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(更新: ORICON NEWS

氷河期の僧侶? 謎過ぎるフィギュアが話題 制作陣は「記憶に残る“凄い三振”したかった」

 1970年代に子供用玩具として日本に定着したカプセルトイ。近年では、玩具の域を超えた精巧なフィギュアやユニークなアイディア商品などが登場し、大人のコレクターズアイテムにもなっている。今秋、そんな大人たちを騒然とさせたのが、シュールすぎる修行僧のカプセルトイ『氷河期の僧侶』だ。発売から3ヵ月経つ現在も「やっと…揃った…(T_T)」とコンプリートを目指す熱狂的ファンも…。そこで、衝撃作の開発に携わったクリエイターたちにインタビューを実施。今年イチの“謎フィギュア”、その誕生秘話と商品化の経緯を聞いた。

企画提案から2年半…「呆れられて」の商品化

 今年9月に発売されるや否や「色々な意味で斜め上」「何これ……('-')」と、その圧倒的な“意味不明さ”に大人たちがザワついた『氷河期の僧侶』。商品名の通り、氷河期に修行する僧侶をモチーフとしたフィギュアで「托鉢」「念仏」「作務」「座禅」の4種がそろう。全身が雪で覆われているため、一見すると、“白い物体”のようだが、その表情をよく見ると、刻まれたしわ、一文字に閉じた口元に修行の厳しさがにじみ出ている…。

――近年、カプセルトイのフィギュアはユニークなものが数多く登場していますが、なかでも『氷河期の僧侶』のインパクトは衝撃的でした!“僧侶が氷河期に修行する”という斬新な発想はどこからきているのでしょうか?

「真夏に偶然、街で見かけた『托鉢僧』の姿に感銘を受けたのが、この商品のはじまりです。この過酷な暑さの中で頑張ることは、ある意味、氷河期のような厳しい環境で、修行をすることと同じなのではないかと悟りました」(『氷河期の僧侶』企画者・國本翼さん)

――存在が謎すぎるため、ネットでは“商品化できたことがすごい”という声も上がっていましたが、発売までの経緯を教えて下さい。

「この企画をご理解頂くために、パートナーのタカラトミーアーツに何度か提案をさせて頂きまして、振り返ると2年半という月日を要しました。もう少し正確に言いますと“まー、いいか”といった様な、なかば呆れられての商品化だったと記憶しています(笑)」(パンダの穴・クリエーティブディレクター飯田雅実さん)

――当初はあまり期待されていなかったんですね!?

「“氷河期の僧侶”は、今年5周年を迎えるガチャブランド『パンダの穴』シリーズのひとつです。そんな周年に『パンダの穴』らしい、“いったい何を考えているんだ、この人達は?”といった企画を出したいという一心で最後の提案にのぞみました。そこでお伝えしたのは“打率10割の打者はいません。パンダの穴の商品もそれほど売れない商品があります。その売れない枠を1つお借りし、どうせ三振をするなら誰もが記憶に残る、もの凄い三振をさせてほしい”という理論的なのか何なのか、よくわからない内容をお伝えし商品化にこぎつけました」(前出・飯田さん)

氷河期で修行する姿は、日々の苦難に立ち向かう現代人の姿と重なる?

――みなさんの熱い想いが、商品化につながったんですね。それにしても「氷河期」という厳しい状況化での修行は見ているだけでツラそうです…。このフィギュアにはどんなメッセージが込められているのでしょうか?

「それは“氷河期”をどのようにとらえるかではないでしょうか。氷河期とは太古の時代を指すだけのものではないのかもしれません。たとえば…ひとつの考え方として、生きることは苦しいことであり、それぞれの時代や人生において、就職氷河期、結婚氷河期、失恋氷河期など氷河期は存在するのだと思います。そう考えてみると、彼らが修行を続けていることは、それは私たちが日々の苦難に立ち向かう姿と重なる部分があるように思います」(前出・國本さん)

――“氷河期”には深いメッセージが隠されていたんですね。

「そうですね。氷河期の解釈はひとつではないということ、このガチャを前に、それぞれの氷河期を悟っていただければと思います。ちなみに、僧侶のフィギュアは4種ありますが、同じ僧侶が修行しているのではなく、それぞれ別の僧侶を想定しています」(前出・國本さん)

 強烈な存在感からかつい見落としてしまうが、フィギュア自体のクオリティも驚くほど高い。ミリ単位で形成されている顔の造作は1体ずつ異なり、シワや輪郭の表現から、高齢者・少しふくよか・やや若手…などプロフィールがイメージできる。僧侶たちが被る筒形の深編笠から下がるツララもリアルだ。それにしても正直なところ『氷河期の僧侶』の正しい遊び方がわからない…。

――オススメの遊び方・楽しみ方はありますか?

「どうでしょう、これからの時期ですと、寒い場所への旅行にお供させて頂いたり、初詣に連れ出して頂いたり、自分では動けないので、寒い場所に連れ出してもらえればと思います」(前出・國本さん)

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