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感染症の専門家・岡田晴恵が感じた「報道の怖さ」…誹謗中傷にも屈せず、いま必要なコロナ対策明かす

誹謗中傷にも屈せず、メディアに出続けた理由

  • 『まんがで学ぶ! 新型コロナ知る知るスクール』より

    『まんがで学ぶ! 新型コロナ知る知るスクール』より

――15キロほども痩せられるほど、心をすり減らしてしまったそうですが、メディアに出なければよかったと思うことはありませんでしたか?

岡田晴恵出なければよかったとは思っていませんが、私が発言したことを悪意をもって受けとられて、つらい思いをしたことはありました。そんなとき、番組のディレクターの方が「岡田先生を全力で護れ」と仰ってくれたことを聞いて…。みんなで支えてくれました。感謝の気持ちでいっぱいです。

――誹謗中傷があるなか、メディアに出続けたのは?

岡田晴恵単純に、感染者が増えたら困るからです。新型コロナは感染者数が増えれば、そのうち2割は肺炎が増悪して重症者が出てしまいます。ニュースを含め、テレビの報道というのは“今”を伝えるもの。ですが、感染症を研究している人間は、もっと先を見ている。新型コロナウイルスは、四季のある温帯地方の日本では冬に流行する危険性があるので、それまでに備えをすることを伝えたかったんです。この冬に備えて、医療機関の充実は必要不可欠。医療崩壊だけは、絶対的に避ける。そのために今、厚労省も必死に手を打っています。間に合ってほしいです。

 コロナ禍でストレスが溜まり、多くの人が苦しんでいます。ただ、もっと感染者が増えて状況が悪くなると、さらに医療も経済も厳しい世の中になってしまう。だから少しでも患者を減らすために、やれることをやるしかない。「知っていたらやらなかったのに」「教えてほしかった」をなくしたいのです。

――また、感染症予防についてメディアから求められたら、テレビにも出演しますか?

岡田晴恵まずは、新型コロナウイルスについて詳しく触れる番組を、テレビがやるかどうかですよね。そのなかで、信頼を置ける方からお話をいただいたら考えるかもしれません。

――今は執筆活動などで、多くの人たちに感染症の知識を持ってもらおうという活動をしているのですね?

岡田晴恵そうですね。「ペンは剣より強し」と教えられてきたので、文字を書いて本に残すということをすべきだと思いました。私は日本経団連の21世紀政策研究所にもおりましたので、経済が大切なことはよくわかっています。人命も大事だし、経済も大事だということです。だからこそ、日本で感染者数を抑えていく政策をとるべきだと訴えてきました。いったん大流行してしまうと、経済にも甚大なる悪影響が出るからです。感染症対策も経済対策も、究極のところでは方向性は一致しています。

 冬に向かって感染経路不明の人たちが増えていますから、今、重要なことは、感染を抑え、ハイリスクの人に移さないこと。また、病院や高齢者施設にウイルスを入れないこと。そのために、すべての人にウイルスと感染症の知識を持ってもらいたい。お子さんはもちろん、大人にも役に立つような情報はすべて入れたと思っているので、ぜひ本を手にとっていただければと思います。

(文:磯部正和)

■岡田晴恵(おかだ・はるえ)プロフィール
共立薬科大学大学院薬学研究科修士課程修了、順天堂大学大学院医学研究科博士課程中退、薬学修士・医学博士。アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員としてドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所留学、国立感染症研究所研究員、(社)日本経済団体連合会 21 世紀政策研究所シニア・ アソシエイトなどを経て、現在、白?大学教育学部教授。専門は感染免疫学、ワクチン学。感染症対策の第一人者としてわかりやすく解説。作家としても活動し、感染症関連の書籍を多数執筆している。

『まんがで学ぶ! 新型コロナ知る知るスクール』

著:岡田晴恵
まんが:山田せいこ
ポプラ社 刊

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