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虐待、喫煙、社畜…雄弁すぎるイラストが若者に人気、110万フォロワー抱える“アボガド6”とは?

 独特の世界観によって描かれたイラストで、多くの若者から絶大な支持を得る“アボガド6”(アボガドロク)。Twitterのフォロワーは、実に110万人超。作品が発表されるたびに、数万から10万以上の“いいね”を集めている。

ニコ動で活動開始、“化学が好きな一般人”という謎のクリエイター

 アボガド6の作品の多くは、社会風刺的であり、独特でスタイリッシュなイラスト。人間の心の闇や世間にはびこる問題を独自の視点で切り取り、1枚絵にして見せている。Twitterでは、「言葉無きイラストが持つ力を思い知らされる」「絵も意味も深いから好き」「メッセージ性がすごい」と、作品に圧倒されたというコメントが多数。数文字のタイトルのみで一切説明はないが、雄弁すぎるイラストが若者を中心に多くのユーザーから支持されているのだ。

 アボガド6は、2011年から活動を開始し、ニコニコ動画を中心に楽曲への映像提供を行ってきた。映像のほかにイラストや漫画の制作を行い、漫画作品『やさしさいっぱいの土の上で』や、イラスト作品集『剥製』(ともにKADOKAWA刊)などを発表。ホームページのほかTwitterでも作品を公開しているが、プロフィールには“化学が好きな一般人です”といった情報しかなく、謎の多いクリエイターである。今年1月には、シンガー・ソングライターの須田景凪の1st EP「teeter」に収録されている楽曲のミュージックビデオを制作したことを発表。須田景凪は、代表曲「シャルル」を生み出したボカロP・バルーンとしても活躍し、注目の存在だ。

児童虐待に喫煙問題、社畜…コメント欄はユーザーの議論の場に

 そんなアボガド6の作品の中でもとくに注目したいのは、まさに“今”起こっている社会問題などが織り込まれていること。最近の児童虐待やネグレクトを風刺したような作品『いってきます』では、散らかった部屋で眠る母親を後に、1人登校しようとするランドセル姿の少年が描かれている。子どもの頬には、虐待の跡とも思われるガーゼ。これを見たTwitterユーザーは、「見た瞬間に涙があふれた」「同じ境遇の子がたくさんいるのかもと思うと切ない」「ほんとに、今の日本ですね」など、多くのコメントを残した。また、同様に『生まれてごめんね』は、パックの卵から孵化してしまったヒヨコと人間を描いたイラスト。「最近多い、事件の子どもの気持ちだね」「生まれてきて悪い命とは何なのか?」などの声が寄せられた。

 ほか、顔を覆うドーム内で喫煙する『分煙』には、コメント欄がユーザーたちが喫煙者に対する意見を述べ合う場に。サラリーマンのようなスーツ姿の電球人間たちを描いた『イルミネーション』(切れかけの電球人間を周りが支える)には、「ブラック企業みたい」「連帯責任か」「夜景が綺麗に見えるのは社畜がいるから」と、イラストに込められた風刺に、それぞれが思いを馳せていた。

面白ネタ多いSNSで、考えさせる作品でバズる特異な存在

 アボガド6のイラストには、ほかにも孤独や死、いびつな人間関係を扱った作品が多い。中にはほのぼのとした内容も挟まれるが、なにがしかのメッセージが込められていることは変わらない。ときおり漫画作品も発表されていて、子ども(実はロボット)と犬の切ない交流を描く『無臭』という連作には、13万超のいいねが付いた。

 TwitterなどのSNSでは、一般ユーザーが作品や写真を投稿し、それがバズることも多い。だがそういった作品は、得てして「面白い!」「すごい!」といった反応を集めていることが多いのではないかと思う。対してアボガド6の作品は、描かれた人物は今どきっぽく可愛らしいのに、ユーザーの心を深くえぐったり、気づかせたり、考えさせたりしている点が特異であろう。毎月25本以上のイラストを発表しているだけに、アボガド6がどんな事柄をテーマに描いていくのか、今後も目が離せない。

★漫画作品『無臭』続き
  • イラスト集『剥製』

    イラスト集『剥製』

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