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なぜ人気?いわさき“食品サンプル”カレンダー、担当明かす「60年“技術”の変遷」

 日本が世界に誇る技術のひとつに“食品サンプル”がある。創業87年の歴史を持つ食品サンプルメーカーの「いわさき」。同社が発売するカレンダーが「クオリティがハンパない」「やばい! おいしそうすぎて欲しい」とネットで話題を集めている。これまでお得意先向けに配布していたカレンダーを、2017年から一般向けに販売した理由とは。同社に聞いた。

カレンダー誕生は昭和30年 お得意様へ感謝を伝えるツールだった

――当初はお得意様向けに作られていたそうですが、いつ頃から配られていたのですか?

昭和30年(1955年)です。当初は、食品サンプルのエビと鯛を手描きしたイラストに日付を入れたものを、ガリ版印刷したものでした。その後、時代とともに食品サンプルの作品を撮影した写真カレンダーに変わりました。

――配布の方法はどのような形ですか?

お得意様に手渡ししています。日頃の感謝を込めて、年末に営業員が一軒ずつお店を回ってカレンダーをお渡しすることは、「いわさき」の伝統となっています。

――時代によって、カレンダーに掲載するメニューに変化はあるのでしょうか?

営業員や製作員、デザイナーでアイデアを出し合い、毎年新しいテーマに取り組んでいます。昭和の頃は、歳時や季節感のある料理を中心に作られていましたが、1990年代は「おもしろアイデア作品」や「トリックアート」等の遊びの要素が強い物を取り入れています。2000年代は「あつあつHOTグルメ」「麺シリーズ」「ごはんシリーズ」など、料理の表現にこだわった料理が多いですね。オリンピックイヤーにはこれまでの開催地をイメージした「世界の料理特集」などもありました。
――近年のカレンダーの特徴はありますか?

2015年〜17年の3年間は、ホームページと連動させ、「どっちが食品サンプル?」というテーマで、実物料理との比較を実施しました。食品サンプルはお客様の食欲を喚起するため実際の料理より色鮮やかに製作するため、ふだんは良い意味でのデフォルメを加えることを意識しています。そのためリアルな料理に近づけるのは冒険的な挑戦でしたが、本物に匹敵するレベルの超リアルな作品が数多く作られました。

――2017年に一般発売された2018年度版は、どのようなテーマだったのですか?

「平成あるあるグルメ探訪記」と銘打ち、平成30年間の食の流行シーンを彩った料理を、食品サンプルで表現しました。

商品化のきっかけはSNS 数量限定の2018年度版は完売

――そもそも、2017年より一般販売をスタートされたきっかけは?

ここ数年の間にいわさきでもSNSで情報発信を行うようになり、カレンダーへの取り組みを紹介したり、メディアに取り上げていただくようになりました。カレンダーの存在を知った一般の方からも「欲しい!」というお声を多くいただくようになったことが、発売のきっかけです。

――実際に発売して、反響はいかがでしたか?

2018年度版を実験的に数量限定でオンライン発売したところ、完売。多くの方からご好評をいただいたので、2019年度版も販売の運びとなりました。

――購入者はどのような方が多いのでしょうか?

オンラインショップが現状では国内対応のため、日本へお住まいの方のみへの販売なのですが、TwitterやFacebook、WEBニュースなどで興味を持ってくださった方にご購入いただいています。一般の方で男性、女性問わず食品サンプルファンの方が多いことに、改めて驚かされました。

――実際に購入した方の声が御社に届いていれば、教えてください。

「これが作り物だと思うと、信じられない気持ちになる」「クオリティがハンパない」「食品サンプルは日本が世界に誇るアートだ?」など、多くのお声をいただきました。食品サンプルのおもしろさを感じていただけて、大変うれしく思います。

カレンダーは60年間の技術の進化が見られる“変遷記録”

――昨年の好評を受けて、2019年版のカレンダーのタイトルは『おいしいオノマトペ』。どんな内容のカレンダーになっていますか?

食感の「モチモチ」や気持ちの「ワクワク」など、物事の音や感情などを表す擬音語・擬態語の「オノマトペ」。ひとつの食品サンプルから想起されるさまざまな「オノマトペ」に、食品サンプルがどこまで迫れるかというテーマです。今年もいわさきのトップクラスの職人が細かい部分までこだわって作り込み、おいしそうな仕上がりとなっています。手前味噌でありますが、その技術の高さに改めて驚いていただけると思います。

――改めて、カレンダーは当社にとってどのような存在でしょうか?

お得意様やお客様に感謝を伝えるツールであるとともに、それぞれの時代における技術を駆使して作り続けてきたことを考えると、当社の技術の変遷の記録でもあると感じています。

――今後、食品サンプルを通じて伝えていきたいことはありますか?

食品サンプルを活用していただいて、いろいろな方に様々な料理を知って食べてもらい、飲食店や飲食店を利用するお客様、みなさんが幸せになれるような食文化を作る一助になりたいと思います。

(文・辻内史佳)

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