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Keynoteの限界突破?資料作成ソフトで作る”元号ネタ”アニメにSNS騒然

 プレゼン資料作成ソフト「Keynote」の使用だけで、コマ送りのアニメーションを作ってしまった人の投稿がSNSで話題になった。題材は“元号に選ばれなかった候補たちが令和に復讐する話”や、“新紙幣に載りたい偉人たちが天国で血みどろバトルを繰り広げる話”など、どこかシュールなものばかり。ただ「かっこいいアニメつくりてー」という思いだけを胸に、作者であるクリエイターの栗林和明さんがかけた総制作時間は、なんと28時間越え。コマ送りの作業をコツコツ続けていったという。栗林さんに制作のきっかけやアイデアの生み出し方を聞いた。

Keynoteの限界に挑み、休日返上も「後悔はない」

 コマ送りで繊細に動くアニメーションには、さぞかし複雑なテクニックが駆使されているのかと思いきや、栗林さんの制作方法はかなり古典的だ。Keynoteでひたすらスライドを作り、それをつなげていく。元ツイートの動画を見ると、画面の左側ではスライドが爆速で“改ページ”されていくのが見てとれる。Twitterへの投稿作品で特に反響が多かったのは、「元号に選ばれなかった候補たちが令和に復讐する話」と「紙幣に載りたい偉人たちが天国で血みどろバトルをする話(紙幣戦争)」。これらのネタはどのように考えられていったのか。

――なぜKeynoteでアニメーションを作ろうと思ったのですか?
栗林和明さんずっとアニメを作ってみたい、物語を作ってみたいという思いはあったのですが、なかなか専門的な技術を磨く時間が取れなくて、諦めていました。しかしある日、使い慣れているKeynoteでもゆるいものなら作れるんじゃないか?と思いついたんです。やればやるほどハマっていって、限界にチャレンジしたくなりました。

――GW中に制作に挑戦され、貴重なお休みをスライド作成に費やしたとか。完成までにどのぐらい時間がかかりましたか?
栗林和明さん「元号に選ばれなかった候補たちが令和に復讐する話」は12時間、「紙幣戦争」は16時間くらいですね。GWじゃないとまとまった時間が取れなかったのですが、やりきってみて分かることがたくさんあったので、後悔はありません(笑)。

――アイデアやストーリーは、どのように思いついたのでしょうか?
栗林和明さん元号の話は、アニメの『化物語』のような演出をKeynoteで作れるかやってみようという思いで始めて、「だとしたら敵が必要だ、元号落ちした候補と戦わせよう」という発想で生まれました。紙幣戦争は、中学時代に帰り道でよくしていた妄想がもとになっています。紙幣デザイン変更のニュースがあったときにちょうどいいなと思って作りました。

アイデアの源はSNS、「何がおもしろいのか、とことん分析しまくる」

――制作が難しかったところ、こだわったところは?
栗林和明さん元号の話は、パロディ元のアニメ(『化物語』)から、いかに重要な要素を抽出して、デフォルメした上で状況や動作を伝えることが大変でした。基本的には全てKeynoteに初期搭載されているアイコンデザインだけを使うと決め、それを駆使してトンネルや道、教室、学校を作りました。紙幣戦争はオリジナルストーリーへの挑戦でもあったのですが、デザインや映像のトーン&マナーを作るのにかなり時間がかかりました。ストーリー、セリフ作り、音楽探し、演出など、何から何までゼロからやっていたので、作業自体は苦戦しましたね。どうしても物語の説明文字が多くなってしまうので、どれだけテンポよく文字を視認させられるかが大きな挑戦でした。何度も実験を繰り返してギリギリの調整をしました。

――Twitterで印象に残っているコメントは? その理由も教えてください。
栗林和明さん「どうやって作るかじゃなくて、何を作るかが大事なんだな」「Keynoteでできるんだったら、自分でもできるかもしれない」といったコメントをたくさんいただいたのですが、それが一番嬉しかったです。この映像の裏目的が、「制限された中での表現の可能性を証明する」ということだったので、それができたかもな、と。

――栗林さんのアイデアの源となっているものは何ですか?
栗林和明さん主にSNSです。面白い情報を発信してくれる人をどんどんフォローするようにしています。タイムラインから面白いと思ったものをバンバン保存して、それを一気に閲覧し、それぞれ“何が面白いのか”を分析しまくるんです。きちんと分析した上で、自分が根っこから表現してみたいことを重ね合わせ、自分が一番テンションが上がりそうなものを作っています。

――今後の展望をお聞かせください。
栗林和明さんまずはKeynoteの限界に挑んでみようかなぁと(笑)。実際に作るのは、あと2、3作品かもしれません。次はちゃんとアニメーションソフトを学んで、頭の中にある世界を表現したいです。次は「ひらがなの天下一武闘会」を作りたいと思っています。
(文:高橋七重)
PROFILE/栗林和明
1987年生まれ。10万本を超える映像の分析を基にして、番組や空間、商品、レーベル、ボードゲームなどを企画。JAAAクリエイターオブザイヤー最年少メダリスト。米誌Ad Age「40 under 40(世界で活躍する40歳以下の40人)」で、アジアから唯一の選出。Twitter :@kri1226(外部サイト)

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