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「アイドル運営」も“低年齢化”? 適切な距離感を運営サイドに聞いた

アイドルグループ『純粋カフェ・ラッテ』

アイドルグループ『純粋カフェ・ラッテ』

  • NGT48・山口真帆(C)ORICON NewS inc.

    NGT48・山口真帆(C)ORICON NewS inc.

先ごろ、新潟市を拠点とするアイドルグループ『NGT48』の山口真帆暴行事件が明るみとなり、改めてアイドルグループとファンとの距離感、そして運営の在り方が話題となっている。そこで、女性アイドルの運営について、「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」に結成僅か4ヵ月で出演したアイドルグループ『純粋カフェ・ラッテ』の運営担当者・岩渕氏にインタビューを実施。女性グループをまとめることの難しさ、“接触商法”におけるファンとの適切な距離感など、アイドル運営の舞台裏を聞いた。

元ミュージシャンや大学生が運営に参加?「女の子さえ集められれば誰でも運営になれる」

 いま、日本には地下アイドルを含めれば5,000組以上のグループが活動していると言われ、誰でも“アイドルと名乗れる”時代となった。ではアイドルグループの運営者になることは難しいのだろうか。その点について岩渕氏は「女の子さえ集めればできてしまうのがライブアイドルの運営です」と率直に語った。

 ただ、そこにはいくつかのハードルがある。「アイドルグループで何が一番大変なのかと言えば、女の子を集めること」だと岩渕氏は強調する。そのこともあってか、いま地下アイドルの運営は“ミュージシャン”の人が多いのだそう。

「音楽畑の方、例えば元ミュージシャンの方でしたら現役時代からの発信力がありますので募集情報を届けやすいかもしれません。また、自分たちが活動していたライブハウスや業界関係者との繋がりをプロモーションなどに有効に使えたり、楽曲を自分たちでイメージ通りに制作出来ることも強みだと思います」と岩渕氏。続けて、「ミュージシャンとしてのスキルを、それまでとはまったく違うアイドルというジャンルの中でどれだけ通用するかチャレンジされている方もいると思います」と、地下アイドル運営の一端を教えてくれた。さらに、地下アイドル運営の低年齢化も顕著なのだという。

 「ライブアイドルでも勢いあるところは20代が運営してることが多いですね。大学生とかも全然普通にいます。同世代の女の子の気持ちが分かるし、女の子たちも運営と接しやすいという利点もあるようです」(岩渕氏)

「トップアイドルになりたい」という思いを利用して儲ける悪徳な運営者も

 こうした低年齢化からも分かる通り、アイドル運営は比較的自転車操業がしやすい業態になっていると岩渕氏は指摘。その要因として「元手がなくても、チェキ撮影などの物販販売で現金が手に入るからです」と説明する。例えばチェキ1枚が1000円とした場合、ファン10人で、1人が2枚撮ったら2万円の収入となる。単純に考えて2、3時間のイベントで日給にしたら2万円。「運営が1人か2人なら、イベントの数をこなせば十分に食べていける」のだそう。では、その場合アイドルたちの取り分はどうなっているのか。

「各事務所でルールは違いますが、普通はバック率がちゃんと決まっていると思います。反面、女の子の取り分がない場合もあるとも聞きます。売り上げがあっても、『レッスン費として差し引きます』『楽曲制作費にします』『衣装費にあてます』などの理由をつけて給料を支払わない。そうした金銭面の問題も、ライブアイドルたちを疲弊させるひとつの要因になっていると思います」

 岩渕氏は、「正直なところ、女の子を“金儲けの道具”として割り切れば、ライブアイドルの運営はランニングコスト10万〜20万もあれば回せてしまいます。その為、女の子たちの“トップアイドルになりたい”という思いを利用して運営だけが儲けている問題も多いようです」と、運営の在り方に警鐘を鳴らしている。

