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ORICON NEWS
“王道アイドル”渡辺麻友が明かす苦悩と孤独「主演の器じゃない」
不幸シーンのオンパレードのヤバいドラマです
渡辺麻友恋人だったミュージカル女優を殺した兄が出所して、ひかりと15年ぶりに再会したら、「実は兄は真犯人じゃなかった」…というところから始まって、さらに悲劇の連続でいろいろな出来事が起きていきます。どんどん重要人物が出てきて、「この人、怪しくない?」と思いながら見ていただけたら面白いと思います。
渡辺麻友元々は天真爛漫でミュージカルが大好きな少女だったのですが、兄の事件で人生が大きく変わってしまった女性です。そんな中でも唯一の生き甲斐であるミュージカルはずっと大事にしていて、それがあったからこそ生き続けられているので、自分が演じていく上でもミュージカルへの愛とか気持ちは大事にしながら演じています。
――プロデューサーのコメントでは「とことん渡辺さん(ひかり)を追い詰めていく」とありましたが、どんな風に追い詰められていくのでしょうか?
渡辺麻友「またこんなかわいそうな状況に」とか、「うわ苦しい!」とかそういった不幸シーンのオンパレードで、何かしら苦しんでいたり泣いていたり嘆いたり怒ったりしています。そんな風に、“台本上で”とことん追い詰められています。スタッフさんたちはみなさん優しいです(笑)。
「なんで私ばっかりこんな目に…!」にシンクロ? “闇”の一面を発揮
渡辺麻友殺人犯の妹という状況がかなり特殊なので、そこに対しての共感は難しいです。でも、ひかりが本音をぶちまけるシーンがあって、そのセリフはすごく共感できました。お金を稼ぐためにキャバクラで働くひかりが同僚の女の子にいじわるをされて、「私はこの15年間誰の力も借りずに生きてきたんだ!たった一人で」と言い返すんです。置かれている状況は全然違いますけど、私も人に頼らずに生きてきたという想いがあります。クランクインの日にその撮影があったので、役への気持ちが入りやすかったです。「何で私ばっかりこんな目に合わなきゃいけないんだよ」みたいなセリフも私自身とシンクロしていました(笑)。
――“キャバクラ嬢のまゆゆ”も見どころのひとつじゃないかと思います。演じるにあたって役作りで大変だった部分は?
渡辺麻友“THEキャバクラ嬢”という感じのゴリゴリな感じではありません。普段のひかりは地味で目立たないように生きようとしているのですが、キャバクラのときは髪の毛を巻いたり、普段よりもメイクを濃くしたりとか“ちょっとだけ派手になる”感じで。キャバクラはお金を稼ぐために出向いている場所なので、ひかりは、一応それっぽく振る舞うけど心ここにあらずです。私自身もキャバクラ嬢の役は慣れていない感じが逆に活かせているんじゃないか、と思います。
渡辺麻友そうですね。基本ひかりはすごく暗いというか闇の中で生きていて、テンションが上がることもないんですけど、“素の私”もそっち寄りです。世間的には“アイドルまゆゆ”のイメージもあるかもしれませんが、「こんな暗い、闇っぽい一面も持ち合わせています」ということを知っていただけたらと思います。まだ客観的に作品も役柄も見られてはいないのですが、役柄も自分自身も追い詰められて、展開も含めて面白いんじゃなかろうか、と(笑)。世間の皆様にも「土曜の夜にヤバいドラマやっている」みたいな感じでちょっとバズったらうれしいですね。
「難しくて苦しい」芝居のお仕事を、楽しめるようになってきた
渡辺麻友私は全く主演の器じゃないので、すみません。ですが、主演はありがたいので頑張って務めさせていただいております。でも、今回は最初に監督さんと話した時に「そんな気負わず、気楽にやってください」と言われました。今まで気負ってばかりの人生で相当行き詰ってたので、今作をきっかけに少し気楽にやってみようと思えています。
――では、今までよりは明るい気持ちで取り組めているんですね。
渡辺麻友そういうわけでもなくて…。私個人としてのテンションが、演技に出ちゃっても困りますから。お芝居は内側からにじみ出るものがあると思うので、あえてテンションが下がるようなことを考えたり、自分を追い込んでいます。
――心のコントロールをしないといけない大変なお仕事ですよね。芝居が好きと過去も言っていますが、お芝居が好きだと目覚めたきっかけは?
渡辺麻友純粋に「好き」ということではなくて…。「(芝居を)好きだな。楽しいな」って初めて思えたのが去年の春に放送されたドラマ『サヨナラ、えなりくん』(テレビ朝日系)でした。それまでお芝居は正直好きじゃないし、楽しくないし苦しいことばっかりで。演じていても「何でこんなに難しくて苦しんだ」と思いながらやっていたのですが、その作品から、ちょっと希望の光が見えるというか、楽しいって思える瞬間があって…。それがもっと増えたらいいなという望みを持ちながらやっています。とにかく心から女優のお仕事を楽しめる取り組み方をこれから見つけていきたいです。
主演の器ではない、でも挑戦は続けたい
渡辺麻友強みは何もなくて…。主役の器じゃないし、本当に根性も勇気も度胸もなくて困っています。女優として本当に課題が山積みですが、まずは自己解放していけたらいいなって思います。そこが一番の大きな課題です。
――それでも女優のお仕事に挑戦するわけですね。それは“努力の過程”を見せてきたアイドル時代に培った精神性に通ずるものがありますね。
渡辺麻友 そういわれるとそうかもしれません。頑張りたい思いはあります。
――先程、「私も人に頼らずに生きてきた」とおっしゃってましたが、アイドルは孤独の中で“演じていた”部分もあるんでしょうか?
渡辺麻友いつも一人で、生きていて孤独ばかり感じています。アイドル時代は、望まれている姿や、ファンの方の理想に寄せていたかもしれません。
――その経験が女優のお仕事にも生きているわけですね。
渡辺麻友だといいんですけどね(笑)。お芝居に限らず、人に接するのが私にとってハードルが高いです。女優は、こんな人間が簡単にできる仕事じゃないと思っています。でも、これからしっかり自分を見つめて、考えて、挑戦していきたいです。
(写真/TAKU KATAYAMA)
■オトナの土ドラ「いつかこの雨がやむ日まで」
8月4日スタート 毎週土曜日23時40分〜24時35分
※初回(8月4日)は、23時45分〜24時40分
北園ひかり(渡辺麻友)はミュージカル女優を夢見て、谷川和也は家業である料理人になることを夢にしていた。そんな中、とあるミュージカル劇団の女優が殺害される。殺人犯として逮捕されたのはひかりの兄。ひかりは“加害者の妹”に、和也は“事件の目撃者”になった。15年後――事件以降、殺人者の妹として、幸せになることを諦めて生きていた。出所直後に決別を告げに行くと、兄は無実を主張する。そんな中、幼馴染の和也と再会する。
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