• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

「不倫は社会問題ではない」夫婦でバッシングされた金子恵美、加熱報道と“叩きのめす”風潮に警鐘

金子恵美

「バッシングを受けた側だからこそ」、発言には注意と配慮を

──現在はコメンテーターとしても活躍されています。メディアで叩かれた側として、発言で気をつけていることはありますか?

金子恵美 発言者として常に念頭に置いているのは「ファクトは1つ」。事実確認をしっかりした上でしか、言及はするべきではないと考えています。ただどうしても事実を得られておらず、それでも発言を求められた際には「これは推測の域になりますが」と前置きをすることもあります。なるべく避けたいところですけど。

──たしかに不倫のように、当事者同士でしかわからないことを「推測」で物を言うのは危険かもしれません。

金子恵美 はい。またバッシングを受けた側としては、当事者だけではなく、家族や関係者にも配慮して物を言うように心がけています。

安倍前総理の辞任、物議になったラサール石井への発言に「後悔はない」

──最近では安倍前総理の辞任に関して、金子さんの発言が物議を醸したこともありました。

金子恵美 辞任表明後のラサール石井さんの発言に対し、「総理になってから言ってもらいたい」と言った件ですよね。あれは番組内の発言全体を文脈で捉えてもらえたら「総理経験者以外、政治を語るな」と言っているのではないとご理解いただけると思っていたのですが、ただ私自身安倍総理に感情移入してしまったこともあって、誤解を招くような表現を使ったことは反省すべきでしたね。ただ、あの発言をしたことは後悔していません。

──信念を持った上での発言だったと。

金子恵美 私が言いたかったのは、健康を理由に志半ばで退場することが政治家にとってどれほどつらいことか、ということでした。安倍さんとはイデオロギーが真っ向違うあの蓮舫さんでさえ、まず8年間総理を務めたことに対してねぎらいの言葉をかけている。これは選挙に出て国家のために働く政治家であれば、誰もが共感できることだという表れですよね。

──『許すチカラ』の中では蓮舫さんへの意見も綴られていますが、その点では認められているんですね。

金子恵美 要は、最低限の敬意が払えるかどうかの問題だと思うんです。支持政党によって思想の違いがあるのは当然ですし、政策については戦わせ合ったほうがいい。だけど、こと健康に関しては、意見が違っても、闘病中の人に対して人としての当たり前の優しさや相手を気遣う気持ちを誰しも持つべきではないでしょうか。日本人はそこまで不寛容になってしまったのか…と悲しみすら感じてしまいます。

──「総理になってから」発言も、ネットに波及して騒動に発展しました。

金子恵美 夫からは「エゴサだけはしないでね」と言われてます(笑)。私は今はSNSをやっていないので(取材当時。9/20にオフィシャルTwitterアカウントを開設)、特に検索することもないんですけど。ただ私もいくつもの批判にさらされて思うのは、特にネットニュースは記事のタイトルを鵜呑みにしてしまう方が多いということですね。

──記事のタイトルのつけ方にも、問題はあるかもしれないですね。

金子恵美 そうですね。ただネット記事に慣れてしまったことで「この事象の背景に何があるのか?」といった文脈を読むリテラシーが全体的に下がってきているような気もします。その点については教育の問題も大きいと思います。ネット社会であることはもはや不可逆ですから、これからの子どもたちには文章を読み取る力や、価値観の多様性はもちろんのこと、誹謗中傷をしない/たとえされても折れない心を育てることもとても大切だと感じています。

──議員時代から子どもや女性の問題に取り組んでこられましたが、民間の立場で今後はどのような活動をされていく意向ですか?

金子恵美 議員を辞めて政治を外から見て改めて、国民と政治の乖離の大きさを感じています。お決まりのように公約に「女性活躍」や「少子化対策」を掲げながら、本気で取り組んでいる議員がどれだけいるのかと。こうした問題を解決する一つの方策として、やはり女性議員を増やす必要があります。私は国会議員の器ではないと自覚していますが、少なくとも経験や人脈はありますから、今後は民間の優秀な女性を政治の世界と繋げる架け橋としての活動をしていきたいですね。

(文:児玉澄子)

『許すチカラ』

金子恵美 著
集英社 刊
10月5日発売

詳しくはコチラ》(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

 を検索