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“即興ソング”で話題の眉村ちあき、地下アイドル時代の苦悩が飛躍の原動力

眉村ちあきインタビュー

 “弾き語りトラックメイカーアイドル”を名乗り、『ゴッドタン』(テレビ東京)で、“即興ソング”を披露し話題となった眉村ちあき。そのパフォーマンスがきっかけでトイズファクトリーと契約。自由奔放なキャラクター、ハイレベルの歌唱力、作詞・作曲・編曲・トラックメイクを1人で手掛ける独創的な楽曲が相まって、熱量の高いファンが急増中。現在22歳にして、自ら設立した「(株)会社じゃないもん」の社長も務める。来年1月には、初の全国流通盤『ぎっしり歯ぐき』が発売されることが決まった。歌手になろうと思ったきっかけや、『ゴッドタン』出演の反響、地下アイドルグループ時代の苦悩を聞いた。

即興ソングは得意じゃないが、「出来ない人がわからない」

――即興ソングは前々からやっていたんですか?
眉村ちあきやってました! 最初はツーマンライブで相手の子がピアノを弾いて、私が適当に歌ったのが好評で「できるじゃん!」と。次から自分でギターを弾いて、そのとき思っていることを歌にしました。

――「実は得意でない」とも発言してますね。
眉村ちあき全然得意じゃないです。もっとできる人はいると思いますよ。みんなが「すごい」と言ってくれるのが不思議。

――『ゴッドタン』に初出演したときは“ゲロ”というお題を出され、「ゲロ それはあなたの今日1日頑張った証〜」とエモい曲になりました。
眉村ちあき適当にやっただけです。私は即興ソングが出来ない人がわからないんですよ。普通にやってることなので。それを『ゴッドタン』のプロデューサーの佐久間(宣行)さんに話したら、バカリズムさんも同じことを言ってたそうです。「大喜利が出来ない人がわからない」って。

――『ゴッドタン』出演の反響は大きかったですか?
眉村ちあき「テレビってすげー」と思いました。ツイッターのフォロワーが1000人くらい増えて、ライブに来てくれるお客さんも6人増えました(笑)。

 音楽制作ソフトで楽曲作りを始めて、まだ2年半。「東京留守番電話ップ」では“うんこ”を連発したりもしているが、コミックソングではなく“働くことを覚えたフリして東京に染まる”などのフレーズも。

――深い詞には自分の心の声も入っているんですか?
眉村ちあき全然何も考えてません。音優先で、ア、イ、ウとか母音に当てはまる言葉をピッと入れてるだけ。聴く人が勝手にストーリーを作ってくれて、私は何も考えてなさすぎて申し訳ないです(笑)。

――「MCマユムラ」では“おしゃれな音楽作りてえ”と歌ってますが、そういう曲を作ろうとすることも?
眉村ちあきあります。「米津玄師さんみたいな曲を作りたい」とか。でも、全然できない(笑)。「JDにウケそうな曲調にしたい」とかイメージはあっても、どこか踏み外してしまうんですよね(笑)。

歌手を目指すきっかけは、「BoAの様な強い女性になりたいと思った」から

 歌うのは小さい頃から好きだったという。沖縄出身の父親が家で流していた沖縄民謡を聴いて、踊りながら歌っていた。保育園のお遊戯会の劇中で初めて人前で歌ったが、学校では合唱コンクールのみ。J-POPは「給食の時間に流れる曲を聴くくらい」だったとか。

――ギターも楽曲制作と並行して始めて、すぐ弾けるようになったとか。
眉村ちあきYouTubeとかを観て、2日で弾けるようになりました。

――音楽に関することはすぐできるようになっちゃうんですね。
眉村ちあき私は運動神経が良いからだと思います。背面キャッチも見よう見まねでできたし、空中逆上がりもできるし。頭で想像したことは体ですぐできます。音楽もそうかも。想像した声を出せて、ギターも想像通りにピッと弾ける。でも、ラップはエミネムをマネっこしました(笑)。

――そもそも歌手になることも、高3で思い立ったそうで。
眉村ちあきそうです。ママに勧められた看護学校に行こうと思っていて、願書を出そうとした瞬間、「やっぱりイヤだな」って。私は看護師を真剣に目指す気はなかったので。かと言って何かになりたいわけでもなかったんですけど、ある日突然「私はBoAになろう!」と思いました。

――なぜBoAさん?
眉村ちあき韓国から来て頑張ってる姿が素敵だったし、普通に歌もカッコイイし、強い女性になりたいと思いました。

地下アイドル時代の苦悩「ライブも楽しくなくて、ずっと苦しかった」

 そして音楽学校に入学した彼女は、3人組のアイドルグループとして活動を始めた。しかし地下アイドルの域は出ず、ライブ動員も芳しくないまま、1年ほどで解散。不本意な時代だったようだが、その反動が今の活躍に至る原動力にもなった。

――アイドルに興味はあったんですか?
眉村ちあき全然ありました。歌って踊れるし、「最初は1人だと大変だからグループでやろう」と言われて、「いろいろ学ぼう」と思って入りました。

――学べたことはありました?
眉村ちあき大人の言うことは間違ってるかもしれない……と学びました(笑)。他には何もないです。「こういう曲は歌いたくない」と思ったし、ライブも楽しくなくて、ずっと苦しかったです。

――普通にアイドルソングを歌っていて?
眉村ちあきアイドルソングも素敵だと思いますけど、「これを歌うなら、もっと良いやり方があるのに」みたいな。盛り上げようと思って客席に降りて「ウェーイ!」とやったら、「1人だけ目立とうとしないで!」と言われました。意見を出しても却下されるし、「私はここではやっていけないな」と思いました。

――それでソロ志向に?
眉村ちあきやりたいことが溜まっていたので、1人になったら全部ボッカーンとできて楽しくて。グループだと「こういう流れで」とかあるけど、1人なら勝手に変えられる。お客さんにハゲがいたら頭を撫でられるし、デブがいたらお腹を揉める(笑)。

――だけど、いわゆるアイドルらしからぬ曲を歌う今も“アイドル”を名乗るのは、ギャップ狙いですか?
眉村ちあきそんなことは全然ないです。アイドル畑で育ってきて、アイドルに誇りを持ってます。一番正統派だと思いますよ。私はライブでみんなをハッピーにさせる力があって、そこがアイドルの根本だから、正統派です!

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