まで500台は撮ってきた」という飯田氏。1台の撮影にかける時間は、およそ1時間半というところからも車への愛情がうかがえる。撮影スポットは、「そのクルマで実際にドライブしながら、交通の邪魔にならなそうな、いい感じの背景の場所に決めている」そう。店のある埼玉県入間郡毛呂山は、奥武蔵の山々の麓に広がる豊かな自然に包まれた田舎町だけに、ドライブ熱をくすぐられるような写真が多いのが特徴だ。

「最初は、もっと都会で、お洒落なカフェ沿いとかで撮りたかったというのが本音です(笑)。でも、まさにドライブって感じの写真が撮りやすいので、そういう写真が多くなっています。今、もう少し欲しいのは、背景に雄大な山脈を置いた写真ですね。富士山とか。あと、海も欲しいですし、雪の中をドリフトする軽トラックも撮ってみたいです!(笑)」
 さらに壮大な構想を描いている飯田氏だが、現在、中古車市場で主流となっている、いわゆるありきたりな従来の写真について、どう見ているのだろう。恐る恐る聞いてみると、やはりクルマ愛に溢れたこんな答えが返ってきた。

「中古車は色、年式、走行距離、グレード、みんな違います。良いところもあれば、当然、悪いところもあります。決してカッコよくはなくても、映えていなくても、しっかり愛情を持って撮影してあげたら、クルマも表情を見せてくれる気がしますし、見ている人にも伝わると思います。
 ただ、ヘッドライトが白く写ってしまっている写真が多くみられるのは気になります。経年劣化で白く黄色くなってしまうのもあるのですが、撮影する前に磨いたり、カメラの露出設定で白く飛ばないように気をつけながら撮ると、古く見えずに済むのでおススメです!」
 そんな飯田氏にクルマに興味を持つ読者に向けてメッセージをお願いすると……。

「すべての人に“車”ではなく、“愛車”に乗ってもらいたく思っています。傷が付いたって、故障したっていいじゃないですか。人間だって風邪をひきます。一緒に歩んで、一緒に写真を撮って、撮った写真を部屋に飾ってほしいと願います。仕事を終えて家に帰ったとき、その写真を見た瞬間、また頑張ろうって思えるし、きっと愛車への愛着が増し、撮った写真は10年後20年後、もっともっと大切なものになります。“愛車”の価値はそこにあると思っています。撮影はスマホのカメラで十分です。『あ! 懐かしい。このとき乗っていたクルマ、良かったな〜』なんて思える写真が一枚でもみなさんの手元に残れば、私の作戦は大成功です」

 一台の車に30年乗り続ける女優のニュースが話題となるなど、消費社会のなかで、“いいものを長く使う”ことが見直され始めている昨今。“スタイリッシュ中古車写真”はそんな、愛着のある一台を見つけるきっかけになっているのかもしれない。

文/河上いつ子

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