• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • オトナ化した『トミカ』に熱中するワケ「高価格でも予約好調」
(更新: ORICON NEWS

オトナ化した『トミカ』に熱中するワケ「高価格でも予約好調」

 ガンプラやラジコンなど、かつて子供が夢中になっていたおもちゃにハマる大人が増えており、玩具業界でも大人を狙った「オトナ消費」を促す専用商品が年々増えている。創業48年になるタカラトミーが発売するミニカー「トミカ」からも、通常、対象年齢を3歳以上に設定しているが、14歳からにターゲット層を引きあげたブランドが存在する。かつてトミカで遊んでいた人や、スポーツカーに夢中になった世代をも熱くさせる“大人向け”トミカの魅力について担当に聞いた。

大人が本気で遊べる再現率がウリ、専用の金型も開発する本格派

 タカラトミーでは、2015年4月から「大人のためのトミカ」として『トミカプレミアム』を展開中。11月17日に発売されるのが『トミカプレミアムRS』。こちらも可能な限りの“リアリティ”を再現しており、6月に開催された「おもちゃショー2018」で発表されると、SNSでもいち早く話題となり、大人たちの心をつかんだ。

「コンセプトは“大人が本気で遊べるトミカ”です。従来のトミカ(平均約1/60スケール)より一回り大きな1/43サイズにすることで表現の幅が広がり、シザードア開閉、ライト展開・収納、エンジンフード開閉などの豊富なアクションを可能にしました」(タカラトミー・トミカマーケティング部)

 担当者がこう話すように、リアルなデザインや細部にまでこだわったディティールの表現、フルアクション搭載が最大の特徴。これまでミニカーを観賞用として楽しんでいた大人たちが、子供の頃のように実際に触って遊ぶことできるように仕上げている。
 子供向けと共通しているのが、手のひらに乗せた時の車らしい感覚へのこだわり。ダイキャスト(金型鋳造法)素材に、塗装は本物と同じような焼付け塗装を施している。そこに加え、『トミカプレミアム』は印刷からホイールのデザインに至るまで、専用の金型を開発し使用。誕生から50年の歴史の中で、塗装、印刷技術が向上したことにより、車体のエンブレム等表現できる範囲も大幅に広がったという。

 また、大人向けとブランドとして銘打つことで、子供っぽいイメージの“ミニカー遊び”から、趣味の逸品としての進化を遂げており、堂々と自分のために手にする大人たちも増えているようだ。

スポーツカーブームが再燃? 憧れのランボルギーニも登場

 ハイディティールが特長の『トミカプレミアム』の新シリーズ第1弾として、17日に発売される『トミカプレミアムRS ランボルギーニ カウンタック LP500S』。真っ赤なカラーと、エッジの効いたリアルなデザインが、車好きはもちろん、かつてスポーツカーに憧れていた世代も熱くさせる車種だろう。

 トミカが誕生した1970年代に日本に訪れた「スポーツカーブーム」。子どもから大人まで、多くの人がフェラーリやランボルギーニなどのスポーツカーに夢中になった。ブームの火付け役は、1975年から1979年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載された漫画『サーキットの狼』。主人公が愛車のロータス・ヨーロッパで、ポルシェやフェラーリと競争を繰り広げる様子に熱狂する人が続出し、一大ブームを巻き起こした。昨年の『東京モーターショー2017』では、この『サーキットの狼』とコラボした“限定トミカ”が登場。トミカファンはもちろん、かつてスーパーカーに胸を熱くした世代からも注目を集め、大きな話題を呼んだ。
 主なトミカ商品は単体で税抜き450円〜800円のところ、『トミカプレミアムRS ランボルギーニ カウンタック LP500S』は3500円と高額。様々な仕様へのこだわりを見てみると納得の価格であり、欲しがる大人も多い。発売に先駆け同社のECサイト「タカラトミーモール」での予約の動きは好調とのことだ。

 「トミカ」では実在する車種はもちろん、懐かしのドラマや映画をモチーフにしたものまで、その商品ラインナップは多岐にわたる。最近では、希少価値のある廃盤品の価格が、ネットオークションで高騰している背景も。ターゲット層の拡大が様々な面で見られる。

「子どもに買い与えるだけではなく、“自分のためのトミカ”というコンセプトのもと、大人にとって憧れのモデルを中心にラインナップを組んでいます」(タカラトミー・トミカマーケティング部)

1台100万円の「純金トミカ」も完売 マニア心をくすぐる「夢」ラインナップ

 大人になり、子どもと一緒におもちゃ売り場に戻ってきている層も多く、久しぶりに訪れたおもちゃ屋で手にしたトミカをきっかけに、子どもより夢中になってしまうパターンもよくあるという。『トミカプレミアム』は「大人の嗜好品」として作られているため、車だけでなく戦車や航空機から、小惑星探査機の「はやぶさ」など多種多様なラインナップを取り揃えている。

 また、2004年からスタートした「トミカリミテッドヴィンテージ」シリーズでは、『西部警察』や『あぶない刑事』など、人気ドラマに登場した車も商品化されており、当時夢中になった大人たちを楽しませている。
 周年記念で発売されるモデルも、大人に人気の商品だ。誕生30周年を記念して2000年に発売された「純金トミカ」は、限定100台の完全受注生産。車種は「トミカ」第1号モデルと同じ「ブルーバードSSSクーペ」で、車体はもちろん、シート、タイヤに至るまですべて純金製。1台100万円にも関わらず、すべて完売した。購入層は圧倒的に男性が多いが、年齢層は20代〜70代と幅広い世代からの支持が伺える。また、40周年には「プラチナトミカ」を制作し展示。非売品だが、参考価格は700万円と、乗用車の価格を上回る高級ミニカーが誕生した。

 懐かしい旧車から現行車まで、“大人が憧れる車種”を商品化し、より幅広い世代の心をつかんでいる「トミカ」。プレミアムシリーズの誕生により、“買いたかったけど買えなかった”憧れの車種をトミカで集めるという大人の楽しみ方も可能になった。1台のミニカーが持つ魅力は、子どもだけでなく大人の心もつかんで離さないようだ。

あなたにおすすめの記事

 を検索