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フード、ライフスタイル、芸能界…日本人が“端っこ”が好きなワケ
お菓子のみみ、メロンパンの皮…食の分野で話題になった“端っこ”たち
この“食べ物の端っこが好き”現象は何もいまに始まったことではなく、いままでにも様々な“端”が商品化されてきた。たとえば、江崎グリコの『カプリコのあたま』や、山崎製パンの『メロンパンの皮だけ焼いちゃいました』など。2014年に発売された『メロンパンの皮だけ焼いちゃいました』は、もともとは女性社員の「メロンパンは皮がおいしい」という言葉から、思い切って皮のみの商品を発売。当初、近畿エリア限定で発売したところ、すぐにツイッターで「夢のようなメロンパンが誕生した」と話題に。全国発売へと発展したのは言うまでもなく、翌年には改良を加えた『メロンパンの皮焼いちゃいました2』も発売されることとなった。
真ん中より“端”へ 日常生活の中にある日本人特有の“端っこ”文化
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「隅に行くことによって、真ん中にいるときよりも全体を見渡せる位置になり、周りを客観視できるようになります。日本人は周りに合わせる傾向があるので、隅から全体を把握し、それに合わせるのが昔からの体質だそうです」
たしかに日本人は、外国人に比べて周りに合わせがちなところがある。状況を把握して動くことができるから、「落ち着く」という心理に結びつくのかもしれない。
芸能界でも人気の独自の存在 自分が見つけた“ダイヤモンドの原石”
自分だけが知っている逸材を見つけたいという気持ちから、地下アイドルの応援をする熱心なファンも多い。また、2018年に大ヒットした映画『カメラを止めるな!』も、ある意味“隙間”から生まれた名作といえるかもしれない。SNSなどの口コミでジワジワと認知度を上げ、結果的には国内だけでなく海外の映画賞も受賞までの作品になった。
食、ライフスタイル、芸能界…いろいろな場面で日本人が好む“端っこ”。パーソナルスペースの確保をし、落ち着いた気持ちになるからこそ全体を見ることができる。そして、全体を客観視できるからこそまた、ニッチな商品を作り出すのもうまいのではないだろうか。
(文/辻内史佳)