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清廉性求めるテレビで“未経験”芸人の需要拡大、渡部の不倫で加速する禁忌
“飲む、打つ、買う”が成功者のステータスだった時代も今は昔
14日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、東野幸治がこの話題に言及。渡部も出演していた『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)の今後について不安を漏らし、芸人仲間に対しても、「ホンマに『不倫してます』なんて言われたら、受け止めて、テレビでしゃべらない自信がない。知らないほうがしゃべりやすいし、聞けなくなった」と発言。芸人自身も、今回の件を受けてナーバスになっていることが伺えるコメントだった。
かつて芸人といえば、火遊びから不倫まで、女性関係が派手な人も多かった。いわゆる桂春団治の世界だが、横山やすしやビートたけし、故・志村けんさんなど、いわゆるレジェンド級の芸人にこうした話は付きもの。飲む、打つ、買うが成功者のステータスのように語られていた時代もあり、視聴者側も「あの人なら仕方ない」といった受け止め方がされていた。
「ですが、近年では不倫報道による謝罪会見が増加。のちに復活を果たしたとしても、過去の“汚点”として、視聴者やスポンサーの記憶に残り続ける時代になってきました」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「不倫に厳しい風潮は年々高まっています。渡部さんを見てもわかる通り、その傷はもはや致命的。トップクラスの芸能人と言えど、無傷では済まされません」(同氏)
もはや「隠すこと」ではない、笑いをとれて好感度も上々の“未経験”芸人たち
「とんねるずなどが躍進した80年代後半。世間では“ヤラハタ”(未経験のまま二十歳を迎えること)という新語が流行るなど、未経験であることは、隠したい、恥ずかしいこととされていました。ですが、いわゆるチェリー芸人たちは、未経験でピュアであることをネタにし、笑いを取り、さらには視聴者から好意的に受け入れられています。2002年にアンガールズがデビューしたあたりから、この傾向は見られていましたが、チェリー芸人が一勢力として見られる現象は最近のことです」(衣輪氏)
経験不足は「暗い」「社会性欠如」などと見られていたが、今ではあっけらかんとオープンにする人も多い。芸人ではないが、ラジオ『オールナイトニッポン』で人気のCreey NutsのDJ松永など、もはや“選択童貞”と言えるような人も存在する。
「相模ゴム工業の調査によれば、日本の20代男性の童貞率は34.1%。20代女性の処女率は20.9%(最新の2018年版より)。決して“稀少”ではなくなったことも影響しているでしょう。また、インターネット掲示板でも、2002年に『30歳まで童貞で過ごすと魔法が使えるようになる!』というスレッドが話題に。それを引用した豊田悠氏のコミック『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』のテレビドラマ化が、先月発表されました。もはや“未経験”“童貞”など性の経験値が少ない状況が、現在のエンタメ界では良質なコンテンツの一つになっているとも言えます」(同氏)