アイドルと運営は競馬の競争馬と騎手の関係に近い「なるべく気持ちよく走らせてあげたい」

 一方、地下アイドルの運営は少人数でも回せるが、女性アイドルをまとめるには相当の苦労があるという。

「アイドルを目指すような女の子は“承認欲求”が強いわけですから、その点を満足させるのは大変です」と苦笑する。また、昨今はTwitterなどによる炎上のリスクもあるのだが、SNSを使った自己発信をやめさせることはできないと岩渕氏は強調する。なぜなら、「今やSNSを使ったセルフプロデュースは当たり前。他のアイドルはみんなやっているのだから、やらないとマイナスになってしまう。仮に運営が禁止したとしても、目の届かない形で個人的に発信できてしまう。だから、運営とアイドルの間には信頼が必要ですし、それが壊れたらグループとして崩壊するしかない」と説明する。

 「私は、アイドルと運営は競馬の競争馬と騎手の関係に近いと思っています。あくまで主役は競争馬であり、我々は走る競争馬の邪魔をせず、彼女たちが走りやすいように環境を整える。時には手綱を締めることもありますが、なるべく気持ちよく走らせてあげたい。それが運営の仕事だと思っています」

 岩渕氏は、今こそアイドルと運営の間には“原始的な信頼関係”が必要だと話す。だが、運営側が配慮していても、どうしても落とし穴は存在するようだ。

 それは、“会いに行けるアイドル”ゆえのファンとの距離感だ。「『純粋カフェ・ラッテ』はまだ規模も小さいため、イベントでも目が行き届きますが、メジャーグループの大きなイベントともなれば、握手会などでファンに何を言われているかは分からないのでは」と危惧する。

 実際、AKBグループなどは握手会などの接触商法が負荷になっている点も伺える。先日、元AKB48の西野未姫が『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演した際、「握手会が大嫌いだった」と告白。「疲れて対応が適当になった時に、ファンから『ダメだよ』と言われ口答えしてしまった」と、握手会の舞台裏を明かし話題となった。

 また、元乃木坂・生駒里奈もアンチからの罵詈雑言などに悩んでいたとされ「握手会」も休みがちだった。公式ブログで生駒は「握手会、欠席してしまいすみませんでした。 皆さんの優しさや、期待に応えられる状態ではなかったのです」とコメント。さらに「アイドルだけど、根っこは普通の人なんだ」と苦しい胸のうちを明かしたことも。

「プロデューサーの言うことを聞け!」と言ってついてくる時代ではない

 上記のように、アイドルとファンとの距離感は難しく、傍から見て悪意がなくても、女の子は傷ついたり、それが積み重なってしまうことはあるのだという。「週に2回3回ライブがあるから、会おうと思えばほぼ毎日会える。でも、毎日顔を合わせてたら、お互い嫌なところも見えてくる。ファンからしたら『ずっと応援してるのになんで上手にならないんだろう』と思って、つい本人に一言いいたくなる。ただ、ファンに言われる一言は意外と重たい。それが愛情のある言葉だったとしても」

 アイドル、ファンとの適切な距離が必要になる運営という仕事。アイドルの運営として一番気をつけることは何かを岩渕氏に聞くと、「女の子に押し付けないこと」だと即答した。

「私も40代なので、10代の女の子に言われてムカッと来る瞬間もありますが、それも自分のエゴだと思うので、我慢強さが求められます。今の時代は自分の考えを押し付けても良いことはひとつもない。もう、『プロデューサーの言うことを聞け!』と言ってついてくる時代ではないんですね。『純粋カフェ・ラッテ』のメンバーは、疑問があれば『なんでですか?』って聞いてくれるからある意味恵まれていると思います。運営に聞かないで、『もうやってられない!』と爆発されるのが一番きついですから」(岩渕氏)
純粋カフェ・ラッテ
2017年3月デビューの7人組アイドルユニット。キャッチフレーズは「笑顔であなたをおもてなし」。メンバーそれぞれが毎日SHOWROOM配信中。1stワンマンライブを2019年3月9日(土)吉祥寺スターパインズカフェにて開催予定。
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