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“人”がいるだけで伝わる物語の奥行 カーモデラーが表現した「アメリカン・ドリーム」

時代考証もゆるくできるのがカーモデルのいいところ

――制作の際、どんな“妄想”を繰り広げたのですか?
Sho_taroフェラーリF40オーナーのガレージをイメージしました。オーナーになったらガレージという自分だけの城でメンテしたいし、「オレのマシンどうよ」って自慢したくなる気持ちを表したものです(笑)。ブルース・スプリングスティーンのCDやマルボロ(タバコ)を配置して、アメリカの車好き兄ちゃん感を演出してます。作品タイトルはスプリングスティーンの曲から『Born to Run』です。いわゆる労働者だけど、一生懸命頑張って手に入れたアメリカン・ドリーム感を出してみました。今、この作品の連作としてF40の後継マシンF50とフィギュアの組み合わせで、この兄ちゃんの向かいに住む設定のものを作ってます。こちらも現在妄想膨らませ中です。

――制作の際、こだわりのポイントは?
Sho_taroこだわりはいろいろあるのですが、一番と言えばやはり塗装でしょうか。カーモデルはピカピカな塗装面にするために基本塗装の上にクリアー塗料をエアブラシで吹いて、さらにその塗装面をコンパウンドなどで鏡面になるまで磨くのですが、クリアー層が厚くなるとスケール感が損なわれる気がするのでなるべく薄い塗膜になるように注意してます。まだまだ失敗も多く試行錯誤の連続ですが…。
――コンペ出品にあたって、もう1作制作されたと伺いました。
Sho_taroシトロエン2CVを使ったものですね。フランスのモンマルタルあたり、マロニエの街路樹の下っていう情景をイメージして作っていたのですが、何か説明的な感じがしたので途中でやめてしまいました。未完成なので作品名もありません。ただ、この女性も現代版アンナ・カリーナっぽいイメージを勝手に重ねて作ってました。街路樹の下にはゴダールのリバイバル映画のポスターなんかも配置する構想だったのですが…。あっ、ゴダールの映画は観たことないですけどね(笑)。
――未完成ながらこちらの作品も、完成度が高いです。
Sho_taro2CVはさすがタミヤのキットなのでそれほど苦労はなかったです。エンジンの再現もパイピングの追加と他諸々。ボディのカラーリングは迷いましたが、グレーという選択はなかなか雰囲気があって正解でした。フィギュアはウクライナのマスターボックスというメーカーのものを小改造しました。顔の作りが怖いのでなるべくかわいく見えるように塗装しました。ファッションやヘアスタイルもパリジェンヌっぽい感じにしたつもりです。未完成ではありますが、またそのうち再開するかもです。

――カーモデル+フィギュアの作品を制作してみてどんなところに魅力を感じましたか?
Sho_taro戦車などのジオラマと違って時代考証もゆるくできるのがカーモデルのいいところだと思います。シトロエン2CVの作品の女性だって、2CVの現役の頃の時代の人ではなく、旧車マニアの現代の女性っていう設定。でもその逆も普通に成立する。この設定の自由さがカーモデルとフィギュアの組み合わせの楽しさです。私の理想のイメージはマツダのCMで新旧ロードスターに乗った老人と若者が峠道で出会って気持ちよく走ってそのまま別れるといったものがありましたが、その世界観です。「新しいものも古いものもいいものはいい!」全て横並びなのがカーモデルの面白みですね。

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