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(更新: ORICON NEWS

女優・橋本環奈の真価、”偶像”から脱却し”枠に囚われない存在感”を解放

 「千年に一人の美少女」のキャッチフレーズとともにブレイクし、今や人気女優の座を獲得した橋本環奈。そんな橋本の人気を支えるのが、バラエティ番組やSNSで近年解禁した「美少女なのにけっこう豪快」というキャラクターだ。「ドイツでは店が閉店するまでビールを飲み続けた」「2杯目までは休肝日」など“酒豪伝説”を大笑いしながら披露する一方、SNSでは共演者に対する立ち居振る舞いやコメント力の高さを賞賛する声も多く見られる。“千年ちゃん”から見事に脱皮したようにも見える、橋本環奈の“現在地”とは?

「タピ活とはタピオカのこと?」ひょんなツイートからSNSトレンド入り

 最近の橋本は、ヒロインを演じる映画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の番宣でバラエティ番組などに多数出演。『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)では「(仕事が終わると)飲みたくなっちゃう。週7回飲む」、「2杯くらいまでは休肝日かな、と思ってます」と語り、意外すぎる酒好きな一面を明かした。また、自身のTwitterでは7月1日に「タピ活とはタピオカのことかしら?」、「え、女の子みんな タピろう〜って言うの? そうなの? 知らなかっタピ」などと突如タピオカに目覚め、1時間に13ツイートしてトレンド入りすると、200万人フォロワーを達成。記念に変顔写真を投稿しながら、フォロワーに「#皆さんからの面白いハッシュタグ待ってます」と呼びかけて交流。「#タピ本環奈」、「#たぴおか〜んな」、「#環奈さまはタピらせたい」などのタグが作られ、SNSは大いに盛り上がったのである。

 橋本はSNSで自由気ままに発言しているように見える一方、実は「発言にはより一層気を付けていると思う」と語るのは、東京アイドルフェスティバルに10年連続で参加し、橋本を一躍有名にした「奇跡の1枚」が撮影された現場にも居合わせたというアイドル応援アカウントのえすあいしーさん(@idolmaster_sic)だ。

「自身のファンミーティングで、“仕事のなかで気を付けている話”として『SNSでの発言や行動には責任を持つように、気をつけています。いろんな方と共演させていただくけど、相手のファンの方が悲しむことは絶対にしない』と語っていたのが印象的です。『人は好き好きがあるから、私は嫌われたっていいんだけど、そこだけは気をつけている』とも話していました。これまで様々な女性アイドルを見てきたけど、橋本さんは特に自分が前に出ていい場所、控える場所をちゃんとわきまえている。すごく繊細に気を使っているし、頭を働かせて立ち回っているように見えます」(えすあいしーさん)

共演者との距離の詰め方は随一「徐々に段階を踏む礼儀正しさ」

 橋本の「共演者やファンがいやがることはしない」精神は、バラエティ番組における彼女の対応でも垣間見ることができる。前述の映画『かぐや様は〜』の番宣として、King&Princeの平野紫耀とはさまざまなテレビ番組で共演していたが、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)でドッキリの仕掛け人として出演すると、平野が繰り出すボケにすかさずツッコんだり、いい塩梅で平野の発言をフォローする橋本の姿が話題に。SNSでは、もはや“コンビ芸”とも呼ぶべき2人の掛け合いをまとめたツイートに25.5万件の「いいね」がつくほどだった。

 実際、橋本のコメント力の高さは同業者も認めるところだ。昨年、『踊る! さんま大御殿』(日本テレビ系)に出演した際は、「最近ムカッとしたこと」というテーマで「AIスピーカーに話しかけるような口調で夫にこき使われる」との意見が寄せられると、出演している女性陣からいっせいに不満の声が上がるも、橋本は「頼まれる内容にもよると思うんですよ」と語る。そこでMCの明石家さんまが『OK環奈、醤油取って』と振ると、橋本は『すみません、よく聞こえませんでした』とAIスピーカーの口調で応え、爆笑を引き起こす。さんまも「いいねえ! ゴチ(日本テレビ系『ぐるぐるナインティナイン』内の企画「ゴチになります!」)で鍛えた荒技!」と絶賛したのである。

