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『ONE PIECE』完結まで「あと5年」カウントダウンはじまる 編集担当を直撃

ちょうど尾田栄一郎氏が仕上げた原稿を持ち帰ってきた原作担当編集者が写真撮影に応じてくれた(撮影:長谷部英明) (C)ORICON NewS inc.

ちょうど尾田栄一郎氏が仕上げた原稿を持ち帰ってきた原作担当編集者が写真撮影に応じてくれた(撮影:長谷部英明) (C)ORICON NewS inc.

超重要な情報は漫画の中で知ってほしい

――そこまで内藤さんが「今」にこだわるのはなぜでしょうか?

内藤ひとつは、重要な情報をSNSを通じて不意に知ってしまうのを避けるためです。20年前ならともかく、今はSNSの時代ですから、どうしたって目に入ってきてしまう情報というのがある。この先『ONE PIECE』に出てくる超面白い展開や超重要な情報は、とにかく漫画の中で知ってほしいんです。だって自分が読者だったら、「〇〇〇が死んだ!」とか「ワンピースとは□□□だった!」みたいな事を、SNSで知ってしまったら絶対ガッカリするじゃないですか。そういう形ではなくて、漫画で読んで純度100パーセントの衝撃を皆さんに感じてほしいんです。

――完結してから一気に読んでももちろん面白いですが、一方で、リアルタイムで毎週・毎巻ハラハラしながら読む面白さもありますよね。

内藤はい。このクオリティと密度の週刊連載を22年間も続けている事自体がまずとんでもない事です。週ごとに絶対面白い物が載っていて翌週も楽しみなエンターテインメントって、世の中にそう多くないですよね。しかもそれを、尾田栄一郎という人間がほぼ一人で作っている。大げさな言い方じゃなく、尾田さんは本当に家にも帰らず、毎日3時間足らずの睡眠で暗い仕事場にこもり、今も『ONE PIECE』を描き続けている。編集者として言うなら、その努力はあらゆる漫画家さんの中でも尋常ではないレベルです。そういう分厚い物を20年以上積み重ねてきた結果が、累計4億5000万部という数字なんです。次の95巻で、それが4億6000万部に更新されます。もはや数字がでかすぎて誤差みたいなレベルに見えますけど、よくよく考えたら1000万部増えるだけでもとんでもない事で。

 単巻で見るなら、未だ新刊1冊につき300万部以上も発行されていますし、その初版300万部以上という数字は10年続いています。オリコンさん調べでは11年連続で年間売上1位を継続中ですが、コミックスの統計を取り始めたのが2008年からだそうですので、実際はもっと長い期間のはずです。浮き沈みもあるであろうエンタメ界でそのくらい途方もないムーブメントが、これだけ長い間続いているのは奇跡的な事だと言って良いでしょうし、その奇跡にオンタイムで立ち会えるのはすごくラッキーじゃないですか。今のこの状況が未来永劫続くわけではない。当たり前ですが『ONE PIECE』だって、いつかは終わります。だからこそ「今」皆さんに、その波に乗ってほしいんです。

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