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アイドルの夢を追うアラサー美女が“筋肉女子”になったワケ「グループの存続がかかってた」
(インタビュー・文/今井洋子 撮影/臼田洋一郎)
所属グループの存続を賭けてダイエットを決意
【くるみ】 高校卒業後、メイドカフェで働きながら、アイドルを目指して東京と地元の福岡を行き来する生活を送っていたんですが、20歳のとき「現実を見なきゃ」と思って、一度就職したんです。でも、やっぱり自分がやりたいのは人前で歌ったり、踊ったり、表現することなんだと思って。アパレルブランドで販売員として働きながらオーディションにチャレンジして、20代半ばでアイドルになりました。
――長年の夢だったとはいえ、20代半ばでアイドルになるのは、かなり勇気がいることだったのでは。
【くるみ】 そうですね。所属グループの中でも私は最年長でした。でも、私は往生際が悪いというか(笑)。自分で決めたことは、周りになんて思われても、やり抜きたいと思ったんです。
【くるみ】 若いメンバーに負けないように体力をつけたかったのもあるんですが、一番の目的はダイエットです。夕方から始まるライブの後に物販があるので、家に帰れるのは夜10時とか11時くらい。それから夜ご飯を食べたりするような不規則な生活のせいで、私を含めてメンバー全員、どんどん太っていって。事務所からも「今のままじゃ、仕事を与えたくても与えられない」って言われてしまったんです。
――グループとして危機的状況だったと。
【くるみ】 これで解散させられたらたまったものじゃないなと思って。私達に目を向けてもらうためは、なにかしらカタチにしてアピールしないといけないなと思ったんです。何が一番説得力があるだろうと考えたとき、リーダーでもある私がトレーニングで美ボディになって、ボディコンテストで1位をとるのが、一番わかりやすいかなと思って、一昨年の8月からパーソナルトレーニングに通い始めました。
初出場の大会で7位「悔しくて誰とも話さずに帰ってジムに行った」
【くるみ】 ジム通いをするようになって、1ヵ月後に開催された「SSA(サマースタイルアワード)×DREAM」のビューティーフィットネスモデル部門です。ステージに立った瞬間、審査員の目が私の方を向いていないのがわかるんですよ。結果は7位。私はアイドルも向いてないし、フィットネスも向いてないのかって思ったら、悔しくて悔しくて。誰とも話さず、さっさと荷物を片付けて家に帰り、その足でジムに行って走ってました。
――満足のいく結果が出せたのはいつでしたか?
【くるみ】 デビュー戦の3ヵ月後。2017年12月に行われたサマースタイルアワード「ノービス」ですね。水着選びからポージングまで万全の準備をして臨み、ビューティーフィットネスモデルのショート部門でグランプリを獲ることができました。
【くるみ】 筋肉がつきやすい体質なのか、全体にメリハリがでたけど、それまで着ていた服が入らなくなるくらい体が大きくなりましたね(笑)。
――ダイエットのためにトレーニングを始めたのに、それじゃ本末転倒のような…。
【くるみ】 自分でも(筋トレ)中毒なのはわかってるんですけど…。トレーナーにも「これ以上やるとホントにモテなくなるし、婚期も遅れるよ」って止められるんですけど(笑)、私は何事に対しても考え方がゼロか100かなので、ひとつのことにのめり込んじゃうと、ほかはもういいやって思っちゃうんです。
何歳になってもそのとき一番輝いている、カッコいい「大人女子」を目指したい
【くるみ】 体と一緒に心も鍛えられて気持ちがポジティブになったし、よかったなと思うことはたくさんあるけど、一番はやっぱりコンテストかな。努力だけではどうにもならないアイドルの世界と違って、コンテストは頑張ったぶん、ちゃんと評価してもらえる。アイドルとしてはコンプレックスだった筋肉質の脚さえプラスにできるところにも、すごくやりがいを感じます。
――ちなみに、美筋女子になってからのファンの方の反応は?
【くるみ】 ファンの方との交流のチェキ会に、今までずっと来てくれてた人が来なくなっちゃったり、推し変されることはけっこうありましたね。さびしいけど、新しくファンになってくださる方もいたので、その方達を大事にしようと思って。トレーニングは自分のためにやってるんだからって、言い聞かせているんですが、はっきり言って、男性受けはよくないです(笑)。
――最後に、今後の展望を教えてください。
【くるみ】 アイドルグループでの活動は昨年の9月に終了したのですが、これからは年齢を重ねても、そのとき一番輝いている、カッコいい「大人女子」を目指したい。そのためにも、トレーニングはずっと続けていきたいなと思っています。