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救世主となるか?逆風受け開発されたJTの無煙たばこ「“産業”である以上、責任がある」

『改正健康増進法』の影響でECで好調、「“潮目”は来ている」

  • 『ゼロスタイル・スヌース・抹茶ラテ』

    『ゼロスタイル・スヌース・抹茶ラテ』

  • 『ゼロスタイル・スヌース・梅』

    『ゼロスタイル・スヌース・梅』

 そして現在。フレーバーやニコチン濃度の違う8種類の『スヌース』が市場に出た。2月には、新フレーバー『ゼロスタイル・スヌース・抹茶ラテ』『ゼロスタイル・スヌース・梅』も発売。全国約2,000店のたばこ専門店やプルームショップのほか、3月からスタートしたECショップ(CLUB JT)でも買うことができる。なかでもECでは、予想を大幅に上回る勢いで売れた。

 「『改正健康増進法』の流れもあったのでしょう。喫煙場所がどんどんなくなっている今、ニーズは高まっているはず。“潮目”は来ていると考えています」とは、マーケティンググループ商品企画部長の荒木隆史さんの談。ただ、コンビニ等には置かれていないため、普通のたばこに比べると目に入りにくい、手に入りにくいという課題もある。

 「コンビニに置いただけでは、『スヌース』の使い方がわからない方がほとんどだと思います。まずは、使用法の説明ができる専門性の高いところで対応していきますが、今後どう展開していくか悩んでいるところではあります」(荒木さん)

「“産業”である以上、業界全体を盛り上げていく責任がある」

 『改正健康増進法』が全面施行されて1週間。今後も、禁煙化への流れが留まることはないだろう。非喫煙者には歓迎すべきことであり、喫煙者にはルールに従った対応が求められる。だが、そんな時代が来たからこそ、地道に開発を続けた『スヌース』が日の目を見る時がやってきたのだ。JTにとっても、これが一つの活路となるのかもしれない。

 「昨今は、『たばこは体に悪い』『喫煙場所がない』『周りに迷惑をかける』など、マイナス方向に目が向いた時代が続き、それをゼロにするための商品を選ぶようになっています。でも本場スウェーデンでは、最初は規制から始まった『スヌース』も、今ではみんなが好きなブランドや味、自分なりの格好いい楽しみ方を選ぶ…というように、ゼロからプラスに移行している。日本市場でも“吸えないときに唇の裏に挟むたばこ”というコンセプトで、課題解消のための商品という位置づけで売っています。これが浸透していったその先、文化として、嗜好として、どう広がっていくのか。マイナスからのスタートだったとしても、ゼロになって、その先に何があるのかを追求していきたいと思います」(黒髪さん)

 「紙巻たばこの出現は転換点であり、その時代が長く続いてきました。そして規制が強化された現在、『スヌース』のような新しい存在が出てきた。たばこ業界にとって、また大きな歴史的転換点に来ているのかもしれません。ある意味、我々が携わっている仕事は、新しい文化を作り、育てることなのかなと思います」(古越さん)

 「弊社の社名には、“産業”という言葉が入っています。“産業”である以上、たばこ農家の皆さん、販売店の皆さん、業界全体を盛り上げていく責任がある。人口減少、喫煙者率低下と厳しい昨今ではありますが、実はメーカーとしては面白い時代になったのではないかと思っているんです。“みんなが吸う”のではなく“選んで吸う”というように、嗜好品を楽しむようになってきつつある。弊社でも行っているマナー活動、分煙活動などを通じて、たばこという文化もまた許容できる社会に、未来になればいいなと思います」(荒木さん)

 「規制が厳しくなった結果、様々な商品が世に出た。制限した結果、多様性が生まれた。転じて、我々にとっての“商機”になっているのかもしれない」と、荒木さんは前を見る。かつては、マリー・アントワネットも愛用していたという嗅ぎたばこ。規制というマイナスから生まれた『スヌース』が、今後どのようにプラスになるのか。転換点の“その先”を注視したい。

(文:衣輪晋一)
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