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“薄幸枠”を独占する木村多江 他のアラフォー女優と一線を画す独自のポジション
薄幸役の向こう側に禁断の“エロス”を感じ取る男性視聴者
また、ドラマ『白い巨塔』(フジテレビ系/2003年)では、製薬会社の社員を演じるも、ガンの全身転移により間もなく死亡。ドラマ『カレ、夫、男友達』(NHK総合/2011年)では、DV夫にマヨネーズをかけられる始末。その他、映画『ゼロの焦点』(2009年)では売春婦だった過去も持つ未亡人など、その不幸ぶりのバリエーションが豊富なところは、さすが“日本一の薄幸美女”の面目躍如といったところだろう。
「ただ私は、木村さんの魅力は薄幸役だけにあるとは思いません。映画『東京島』では、無人島で女性ひとりになっても、20人もの若い男を“性”を武器に手玉に取って、生き残っていく“悪女”役を演じています。過去には写真集などで、壇蜜さんばりのセクシーグラビアも披露していて、これがまたグッとくるんです(笑)。男性の多くは、木村さんの演技の向こうに禁断の“エロス”も感じ取ってるのではないでしょうか」(ドラマ制作会社スタッフ)
“強い”アラフォー女優が多いなか、真逆の“薄幸”枠で独壇場
現在、芸能界には“アラフォー女優”が多く活躍しているが、なかでも勢いのある吉田羊は、CMでは煮え切らない男に「意気地なし!」と吐き捨て、篠原涼子は仕事も恋愛も勢いのまま、バリバリとこなしていく。天海祐希にいたっては、男を寄せつけない“威厳”さえ漂わせている。
そんな強い女性ばかりのアラフォー女優界で、“薄幸”をウリにする木村多江の立ち位置は非常に珍しく、唯一無二の存在と言ってもいいだろう。もともと男性には“幸が薄い”女性を守りたいという本能があるとも言うが、木村の演技にあざとさがないぶん、より自然な形で、観る者も木村の役柄に感情移入できるのだ。今のところ“薄幸女優枠”では独壇場の木村多江だが、今後はそのストイックな役作りに磨きをかけて、さらに凄味のある演技を見せてもらいたい。