 また、『火曜サプライズ』(日本テレビ系)では、映画『銀魂』で共演したムロツヨシには冷蔵庫、菅田将暉にはダイソンの掃除機、小栗旬には洗濯機と、独り暮らしのための家電一式を買ってもらったエピソードを紹介。さらに先月、『A‐Studio』(TBS系)に出演すると、小栗旬の自宅に小栗が不在なのに(妻の山田優と子どもしかいない)3連泊したことを告白し、「普通に仕事に出ていってるんですよ。でも、帰ってきちゃうんですよね。気づけば朝みたいな…」とケロリとして見せ、笑福亭鶴瓶を唖然とさせていた。

 こうした橋本の自由奔放っぷりが、逆に共演者からも「人との距離を詰めていくのが異常にうまい」として評判になり、先の『A‐Studio』でMCを務める親友の上白石萌歌からも、「心の中に土足で踏み込むんじゃなくて、スリッパそろえてからノックして入ってくるような、徐々に段階を踏んで距離を詰めてきて礼儀正しい」として評価されているのだ。自由気ままなようでいて、実はしっかりと空気を読みながら共演者との距離を近づけていくという“地頭のよさ”がうかがえる。

アイドル時代”偶像”に徹したからこそ成し得た、人間的魅力の解放

 前出のえすあいしーさんも、橋本の「頭のキレはアイドル時代からずば抜けていた」と語り、「アイドル時代のファンとの握手でも同じで、最初は笑顔で『ありがとうー』と答えてくれるのが、だんだん仲よくなってくると、『よっ!』とか『他の子好きなくせに』とか馴れ馴れしくなったり、わざとそっぽ向いたり、ファンの性格に応じて対応を変えて、それがまたファンの心をくすぐります。相手に応じて話題も対応も変える頭のよさがありました。そこが、現在もいろんな大人たちに可愛がられているゆえんなのかなと思います」と分析する。

 「千年に一人の美少女」のアイドル然とした橋本の転機となったのは、やはり映画『銀魂』でヒロイン・神楽を演じたことだろう。原作の神楽は『週刊ジャンプ』で初めてゲロを吐いたヒロインとのことで「ゲロイン」なる異名をつけられたのだが、橋本も原作並みに「白目で鼻をほじる」、「大食いして吐く」といったぶっ飛んだ演技を見せながらハードなワイヤーアクションもこなした。それまでの橋本はアイドルの枠を超えられず窮屈そうにも見えたが、この神楽役で一気に吹っ切れたようにも見えた。

 その後も映画『斉木楠雄のΨ難』、『十二人の死にたい子どもたち』、『キングダム』など次々と話題作に出演し、アイドル時代に“偶像”に徹したからこそ封印されていた橋本環奈の本来の人間的な魅力が作品に解放され、さらにバラエティ番組でも“ギャップ”となって活かされているのである。

 『銀魂』の監督・福田雄一氏の功績も大きいだろうが、橋本のブレイクは橋本自身の天性の勘のよさと努力の賜物であることは言うまでもない。しかも、「千年に一人の美少女」なのに気さくであり、地頭がいいという“ギャップ”は幅広い世代に受け入れられる橋本の素質ではないか。

 10代最後のおり、昨年のORICON NEWSのインタビューでは、「自分が想像している未来にはしたくない」、「型にはまる、予定調和な未来はいや」と語り、今年の20歳の誕生日には「この業界しか知らない、生きていけない人にはなりたくない」とも語っていた橋本環奈。今後、老若男女に好感度を上げながら、「千年に一人の美少女」が「千年に一人の女優」、「千年に一人のタレント」となる日もそう遠くはないだろう。
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