ウェブCMならではの施策としての“CM音楽” 「TV以外に興味がある方に届ける」

　またCMには「音楽」も重要だ。佐藤さんは「ドコモさんのCMは王道であり老若男女、全国の人に届けるという意志があります。そういった意味では『カンナとミナミ』シリーズも老若男女に受け入れられる星野さんの楽曲が非常に効いてる。星野さんの楽曲があるからこそ、これもドコモさんのCMのど真ん中を行っているのです」と解説する。

　さらにウェブ動画版では、若者から、主にネット界隈で絶大な支持を集めるシンガーソングライターのまふまふを起用。「昔と違い、多様化した今では、マス＝TVCMで流すだけではすべての人に届かないことが多い。でも、その届かない人にこそ、届けたい今回の施策だから、まふまふさんにお願いしました」とのことだ。

　ウェブ展開で言えば、「#ドコモの学割描いてみた」も当たった。これは、橋本と浜辺が隣り合っている、ドコモの宣伝ポスターのイラストをハッシュタグをつけて投稿するもの。もう一つの2人の共通点は、ネットでアンチが少ないこと。ネットに抵抗なく広がり、さらに橋本がSNSで「私も見ている」とつぶやいたことから多くの「絵師」からの投稿が集まっている。

　これからも「皆さんが見たことないもの、私自身も見たいものを作っていきたい」と話す佐藤さん。現在は、Twitter上で募集していた「#高校生300万人の最高にエモい」キャンペーンで投稿された一般の高校生の写真・動画と橋本、浜辺の動画をつないだコンテンツが公開中だ。3月28日ドコモ公式YouTubeアップロード。ドコモが今後、どんな“奇跡”のCMを見せてくれるのか。テレビとネットの関係が過渡期である今だからこそ注目したい。

（取材・文／衣輪晋一）

WEB限定　「まふまふ」さん作曲動画