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『あぶデカ』『西部警察』の劇中車も商品化 工事現場パーツや横転用スロープなど再現パーツ封入のこだわり
石原プロ公認の商品化、第1弾は“犯人”が乗っていた『日産 セドリック』だった
圓道私の上司である小林が『トミカリミテッドヴィンテージ』を立ち上げてすぐ、2006年に『東宝名車座』というシリーズを始めました。若大将(加山雄三)や植木等さんが出演した映画に登場する、脇役的なクルマを再現しました。とても反響が高く、シリーズを続けていたんですが、『西部警察』のクルマも手掛けたいという思いは我々の中にもずっとあったんです。そして2013年、石原プロから許諾をいただき、『西部警察』のクルマを商品化することができました。
――『西部警察』は1979年からテレビ朝日系で放送された刑事ドラマ。刑事たちの活躍も人気があったが、大門軍団の乗るスーパーマシンは今でも多くのファンの心をつかんで離さないほど魅力的。大門団長専用の「スーパーZ」や機関銃が備わった「RS-1」などが発売されるかと思いきや、最初に商品化されたのは違うモデルだったそうですね。
圓道はい。第1弾は犯人が乗っていたコアなクルマ(西部警察01 「西部警察PART1第18話『俺たちの闘い』より日産セドリック(230型)2台セット」)を商品化しました(笑)。パッケージの中には工事現場のパーツや横転用のスロープも全部作りまして、番組のアクションが完全再現できるキットとなっています。
圓道正直、我々もノリを楽しむところがありまして…。ほかにもフェアレディZが川を飛び越える有名なシーンがあるんですけど、そのクルマ(西部警察11 「西部警察PART-1第104話『栄光への爆走』よりフェアレディZ 2by2」)も製品化しました。パッケージの裏側にそのシーンの写真があるので、後ろに立てると、まさに同じシーンを再現できるようになっています。
金子やはり高額な商品となりますので、買った方が保存できるようパッケージを切ったりすることなく再現できるよう工夫しました。
ドラマファンが泣いて喜ぶ「パッケージ形態」
金子『西部警察』だけでなく『あぶない刑事』などのシリーズを作ることによって、新たなユーザー層にも購入していただいておりまして、そこから『トミカ』の世界に入っていただくという意味では、非常に有用なシリーズだと思っております。
圓道少し前に『さらば あぶない刑事』が公開されましたよね?
――はい。『あぶない刑事』は元々、1986年から日本テレビ系で放送されたドラマでしたが、2016年に映画『さらば あぶない刑事』が公開されました。
圓道実は『西部警察』のパッケージでインタビューさせてもらった方から、“あぶデカ”最後の映画をやるって話を教えていただきまして。ぜひモデル化したいという話があったんです。そして“あぶデカ”といえば日産のレパード。でも、劇場版では最初、日産が協力する予定じゃなかったらしくて。そこで、先にも話に出た上司の小林が日産と引き合わせたんです。映画の試写会で60歳を過ぎた柴田恭兵さんがレパードに乗っているシーンを見たときは、一同泣きそうになりました。単にクルマ好きの我々が貢献できて、本当に良かったなって思います。
(取材・文/今泉)