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オトナ化した『トミカ』に熱中するワケ「高価格でも予約好調」
大人が本気で遊べる再現率がウリ、専用の金型も開発する本格派
「コンセプトは“大人が本気で遊べるトミカ”です。従来のトミカ(平均約1/60スケール)より一回り大きな1/43サイズにすることで表現の幅が広がり、シザードア開閉、ライト展開・収納、エンジンフード開閉などの豊富なアクションを可能にしました」(タカラトミー・トミカマーケティング部)
担当者がこう話すように、リアルなデザインや細部にまでこだわったディティールの表現、フルアクション搭載が最大の特徴。これまでミニカーを観賞用として楽しんでいた大人たちが、子供の頃のように実際に触って遊ぶことできるように仕上げている。
また、大人向けとブランドとして銘打つことで、子供っぽいイメージの“ミニカー遊び”から、趣味の逸品としての進化を遂げており、堂々と自分のために手にする大人たちも増えているようだ。
スポーツカーブームが再燃? 憧れのランボルギーニも登場
トミカが誕生した1970年代に日本に訪れた「スポーツカーブーム」。子どもから大人まで、多くの人がフェラーリやランボルギーニなどのスポーツカーに夢中になった。ブームの火付け役は、1975年から1979年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載された漫画『サーキットの狼』。主人公が愛車のロータス・ヨーロッパで、ポルシェやフェラーリと競争を繰り広げる様子に熱狂する人が続出し、一大ブームを巻き起こした。昨年の『東京モーターショー2017』では、この『サーキットの狼』とコラボした“限定トミカ”が登場。トミカファンはもちろん、かつてスーパーカーに胸を熱くした世代からも注目を集め、大きな話題を呼んだ。
「トミカ」では実在する車種はもちろん、懐かしのドラマや映画をモチーフにしたものまで、その商品ラインナップは多岐にわたる。最近では、希少価値のある廃盤品の価格が、ネットオークションで高騰している背景も。ターゲット層の拡大が様々な面で見られる。
「子どもに買い与えるだけではなく、“自分のためのトミカ”というコンセプトのもと、大人にとって憧れのモデルを中心にラインナップを組んでいます」(タカラトミー・トミカマーケティング部)
1台100万円の「純金トミカ」も完売 マニア心をくすぐる「夢」ラインナップ
また、2004年からスタートした「トミカリミテッドヴィンテージ」シリーズでは、『西部警察』や『あぶない刑事』など、人気ドラマに登場した車も商品化されており、当時夢中になった大人たちを楽しませている。
懐かしい旧車から現行車まで、“大人が憧れる車種”を商品化し、より幅広い世代の心をつかんでいる「トミカ」。プレミアムシリーズの誕生により、“買いたかったけど買えなかった”憧れの車種をトミカで集めるという大人の楽しみ方も可能になった。1台のミニカーが持つ魅力は、子どもだけでなく大人の心もつかんで離さないようだ。